「結婚が決まったら顔合わせをしたほうがいいと聞くけれど、いつ、どこで、何を着て、誰がお金を払えばいいの?」と、ふたりで調べ始めたところで手が止まっていないでしょうか。親同士が初めて会う場を自分たちで段取りするのは、ほとんどのカップルにとって初めての経験です。どこまできちんとすればいいのか、基準が見えにくいのも無理はありません。
先に結論をお伝えすると、結婚顔合わせは「両家が落ち着いて話せる場所」「両家で服装の格が揃っていること」「進行役と挨拶の担当が決まっていること」の3つが整っていれば、大きくつまずくことはありません。顔合わせは形式ばった儀式ではなく、両家が縁を結ぶことを確認して親睦を深めるための食事会です。完璧な作法を覚えるよりも、双方の親が安心して話せる準備をするほうが、当日の空気を和やかにしてくれます。
この記事では、顔合わせと結納の違いから、実施時期の目安、お店の選び方、立場別の服装、費用の相場と支払い方、手土産、当日の流れと会話のコツまで、ふたりが迷いやすい順番に沿って整理しました。地域や家ごとに考え方が異なる部分は、その都度「両家で確認したい点」として添えています。
・顔合わせと結納の違いと、どちらにするかの決め方
・実施時期・参加者・時間帯の目安と、完全個室を選びたい理由
・両家で揃えたい服装の格と、費用1人1万円前後の支払い方
・手土産の渡し方、当日の流れ、会話に困らない話題の準備
結婚顔合わせとは?結納との違いと、どちらを選ぶかの決め方

顔合わせは「両家が初めて正式に会う食事会」と考えれば十分です
顔合わせは、新郎新婦それぞれの家族が初めて正式に顔を合わせ、親睦を深めるための食事会です。難しい儀式の手順を覚える必要はなく、「両家がこれから縁を結ぶことを確認し合い、お互いを知る場」と捉えておけば準備の方向を間違えません。
わざわざ席を設けるのは、結婚が本人同士だけでなく家族同士のつながりでもあるからです。結婚式の準備や入籍後の行き来など、両家が連絡を取り合う場面はこの先いくつも出てきます。その最初の接点を落ち着いた食事の場で持っておくと、後から相談ごとが生じたときにも話がしやすくなります。
一般的な形は、新郎新婦と両家の両親の6名で、2時間半〜3時間程度の会食をするスタイルです。やりがちなのは、「正式な場」という言葉に引っ張られて親が必要以上に身構えてしまうケースと、反対に「ただの食事」と軽く伝えすぎて片方の家だけ普段着で来てしまうケースです。ふたりから「堅苦しい儀式ではないけれど、きちんとした食事会」と、温度感を具体的に伝えておくと安心です。
顔合わせの位置づけは地域や家によって重みが異なる場合があります。詳しい流れはハナユメの顔合わせ解説も参考になります。
結納との違いは「金品を取り交わす儀式があるかどうか」
顔合わせと結納のいちばんの違いは、儀式として金品を取り交わすかどうかです。結納は「婚約を取り決める正式な儀式」で、両家の間で金品を取り交わし、両家のおつきあいへの歩み寄りや結婚の意思を確かめる場とされています。一方の顔合わせは、結納の儀式的な部分を取り除き、両家が縁を結ぶこと、親睦を深めることを目的とした食事会です。
結納は日本の伝統的な婚礼儀式で、結納金や結納品を取り交わすことで両家のご縁を結ぶ意味があります。形式が決まっているぶん、進め方や品物の準備にしきたりがあり、地域による違いも出やすいのが特徴です。顔合わせは形式が自由なぶん、ふたりと両家の事情に合わせて組み立てられます。
よくある勘違いは「顔合わせは結納の簡易版だから、手を抜いてもいい」と考えてしまうことです。儀式がないだけで、両家が正式に顔を合わせる場であることは変わりません。お店選びや服装、挨拶の準備はきちんと整えておきましょう。
| 項目 | 顔合わせ | 結納 |
|---|---|---|
| 目的 | 両家が縁を結ぶことを確認し、親睦を深める | 婚約を取り決め、結婚の意思を確かめる |
| 形式 | 食事会(進め方は比較的自由) | 伝統的な婚礼儀式(しきたりがある) |
| 金品の取り交わし | 儀式としては行わない | 結納金や結納品を取り交わす |
| 向いている考え方 | 両家が気軽に打ち解ける場を優先したい | 伝統や地域のしきたりを大切にしたい |
婚約から入籍までの全体の流れの中で結納がどこに位置づくのかは、こちらの記事で整理しています。

どちらにするか迷ったら、ふたりで決める前に親の意向を聞く
顔合わせにするか結納にするかは、ふたりで話し合うのはもちろん、決める前にそれぞれの両親に確認しておくのが確実です。最近は結納の代わりに顔合わせを行うカップルが多くなっていますが、「多いから」という理由だけで決めると、親の思いと食い違うことがあります。
親に先に聞いておきたいのは、結納は家同士の儀式という性格が強く、親世代や地域によって大切にしている度合いが違うからです。片方の家は「食事会で十分」、もう片方の家は「きちんと結納を」と考えているケースは珍しくありません。
やりがちな失敗は、ふたりで「顔合わせにしよう」と決めて日程まで押さえてから親に伝え、片方の親が結納を想定していたことがわかって調整がやり直しになるパターンです。避けるには、両方の親に「結納と顔合わせ、どちらが良いと思う?」と同じ聞き方で尋ねるのがコツです。片方にだけ「顔合わせでいいよね?」と誘導する聞き方をすると、本音が出にくくなります。
意向が分かれたときは、どちらかに合わせるだけでなく、顔合わせの食事会の中で婚約記念品を披露するなど、儀式らしさを少し取り入れる折衷案もあります。どの形がふさわしいかは地域や家によって異なるため、ふたりが間に立って両家の考えを丁寧にすり合わせましょう。
何ヶ月前に、何時から?日程を決める前に知りたい4つの目安
親への挨拶から半年以内に行う人が約7割
顔合わせの時期に迷ったら、「それぞれの親への挨拶が済んでから半年以内」を目安にすると自然な流れになります。マイナビウエディングの調査では、親への挨拶から1ヶ月〜3ヶ月以内に行った人が39.3%と最も多く、次いで4ヶ月〜6ヶ月以内が35.0%で、約7割が挨拶から半年以内に顔合わせを実施しています。
挨拶から間を空けすぎないほうがよいのは、親の側からすると「結婚の報告を受けたのに、相手の家族にいつ会えるのかわからない」状態が続くと落ち着かないためです。挨拶の場で「近いうちに両家で食事の席を設けたいと思っています」と一言添えておくだけでも、親の安心感は変わります。
よくあるのは、ふたりの仕事が忙しくて日程調整を後回しにしているうちに、結婚式場の見学や打ち合わせが先に進んでしまうケースです。親から「式場はもう決めたの?相手のご両親にはまだ会っていないのに」と戸惑われることがあります。挨拶が済んだら、まず両家の都合のよい候補日を2〜3週ぶん聞いておくと、調整が早く進みます。
ただし、遠方に住んでいる、親の仕事の繁忙期があるなど、事情によって時期は前後します。数字はあくまで目安として、両家が無理なく集まれる日を優先してください。調査の詳細はマイナビウエディングの記事で確認できます。
結婚式を挙げるなら6ヶ月前までに済ませておくと準備が滑らかに
結婚式を予定している場合は、結婚式の6ヶ月前までに顔合わせを済ませるのが目安です。マイナビウエディングでは結婚式の5〜8ヶ月前に済ませておくことを勧めており、平均では結婚式の8.5ヶ月前に行われています。
この時期が勧められるのは、結婚式の準備が本格化する前に両家の連携を取りやすくしておくためです。招待するゲストの範囲、衣装、両家の親の服装、遠方の親族の移動など、結婚式の準備には両家で相談したいことが数多く出てきます。顔を合わせたことがある状態なら、電話やメッセージでの相談もずっとスムーズです。
具体的には、式場を決めてから顔合わせをする流れと、顔合わせで結婚式の希望を聞いてから式場を探す流れの2通りがあります。後者のほうが両家の希望を反映しやすい一方、式の時期が先になりやすい点は知っておきましょう。前者の場合は、顔合わせの席で「こういう式場に決めました」と報告する形になります。
結婚式を挙げない、または入籍を先にする場合も、顔合わせの時期に決まりはありません。入籍日の前に両家が一度会っておきたいかどうかを親に確認し、それに合わせて日程を組むと安心です。
| 親への挨拶から実施まで | 1ヶ月〜3ヶ月以内が39.3%、4ヶ月〜6ヶ月以内が35.0% |
| 結婚式から見た時期 | 6ヶ月前までが目安(平均は8.5ヶ月前) |
| 参加者・所要時間 | 新郎新婦と両親の6名/2時間半〜3時間程度 |
| 費用の目安 | 1人1万円前後、6名で6万円前後(ふたりで負担が6割以上) |
出典:マイナビウエディング、ハナユメの公開記事・アンケート結果(2026年9月時点で公開されている情報をもとに結婚式の教科書が作成)
参加するのは新郎新婦と両親の6名が基本
顔合わせの参加者は、新郎新婦と両家の両親の6名が基本です。兄弟姉妹や祖父母を招くかどうかは家ごとの考え方で決めてよく、迷ったら「両家で参加する家族の範囲を揃える」ことを判断基準にしてください。
範囲を揃えたほうがよいのは、片方の家だけ人数が多いと、少ない側の親が話の輪に入りにくくなったり、「こちらも兄弟を呼ぶべきだったのでは」と気を遣わせてしまったりするからです。人数そのものよりも、両家が対等に感じられるかどうかが居心地を左右します。
やりがちなのは、片方の親が「せっかくだから弟も連れていくね」と直前に決めてしまい、もう片方の家には伝わっていないケースです。当日になって席数が合わず、お店に慌てて連絡することになります。参加者が決まったら、ふたりから両家に「当日は○名で伺います」と同じ内容を共有しておきましょう。
ひとり親の家庭や、親の体調・距離の事情で参加が難しい家族がいる場合も、無理に人数を合わせる必要はありません。その場合は、事前にもう片方の家へ事情をひと言伝えておくと、当日に余計な質問が出ずに済みます。親族の範囲の考え方は地域や家によって異なるため、両家の意向を優先してください。
日柄と時間帯は「昼の11時〜13時開始」が一般的
開始時間に迷ったら、昼の11時〜13時の間に始めるのが一般的です。夜の会食でも問題はありませんが、遠方から来る親の移動や、帰りの時間を考えると昼のほうが調整しやすい傾向があります。
日柄については、大安・友引・先勝(午前中)といった、暦の上で縁起がよいとされる休日が人気です。六曜はあくまで暦の一般的な解釈で、気にするかどうかは家によって大きく異なります。ふたりが気にしていなくても、親や祖父母が大切にしていることはあるため、候補日を出す段階で「日柄は気にする?」と一度聞いておくと安心です。
よくある失敗は、ふたりの都合だけで日程を決めてから、片方の親に「その日は仏滅だけれど大丈夫?」と言われて迷い始めるケースです。すでにお店を予約していると、変更の手間もかかります。日柄を気にする家がある場合は、先に暦を確認してから候補日を絞りましょう。
昼に始めると、会食が終わったあとも明るいうちに解散できるため、両家が駅まで一緒に歩いたり、ふたりがそれぞれの親を見送ったりする時間も取りやすくなります。どちらの時間帯にするかは、両家の移動の負担を基準に決めてください。
お店選びで会話の弾み方が変わる?「完全個室」を優先したい理由

最優先は完全個室、隣の声が聞こえない環境を選ぶ
お店を選ぶときにいちばん優先したい条件は、両家が落ち着いて話せる環境、つまり完全個室です。料理の評判や店の格よりも、「周りを気にせず話せるか」を先に確認してください。
個室が大切なのは、隣のテーブルの人たちの話が聞こえるような場所では、親御さんも本音で話しにくくなるからです。顔合わせでは、家族構成や子どもの頃の話、これからの暮らしの相談など、他人に聞かれたくない話題も自然に出てきます。周りの目や声が気になると、親はどうしても当たり障りのない会話に終始しがちです。
また、挨拶や婚約記念品のお披露目など、少し改まった場面もあります。オープンな客席で立ち上がって挨拶をするのは、慣れていない親にとって負担になります。個室なら、進行役が「それでは」と切り出しやすく、流れにメリハリも生まれます。
予約サイトの「個室あり」には、壁と扉で仕切られた完全個室のほか、ロールカーテンやパーテーションで区切っただけの半個室が含まれていることがあります。当日、隣の団体客の笑い声が響いて親が声を張り上げる羽目になった、というのがよくある失敗です。原因は「個室」の中身を確認していないこと。対策として、予約時に「扉で仕切られた完全個室か」「顔合わせの利用であること」をお店に直接伝え、可能ならふたりで一度下見をしておきましょう。
料亭・フレンチ・中華は「親がくつろげるか」で選ぶ
料理のジャンルに正解はありません。迷ったら「両家の親が緊張せずに食べられるか」を基準に選べば大きく外しません。それぞれに良さがあるので、親の好みや普段の食事の傾向を思い浮かべながら比べてみてください。
料亭は落ち着いた雰囲気で、なごやかな会話を楽しめるのが魅力です。慶事用のコースを用意しているお店もあり、お店を手配するふたりの負担が少なく済みます。フレンチやイタリアンは料理が華やかで、お祝いの雰囲気を演出しやすいのが良さです。中華料理は円卓で全員の顔が見えて会話がしやすく、お箸も使えるので安心という声があります。
やりがちなのは、ふたりが行ってみたかったお店を優先して選んだ結果、親がナイフとフォークの扱いやなじみのない食材に気を取られて、会話どころではなくなるケースです。お祝いの場だからこそ、ふたりの好みより親の居心地を優先しましょう。
| 項目 | 料亭(和食) | フレンチ・イタリアン | 中華料理 |
|---|---|---|---|
| 雰囲気 | 落ち着いていて、なごやかに話せる | 料理が華やかで、お祝いらしさが出る | 円卓で全員の顔が見え、会話しやすい |
| ふたりにとっての良さ | 慶事用コースがある店もあり、手配の負担が少ない | 記念の食事らしい特別感を演出できる | お箸が使えて、親世代も安心しやすい |
| 確認しておきたい点 | 座敷かテーブル席か(足腰への配慮) | テーブルマナーに不安がある家族がいないか | 完全個室の円卓があるか |
お店の雰囲気については、ハナユメの場所選び解説にも理想の条件がまとめられています。座敷の場合は、正座が負担になる家族がいないかも事前に聞いておくと親切です。
コース料理を予約しておくと、注文に気を取られず会話に集中できる
食事はアラカルトではなく、コース料理を予約しておくのが安心です。当日その場でメニューを選ぶ時間をなくし、両家が会話に集中できるようにするためです。
初対面同士でメニューを開くと、「何にしますか」「どうぞお先に」と遠慮し合う時間が生まれがちです。値段が書かれたメニューを見て、相手の家に気を遣う親もいます。コースで流れが決まっていれば、料理が運ばれてくるタイミングも自然な区切りになり、進行役も挨拶や乾杯のきっかけをつかみやすくなります。
よくある失敗は、コースの内容を確認せずに予約して、苦手な食材やアレルギーのある食材が出てきてしまうケースです。予約の前に、両家の親に食べられないものがないかをふたりがそれぞれ聞き取り、お店に伝えておきましょう。飲み物も、乾杯の一杯だけ決めておくと当日の注文がスムーズです。
お店によっては、顔合わせ向けのプランとして、個室料や記念撮影などがセットになっていることもあります。内容はお店ごとに異なるため、予約時に何が含まれているかを確認してから決めてください。
眺めや季節感のある店は、話題のきっかけになる
完全個室という条件を満たしたうえで迷ったら、窓からの眺望が良いお店や、季節感を感じられる内装のお店を選ぶと、会話のきっかけが生まれやすくなります。理想は、適度にフォーマルでありながら、リラックスして会話を楽しめる空間です。
初対面の場では、最初の数分の沈黙が一番気まずく感じられます。そんなとき「きれいな景色ですね」「お庭の紅葉が見事ですね」と、目の前にあるものを話題にできると、誰でも気軽に口を開けます。家族の話や結婚式の話に入る前の、ウォーミングアップの役割を果たしてくれるのです。
やりがちなのは、格式の高さを重視しすぎて、親が「汚してはいけない」「大きな声で話してはいけない」と萎縮してしまうお店を選ぶことです。反対に、カジュアルすぎるお店では、改まった挨拶がしにくくなります。ホテルのレストランや料亭の個室など、「きちんとしているけれど、くつろげる」中間の雰囲気を探すとバランスが取れます。
両家の住まいが離れている場合は、移動の負担がどちらかに偏らない場所にするか、片方の地元で開くかも両家で相談しておきたい点です。どちらがよいかは家ごとの考え方によるため、ふたりから選択肢を示して意見を聞くとまとまりやすくなります。
服装はどこまできちんとする?格を揃えるための立場別の目安
まずは両家で「どのくらいの格にするか」を事前に打ち合わせる
顔合わせの服装で一番大切なのは、両家で服装の格を揃えることです。フォーマルにするなら全員がフォーマル、カジュアルにするなら全員がカジュアルと、足並みを揃えておけば、どちらの格を選んでも気まずくなることはありません。
格を揃えるのは、服装の差がそのまま「この場をどう受け止めているか」の差に見えてしまうからです。片方の父親がダークスーツ、もう片方の父親がポロシャツで現れると、本人たちに悪気がなくても、スーツの側は「軽く見られているのでは」、カジュアルな側は「場違いだった」と感じてしまいます。
基本は場所の雰囲気に合わせることです。料亭やホテルならフォーマルまたはセミフォーマル、カジュアルなレストランならセミフォーマル〜カジュアルが目安になります。ただし「セミフォーマル」という言葉のイメージは人によって違うため、「父親はスーツにネクタイ、母親はワンピース」のように具体的な服装で伝えるほうが確実です。
やりがちな失敗は、ふたりがそれぞれ自分の親にだけ伝えて、両家の認識をすり合わせていないケースです。服装の打ち合わせは、ふたりが間に立って両家に同じ内容を伝えるのが役割だと考えておきましょう。服装の詳しい考え方はブラスの顔合わせ解説も参考になります。
新郎新婦は堅苦しすぎないセミフォーマルが目安
新郎新婦の服装は、堅苦しすぎないセミフォーマルを目安にすれば問題ありません。男性ならスーツ、女性ならワンピースやセットアップなど、改まった食事会にふさわしいきちんと感のある装いを選びましょう。
ふたりはこの会の主催者であり、両家をもてなす立場です。親よりも格の高い服装にする必要はありませんが、ふたりがカジュアルすぎると、きちんとした装いで来てくれた親との釣り合いが取れなくなります。「親の服装と並んだときに浮かないか」を想像して選ぶと判断しやすくなります。
よくある迷いは、女性が「振袖や着物で行ったほうがいいのか」と悩むケースです。着物を選ぶ方もいますが、着付けの手間や当日の動きやすさも考え、両家の格の打ち合わせに合わせて決めれば十分です。片方だけ着物で華やかすぎる印象になるのが心配なら、事前にその旨を相手の家に伝えておきましょう。
女性の場合、肩や胸元が大きく開いた服、丈の短すぎるスカートは、目上の家族と会う場では避けられる傾向があります。男性はネクタイの色柄を落ち着いたものにしておくと、どのお店でもなじみます。細かな好みは家によって異なるため、迷ったら控えめなほうを選んでおくと安心です。
父親はダークスーツ、母親は落ち着いた色のワンピースかセットアップ
両親の服装は、父親はダークスーツ、母親は落ち着いたカラーのワンピースやセットアップが基本です。新郎新婦の両親が初めて顔を合わせる場なので、「きちんとしているけれど、主役より目立たない」装いを目安にしてください。
親の服装が落ち着いた色合いを基本にするのは、両家の親が並んだときに互いへの敬意が伝わり、場の空気も穏やかに見えるからです。濃紺やグレー、ベージュなどの色は、料亭でもホテルのレストランでもなじみやすく、格の打ち合わせにも合わせやすい選択です。
やりがちなのは、親が「顔合わせのために新しく買わなければ」と気負ってしまうケースです。手持ちのスーツやワンピースで十分な場合がほとんどなので、ふたりから「普段お持ちのスーツで大丈夫」と伝えてあげると、親の負担が軽くなります。反対に、何年も着ていないスーツを久しぶりに出すと、サイズが合わなくなっていることもあるため、事前に一度袖を通してもらうよう声をかけておきましょう。
母親が着物を選ぶ家もありますが、もう片方の母親が洋装だと差が出やすいため、和装にするかどうかも両家で共有しておくのが確実です。
| 項目 | 新郎新婦 | 父親・母親 | 兄弟・姉妹 |
|---|---|---|---|
| 服装の目安 | 堅苦しすぎないセミフォーマル | 父親はダークスーツ、母親は落ち着いた色のワンピースかセットアップ | 兄弟はスーツかジャケットに白シャツ、姉妹は上品なワンピースかセットアップ |
| 場所による調整 | 料亭・ホテルならフォーマル〜セミフォーマル、カジュアルなレストランならセミフォーマル〜カジュアル | ||
| 全員の共通点 | 両家で格を揃える/髪型・爪・ヒゲまで整えた清潔感を最優先する | ||
兄弟姉妹と、全員に共通する「清潔感」の整え方
兄弟姉妹が参加する場合は、兄弟ならスーツまたはジャケットスタイルに白シャツと落ち着いたネクタイ、姉妹ならシンプルで上品なワンピースやセットアップが目安です。そして立場を問わず全員に共通して最も重要なのが、清潔感です。
清潔感が重視されるのは、服の値段や格よりも、身だしなみの細部のほうが相手の印象に残りやすいからです。顔合わせは食事の席なので、向かい合った相手からは手元や顔まわりがよく見えます。髪型が乱れていないか、爪は短く整っているか、ヒゲの手入れは行き届いているかまで気を配ると、きちんと準備してきた気持ちが伝わります。
やりがちなのは、スーツは整えたのに、靴が汚れていたり、シャツにしわが残っていたりするケースです。座敷のお店では靴を脱ぐため、靴下や足元も意外と目に入ります。前日に全員の一式を確認しておくと安心です。
兄弟姉妹のうち学生がいる場合は、制服を正装として着てもらう家もあります。どこまで揃えるかは家ごとに考え方が異なるため、両家で参加者と服装を一緒に確認しておきましょう。服装の考え方はみんなのウェディングの解説でも紹介されています。
食事代は誰が払う?6名で6万円前後の費用と会計の段取り
相場は1人1万円前後、6名なら6万円前後
顔合わせの費用は、1人1万円前後が相場とされています。新郎新婦とふたりの両親の6名で行う場合は、6万円前後が目安です。予算を立てるときは、この金額を基準にお店とコースを探すと選びやすくなります。
1人1万円前後が目安になるのは、完全個室でコース料理をいただく、少し改まった食事会になるためです。普段の外食より高めになりますが、両家が初めて正式に会う場として、落ち着いた空間とゆったりした時間を確保するための費用と考えるとイメージしやすいでしょう。お店やコースによっては1人10,000円〜15,000円程度になることもあり、6名で60,000円〜90,000円程度を見込んでおくと安心という見方もあります。
よくあるのは、コースの料金だけを見て予算を組み、当日に個室料や飲み物代、サービス料が加わって想定より高くなるケースです。顔合わせの費用には一般的に食事代と個室料が含まれるため、予約の段階で「個室料はかかるか」「飲み物は別料金か」をお店に確認しておきましょう。
金額はお店の立地や格、地域によって大きく変わります。相場はあくまで目安として、両家が居心地よく過ごせるかどうかを優先して選んでください。費用の考え方はハナユメの費用解説にも詳しくまとめられています。
実は、支払いは「ふたり」が負担する人が6割以上
「親の食事代まで、ふたりが払っていいのかな」と迷うかもしれませんが、実は顔合わせの費用は、ふたりで負担する人が多数派です。ハナユメのアンケートでは、6割以上のカップルが自分たちふたりで負担したと回答しています。
意外と知られていないのですが、これは顔合わせが「ふたりが両家の親を招待する会」という形をとるのが一般的だからです。結婚の報告を受けた親に、ふたりから「これからよろしくお願いします」という気持ちを込めて席を用意する、と考えると、ふたりが支払うことに自然な理由があります。親の側も、子どもからもてなしを受けることで、結婚への実感が湧くという面があります。
もちろん、両家で折半する家、親が負担する家もあり、どれが正しいということはありません。やりがちなのは、ふたりが「自分たちで払う」と決めて誰にも伝えず、当日になって親が「こちらで出します」と申し出て、会計の場で話がまとまらなくなるケースです。
支払い方は、日程やお店が決まった段階で、両家それぞれに「今回は私たちから招待させてください」と先に伝えておくのが確実です。親から負担を申し出られた場合は、断りきらずに「ではお言葉に甘えて」と受け取るのも一つの考え方です。どう分担するかは家ごとの価値観によるため、両家の意向をふたりが聞いてすり合わせましょう。
会計は新郎が代表して払い、あとでふたりで精算する形が多い
ふたりで費用を負担する場合、当日の会計は新郎が代表して支払い、後日ふたりで精算する形がよく選ばれています。誰が支払うかをふたりの間で決めておけば、会計の場で戸惑うことはありません。
代表者を決めておくのは、テーブルで伝票を前に「私が」「いえ私が」と譲り合う場面を避けるためです。顔合わせは和やかに終わってこそ意味がある会なので、最後の会計で空気がぎこちなくなるのはもったいないことです。支払いを親の目に触れないところで済ませると、もてなす側の心遣いも伝わります。
食事が終わってテーブルに伝票が届いた瞬間、両家の父親がそれぞれ「ここは私が」と財布を出し、どちらも引かずに気まずい空気のまま解散してしまう——というのはよくある失敗です。原因は、支払い方を事前に両家へ伝えていないこと、そして会計を席で行う流れにしてしまったことです。対策は2つ。事前に「今回はふたりで招待します」と両家に伝えておくこと、そして結びの挨拶の前に新郎が中座するなどして、席を立たずに済むよう会計を先に済ませておくことです。お店によっては予約時に事前精算やカード決済の相談ができる場合もあります。
後日の精算は、ふたりの家計の管理方法に合わせて自由に決めてかまいません。領収書やお店の明細を保管しておくと、結婚式の準備費用とまとめて整理するときにも役立ちます。
手土産代や遠方からの交通費・宿泊費は、食事代と別枠で考える
顔合わせにかかるお金は、食事代と個室料だけではありません。手土産代や、遠方から来る家族の交通費・宿泊費は食事代とは別にかかるため、予算を立てる段階で別枠として整理しておきましょう。
別枠で考えたほうがよいのは、「費用はふたりで負担する」と決めたとき、それが食事代だけを指すのか、移動にかかるお金まで含むのかで、両家の受け止め方が変わってくるからです。片方の家だけ遠方から新幹線や飛行機で移動し、宿泊も必要になると、家ごとの負担に差が生まれます。
やりがちなのは、食事代はふたりが払ったものの、遠方から来てくれた親の交通費には誰も触れず、その家が「こちらばかり負担している」とモヤモヤを抱えたまま帰るケースです。お金の話は切り出しにくいものですが、事前にふたりから「交通費はどうしようか」と親に確認しておくと、後から不満が残りにくくなります。
交通費や宿泊費をどう分担するかに決まったルールはなく、家ごとの考え方や距離によって判断が分かれます。遠方の家の負担を減らすために、ふたりが一部を用意する、あるいは中間地点で開いて移動を分け合うなど、両家が納得できる形を相談してください。
手土産は何を、いつ渡す?相場とのしで迷わないための基本
相場は3,000円〜5,000円、日持ちする個包装のお菓子が選ばれやすい
顔合わせの手土産は、3,000円〜5,000円が相場です。品物は、日持ちする個包装の和菓子や洋菓子を選んでおけば安心です。
個包装で日持ちするものが選ばれるのは、受け取った家が家族で分けやすく、食べるタイミングを急がされないからです。遠方から来ている家族なら持ち帰りの移動もあるため、要冷蔵のものや崩れやすいものは避けたほうが相手の負担になりません。また、手土産を渡す際にその品物にまつわるエピソードや思い出を話すと、会話のきっかけにもなります。「私の地元で昔から親しまれているお菓子なんです」とひと言添えられるものを選ぶと、話が広がりやすくなります。
よくある失敗は、相手の家族の好みやアレルギーを確認せずに選んでしまうケースです。事前にふたりから、相手の家族に食べられないものがないかを聞いておきましょう。アルコール類は、相手のご家族が飲む習慣があるかわからない段階では避けておくと安心です。
手土産の品選びや、のしの書き方をさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

のしは「御礼」の結び切り、品物の格は両家で揃える
手土産にかけるのしは、表書きを「御礼」とし、水引は結び切りにするのが正式とされています。そして、手土産で最も大切なマナーは、両家で品物の格を揃えることです。
結び切りは、一度結ぶとほどけない水引の結び方です。結婚のように「一度きりであってほしい」お祝いごとに使われる結び方で、両家の縁がほどけないようにという気持ちも込められます。表書きの考え方や、ふたりが用意するか親が用意するかは、地域や家によって異なる場合があります。
格を揃えるのが大切なのは、服装と同じく、手土産の差が「この場への気持ちの差」に見えてしまうからです。片方の家が老舗の菓子折りを持ってきて、もう片方の家は手土産なし、というのはお互いに気まずい思いをする代表的な例です。どちらが悪いということではなく、事前の情報共有がなかったことが原因です。
対策として、「手土産を持っていくか」「どのくらいの金額帯にするか」を、ふたりが両家に同じ内容で伝えておきましょう。「お互い手土産はなしにしましょう」と決めるのも一つの方法です。大切なのは、どちらか一方だけが用意する状態にならないことです。
渡すのは挨拶が済んで席に通された後、着席する前
手土産を渡すタイミングは、両家の挨拶がそれぞれ終わり、食事会の個室などに通されて改めて挨拶を交わしたあと、着席する前がベストです。お店の入り口やロビーで渡すより、落ち着いた場所で改めて手渡すほうが、気持ちが伝わりやすくなります。
着席前に渡すのは、食事が始まってからだと、会話や料理の流れを止めてしまうからです。また、帰り際に渡そうとすると、会計やお見送りの慌ただしさに紛れてタイミングを逃しがちです。最初に手渡しておけば、その品物をきっかけに会話も始められます。
やりがちなのは、紙袋のまま差し出してしまうことです。一般的には、紙袋から品物を取り出し、相手から見て正面になる向きにして両手で渡し、紙袋は持ち帰り用に添える形が丁寧とされています。ただし、お店の中で紙袋の扱いに迷う場合もあるため、無理に形式にこだわらず、ひと言添えて気持ちよく渡すことを優先してください。
両家から手土産を渡し合う場合は、どちらが先に渡すかで迷うこともあります。決まった順番はないため、事前にふたりが「こちらからお渡しします」と段取りを決めておくとスムーズです。手土産のマナーはアニーの手土産ガイドでも紹介されています。
当日の流れと会話のコツ|結婚顔合わせを和やかに終える進行術
当日の流れは5つのパートで、2時間半〜3時間が目安
当日は、はじまりの挨拶、両家の紹介、婚約記念品のお披露目、乾杯・歓談、結びの挨拶という5つのパートで進めるのが一般的です。全体で2時間半〜3時間ほどの会食を通して、両家の親睦を深めていきます。
流れをあらかじめ決めておくのは、誰も進行を切り出さないまま食事が始まり、なんとなく解散してしまうのを防ぐためです。初対面の場では、誰もが「自分が仕切っていいのだろうか」と遠慮します。区切りがあることで、挨拶や紹介といった改まった場面と、くつろいだ歓談の時間にメリハリが生まれます。
やりがちなのは、歓談が盛り上がりすぎて結びの挨拶のタイミングを逃し、お店の予約時間ぎりぎりで慌ただしく終わるケースです。予約した時間の終わりを進行役が意識し、デザートが出たあたりで締めに向かうと、落ち着いて会を終えられます。お店の利用時間の上限は予約時に確認しておきましょう。
進行役と挨拶の担当は事前に決め、ふたり以外なら早めにお願いする
当日の流れが決まったら、進行役と、はじまり・結びの挨拶を誰がするかも一緒に決めておきます。ふたり以外の人、たとえば新郎の父親などにお願いする場合は、事前に依頼して心づもりをしてもらいましょう。
事前に依頼するのは、当日いきなり「お父さん、挨拶お願い」と振られると、言葉が出てこず本人も周りも気まずい思いをするからです。親にとっても大切な場なので、何を話すか考える時間があると安心して臨めます。最近は、ふたりが主催者として新郎が進行役を務め、結びの挨拶を片方の父親にお願いする形もよく見られます。
新郎がはじまりの挨拶をする場合は、次のような例文がそのまま使えます。
「本日はお忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。私たちの結婚にあたり、両家の皆さんに顔を合わせていただきたいと思い、このような席を設けました。堅苦しい会ではありませんので、どうぞ楽しくお話ししながらお食事をお楽しみください。本日はよろしくお願いいたします。」
言い換えとして、「このような席を設けました」を「ささやかな食事会を用意しました」に、「どうぞ楽しく〜」を「これを機に、両家のおつきあいをよろしくお願いいたします」にすると、少し改まった印象になります。長さは、ゆっくり読んで短く感じる程度で十分です。挨拶の担当を誰にするかは家によって考え方が異なるため、親の意向も聞いて決めてください。進行の決め方はマイナビウエディングの準備解説も参考になります。
話題に困ったら「家族・地元・子どもの頃」の3つに戻る
会話に困ったときは、家族構成やその場にいない家族の紹介、家族での思い出話、ふたりの子どもの頃の話、地元の話に戻れば大丈夫です。天気や季節の話、趣味の話、結婚式や結婚後についての相談も、顔合わせにふさわしい話題とされています。
これらの話題が選ばれるのは、誰もが答えやすく、両家が「相手の家族を知る」という会の目的に沿っているからです。地元の食べ物の話や、手土産にまつわるエピソードも、食事の席では自然に盛り上がります。
会話を盛り上げる一番のコツは、事前にふたりでお互いの親のことを教え合い、会話の種をストックしておくことです。「父は釣りが好き」「母は料理教室に通っている」といった情報があれば、当日ふたりから積極的に話題を振れます。親も話しているうちに緊張がほぐれ、和やかな雰囲気になります。
話題選びのヒントは、ハナユメの話題解説やアニヴェルセルの顔合わせ解説にもまとめられています。
婚約記念品のお披露目と、結婚式の相談は「その場で決めない」
婚約指輪などの婚約記念品を用意している場合は、両家の紹介のあとにお披露目の時間を設けると、会に改まった区切りが生まれます。一方、結婚式や結婚後の暮らしについての相談は、その場で結論を出そうとせず、「両家の希望を聞く」ことにとどめるのがおすすめです。
記念品のお披露目を入れるのは、儀式的な要素を省いた顔合わせの中でも、「婚約が整った」ことを両家で共有できるからです。結納をしない場合でも、この時間があることで親が結婚を実感しやすくなります。記念品を持っていない場合は、無理に用意しなくてもかまいません。婚約指輪・結婚指輪の相場や選び方は、こちらの記事で紹介しています。

結婚式の相談で決めきらないほうがよいのは、招待する親族の範囲や式のスタイルなど、家ごとに考え方が違う話題が多いからです。やりがちなのは、片方の親が「親族はみんな呼ぶものだ」と話し、もう片方の親が言い出しにくいまま話が決まってしまうケースです。その場では「ご意見をうかがって、ふたりで検討しますね」と受け止め、後日それぞれの親と個別にすり合わせましょう。顔合わせは決定の場ではなく、両家の考えを知る場と位置づけておくと、和やかな空気を保てます。
まとめ|ふたりが段取りを整えれば、顔合わせは落ち着いて迎えられる
顔合わせの準備で迷ったときは、「両家が同じ情報を持っているか」「両家の親が安心して話せるか」の2つに立ち返ってみてください。服装や手土産、支払い方で起きる行き違いのほとんどは、作法の知識不足ではなく、片方の家にだけ情報が伝わっていないことから生まれます。まずは今日、それぞれの親に「顔合わせと結納、どちらがいいと思う?」「日柄は気にする?」と同じ質問をするところから始めましょう。ふたりが両家の間に立って丁寧につなぐことが、これから長く続く家族同士のおつきあいの第一歩になります。
※相場や割合は公開されている調査・解説記事をもとにしており、地域や家、お店によって異なる場合があります。最新情報は各公式サイトでご確認ください。

コメント