結婚が決まり、両家の顔合わせをすることになった。日にちとお店は押さえた。けれど「当日、そこで何をすればいいのか」がわからない——そんな状態で検索した方が多いのではないでしょうか。結納のように決まった作法があるのか、進行役は誰なのか、黙って食べているだけで終わってしまわないか。不安の正体は、たいてい「型を知らないこと」です。
結論からお伝えします。両家顔合わせは、両家がそろって食事をしながら自己紹介し、親睦を深める会です。結納のような厳密なしきたりはなく、当日は「挨拶 → 家族紹介 → 婚約記念品のお披露目 → 記念撮影 → 乾杯・歓談 → 結びの挨拶」という流れをたどります。所要時間は2時間半~3時間。つまり、食事の時間を除けば、改まったことをしているのは合計で30分ほどです。
そして、うまくいくかどうかを分けるのは当日の話術ではなく、事前に両家で「6つの決めごと」をそろえておけるかどうかです。この記事では、当日の9ステップを時系列で追ったうえで、準備で決めること、立場別の服装、席順、手土産、挨拶の例文と話題選びまで、迷いどころを順番に解いていきます。読み終えたときには、進行表が頭の中にできているはずです。
・顔合わせ当日に何をするのか(9ステップの進行と時間配分)
・当日より前に両家で決めておく6つの項目と費用の目安
・立場別の服装・席順・手土産のルールと避けたい選び方
・はじまりの挨拶/乾杯/結びの挨拶の例文と、会話が続く話題
顔合わせ何するか迷ったら、まず押さえたい4つの基本

細かいマナーに入る前に、会の性格そのものを押さえておくと判断がぶれません。「何をする会で」「なぜ行うのか」「いつやるのか」「どれくらいの長さか」。この4つが頭に入っていれば、迷ったときの基準が自分の中にできます。
特別な儀式は不要|顔合わせの正体は「両家がそろう食事会」
顔合わせで特別な儀式をする必要はありません。両家顔合わせとは、結婚が決まったふたりと両家の親が正式に顔を合わせる食事会で、ホテルのレストランや料亭、レストランの個室で行うのが主流です。目的は「両家の親睦を深めること」だとブライダル専門メディアの解説でも説明されています。
なぜ食事会の形が定着したかというと、儀式には作法の正解・不正解が生まれてしまうからです。食事を囲む形にすれば、両家が同じテーブルで同じものを食べ、会話に集中できます。参加者は新郎新婦と両家の両親が基本で、兄弟姉妹や祖父母が加わることもあります。
気をつけたいのは、家によっては結納に近い改まった形を望む場合があることです。「食事会で十分」と思っているのはふたりだけで、親は結納のつもりだった、という食い違いは起こり得ます。会の性格そのものを、いちばん最初に両家へ確認しておきましょう。
約9割が実施している理由と、結納との線引き
顔合わせは約9割のカップルが実施する、現代の結婚準備の定番ステップです。実施率が高いのは、結納のように仲人や結納品の手配が必要なく、両家の距離感に合わせて規模を調整できるためだと考えられます。
結納との違いは「儀式か、食事会か」という一点に集約されます。結納は結納品や受書をやり取りする儀礼で、地域ごとに作法が異なります。一方の顔合わせは、席順に上座・下座の考え方こそあるものの、それ以外に特別なしきたりはありません。
やりがちなのが、両家の認識をそろえないまま進めてしまうケースです。片方の家が「結納の代わりだから婚約記念品の交換はする」と考え、もう片方が「単なる食事会」と考えていると、当日の進行がかみ合いません。記念品のお披露目を入れるかどうかまで含めて、事前にすり合わせておくのが確実です。地域や家によって考え方が異なる部分なので、どちらが正しいという話にはしないほうが穏やかにまとまります。
両家顔合わせ=結婚が決まったふたりと両家両親が正式に会い、親睦を深める食事会。特別なしきたりはない。
結納=結納品や受書をやり取りする婚約の儀式。地域や家によって形式が大きく異なる。
婚約記念品=婚約指輪や時計など、婚約の証として贈り合う品。顔合わせの席でお披露目・交換することがある。
時期は「結婚挨拶から3ヶ月以内」を目安に逆算する
日取りに迷ったら、結婚挨拶を済ませてから3ヶ月以内を目安にすると動きやすくなります。式を挙げる場合は式の5~8ヶ月前に行うのが一般的で、ブライダルジュエリーブランドの解説では式の6ヶ月前が理想的とも説明されています。
この時期が選ばれる理由は単純で、顔合わせの後に会場決定・衣装・招待客リストといった、両家の意向が関わる決定が続くからです。顔合わせを済ませておけば、その後の相談がふたり経由でスムーズに回ります。逆に準備が進みすぎてから顔合わせを行うと、親が「聞いていない」と感じる場面が増えます。
具体的には、両家の親の予定を先に押さえるのが近道です。土日が休みとは限らない仕事もありますし、遠方からの移動が必要なら前後の宿泊も絡みます。日程候補は3つ程度を並べて両家に打診し、ふたりが取りまとめる形にすると角が立ちません。大安などの吉日を気にする家もありますが、両親の予定と意向を優先して決めるほうが現実的です。
所要時間は2時間半~3時間|改まった場面は合計30分ほど
「3時間も何を話せばいいのか」と身構える必要はありません。顔合わせの所要時間は2時間半~3時間ですが、その大半は食事と歓談の時間です。挨拶・家族紹介・記念品のお披露目・記念撮影といった改まった場面は、合わせても30分程度に収まります。
時間の感覚を持っておくと、進行の判断がしやすくなります。コース料理を頼んでいれば、料理が運ばれてくるペースが自然とタイムキーパーになってくれるからです。前菜からデザートまでの間に、家族紹介と歓談が自然に配置されるイメージです。
注意したいのは、会場の利用時間に上限がある場合です。個室は2時間制や3時間制になっていることがあり、記念撮影や歓談が押すと慌ただしく解散することになります。予約の時点で利用可能な時間を確認し、余裕がなければ撮影を前倒しするなど、進行を先に組み替えておきましょう。
顔合わせ何するかが時系列でわかる|当日の9ステップ
ここからは当日の進行を順番に追います。顔合わせは9つのステップで進み、それぞれ「誰が」「何をするか」が決まっています。この型を頭に入れておけば、その場で考える必要はほとんどありません。
ステップ1〜3|店の外で合流し、上座から着席する
最初のステップは「店の中で合流しない」ことです。開始5~10分前に到着し、お店の外や入口付近で両家がそろってから入店します。先に片方の家族だけが個室に通されていると、後から入る側が挨拶のタイミングを失い、最初の数分がぎこちなくなるためです。
着席は上座から父親・母親の順、その他は下座が基本です。席に着く前後で手土産を渡す流れになるので、紙袋は椅子の脇ではなく、取り出しやすい場所に置いておきましょう。
続くステップ3のはじまりの挨拶は、新郎または新郎の父親が担当するのが一般的です。内容は「本日はお集まりいただき誠にありがとうございます。両家の親睦を深める機会として設けました」といった、感謝と趣旨の2点で足ります。長く話す必要はなく、姿勢を正して一礼してから話し始めるだけで、場の空気が整います。
気をつけたいのは、進行役を決めないまま当日を迎えることです。「父が話すと思っていた」「息子が仕切ると思っていた」という行き違いで沈黙が生まれます。誰が挨拶するかは、事前に両家へ伝えておきましょう。
ステップ4〜6|家族紹介・記念品のお披露目・記念撮影
家族紹介は、名前・続柄に加えて趣味や仕事をひと言添えると、その後の会話の入口になります。紹介の順番は新郎側から始めるのが自然で、まず新郎が自分の家族を紹介し、次に新婦が自分の家族を紹介する形が進めやすい流れです。
紹介にひと言を添えるのは、後で親同士が話しかけやすくするためです。「父は釣りが好きで、週末はよく出かけています」と言い添えておけば、歓談の場面で相手の親が「どちらまで行かれるんですか」と入っていけます。情報を渡しておくことが、そのまま会話の材料になります。
婚約記念品のお披露目は、婚約指輪などをその場で披露したり、改めて交換したりする場面です。記念撮影は乾杯前に済ませておくのがおすすめです。食事が始まるとテーブルに料理や取り皿が並び、席も崩れるため、きれいな状態で撮れるタイミングが限られます。
やりがちな失敗は、記念品を用意するかどうかを両家で共有していないことです。片方だけが用意していると、贈られた側が気まずい思いをします。お披露目を進行に入れるかどうかは、事前に確認しておきましょう。
ステップ7〜8|乾杯から歓談、そして結びの挨拶へ
乾杯の音頭は新郎が取り、言葉は手短にまとめます。「おいしい料理をゆっくり味わいながら交流いただければと思います。乾杯」という程度で十分です。乾杯の挨拶が長くなると、料理が冷め、参加者の緊張もほどけません。
歓談が会の中心です。ここで意識したいのは、ふたりが話し役になるより、両家の親が話しやすいように橋を架けることです。「お母さん、さっきの写真の話をぜひ」と振るだけで、会話は動き始めます。
会計は歓談の終盤に、目立たないタイミングで済ませます。そのうえで結びの挨拶に移ります。開始から2時間半ほど経った頃合いが目安で、両親の挨拶の後にふたりが感謝と今後への抱負を伝える形が収まりよくまとまります。「本日はありがとうございました。これからもふつつかですがよろしくお願いいたします」といった短い言葉で構いません。
注意点として、締めのタイミングを誰も切り出さないと、会がだらだらと延びます。会場の利用時間が決まっている場合はなおさらです。新郎新婦のどちらかが時計役を引き受けておくと安心です。
ステップ9|翌日のお礼連絡まで含めて顔合わせは完結する
解散して終わりではなく、翌日のお礼連絡までが顔合わせです。電話やメッセージで、参加してくれたこと・遠方から来てくれたことへの感謝を伝えます。目安は、手紙なら3日以内、メールなら翌日までです。
お礼を送るのは、単なる礼儀というだけではありません。親世代にとっては「無事に終わった」という確認になり、次の準備の相談がしやすくなります。特に遠方から参加した親には、帰宅の確認も兼ねて連絡すると喜ばれます。
具体的には、新郎は新婦の親へ、新婦は新郎の親へそれぞれ連絡するのが丁寧な形です。文面は「昨日はありがとうございました。お会いできてうれしかったです」といった短いもので構いません。ここで長文の敬語に悩んで送りそびれるほうが、印象としては残念な結果になります。
気をつけたいのは、連絡手段を親の習慣に合わせることです。メッセージアプリを日常的に使わない親には電話のほうが確実です。どちらが連絡しやすいかを、ふたりの間で確認してから動きましょう。
当日より前に決めておく6つのこと

顔合わせの成否は、当日の振る舞いより準備で決まります。決めるべきは、日程・場所・服装・費用・手土産・進行内容の6項目です。そして、両家で情報の格差が生まれないよう、ふたりが橋渡し役を務めることが成功のカギだとマイナビウエディングの解説でも指摘されています。
日程と時間帯|昼が多数派、遠方参加なら早めに
時間帯で迷ったら昼を選ぶのが無難です。多くのカップルが昼間の開催を選んでおり、夜でも問題はありませんが、遠方から参加する人がいる場合は早い時間帯が推奨されます。日帰りで往復できるかどうかが、親の負担に直結するためです。
昼が選ばれるのは、移動の余裕だけが理由ではありません。飲酒量が自然と抑えられ、会の雰囲気が落ち着きやすいという面もあります。明るい時間のほうが記念撮影の写りもよくなります。
日取りについては、大安などの吉日を気にする家もあります。ただし六曜はあくまで暦の慣習であり、吉凶を断定するものではありません。両親の予定と意向を先に聞き、そのうえで候補日を絞るのが現実的な進め方です。「親は気にしないと思う」という思い込みで決めてしまうと、後から不満が残ることがあります。
会場は「個室+コース料理」を基準に選ぶ
会場選びの基準は明快で、個室があり、コース料理を用意している店を選ぶことです。落ち着いて食事や会話を楽しめるよう、コース料理がある料亭やレストランの個室がすすめられています。両家からアクセスしやすいエリア、つまり中間地点を目安にすると公平です。
コース料理をすすめる理由は、メニュー選びに時間を取られないことにあります。一品ずつ注文する形式だと、開始直後の緊張している時間帯に「何を頼むか」という相談が発生し、会話の立ち上がりが遅れます。コースなら料理が自動的に運ばれてくるため、会話に集中できます。
| 項目 | 料亭・ホテル | レストラン | カジュアルな店・自宅 |
|---|---|---|---|
| 雰囲気 | 落ち着いた空間で親睦を深めやすい | 親族が集いやすく、堅くなりすぎない | 気軽だが、落ち着ける環境かの見極めが必要 |
| 服装の目安 | フォーマル(ネクタイ着用・ジャケット必須) | セミフォーマル(ネイビーやグレーのスーツ) | 清潔感重視(デニムを避けジャケット着用) |
| 向いている両家 | 改まった形を望む家がある場合 | 食事会として和やかに進めたい場合 | すでに両家の面識があり距離が近い場合 |
※各社の公開解説をもとに結婚式の教科書調べ
注意点は、個室の予約が埋まりやすいことです。希望日が決まったら早めに押さえ、アレルギーや苦手な食材があれば予約時に伝えておきましょう。個室の選び方をもう少し詳しく知りたい方は、こちらも参考になります。

費用は誰が出す?平均9.2万円・折半が約62.8%
費用負担は「両家で折半する」が一般的です。顔合わせにかかる費用は平均9.2万円で、約62.8%のカップルが折半で負担しています。会全体の費用は全国平均で8.3万円、首都圏では10.2万円とされ、1人当たりの食事代の目安は1万~1.5万円です。
折半が多いのは、どちらかの家が全額を出すと、その後の準備で発言力の偏りが生まれやすいからです。両家が対等な立場で始めるという意味でも、負担を分ける形が選ばれています。
| 全体の費用 | 全国平均8.3万円/首都圏10.2万円 |
| 食事代の目安 | 1人当たり1万~1.5万円 |
| 負担の仕方 | 両家折半が一般的(約62.8%/平均9.2万円) |
| 決めておく点 | 支払い方法と分担を事前に決める。当日その場で相談しない |
気をつけたいのは、支払い方法を当日まで決めていないことです。会計の場で「こちらが出します」「いえ、うちが」というやり取りが始まると、締めの空気が崩れます。どちらが席を立ち、どう精算するかまで決めておきましょう。費用の内訳をさらに詳しく確認したい方は、こちらの記事が参考になります。

よくある失敗①|両家の情報格差と「親に払わせる」
顔合わせで起きやすい失敗の代表が、両家の情報格差です。新郎側には進行も服装も伝わっているのに、新婦側には日時しか伝わっていない。この状態だと、当日の服装レベルがそろわず、手土産の有無も食い違います。
原因は、ふたりがそれぞれの親にだけ話していることにあります。同じ内容を同じタイミングで両家へ伝える仕組みになっていないため、情報が片側にだけ濃く伝わってしまうのです。対策はシンプルで、決めごと6項目を1枚のメモにまとめ、両家に同じ文面で共有することです。
もう一つ挙げられるのが、支払いを親に任せてしまうケースです。新郎新婦が負担するのが基本とされており、親に払いをさせる形は印象がよくないと受け取られることがあります。あらかじめ折半すると決めていたなら、その通りに進めればよく、その場の流れで親に頼るのは避けたいところです。
不明な点があれば、会場スタッフに相談するのも有効です。顔合わせの利用に慣れている店なら、進行や会計の配慮について具体的な提案をしてくれます。
服装は「両家で格をそろえる」が最優先
服装の正解は一つではありません。ただし、優先順位ははっきりしています。両家でちぐはぐにならないよう事前に打ち合わせておくことが最優先で、そのうえで会場の格に合わせる、という順番です。
フォーマル・セミフォーマル・カジュアルの3段階で合わせる
服装にはフォーマル・セミフォーマル・カジュアルの3段階があり、参加者全員が同じレベルでそろえる必要があります。料亭やホテルならフォーマル、レストランならセミフォーマル、カジュアルな店や自宅なら清潔感重視、というのが会場に応じた目安です。
格をそろえることが重んじられるのは、服装の差がそのまま「この会をどれくらい重く受け止めているか」のメッセージとして伝わってしまうからです。片方がスーツとフォーマルなワンピース、もう片方がカジュアルな装いだと、意図していなくても温度差として受け取られます。
実務的には、ふたりが「当日はスーツとワンピースで、ジャケット着用です」といった具体的な表現で両家に伝えるのが確実です。「きれいめで」「普通の格好で」といった曖昧な言葉は、人によって解釈が変わります。和装にするか洋装にするかも、事前に相談しておく項目です。
| 項目 | 新郎・新婦 | 父親・母親 | 兄弟姉妹 |
|---|---|---|---|
| 基本の装い | 新郎はスーツ、新婦はワンピースが定番 | 父親はブラックスーツ、母親は上品なワンピースやセットアップ | 派手すぎず上品な装い |
| 色の選び方 | ネイビー・グレー・ベージュなど落ち着いた色 | 父親は新郎と同じライン、母親は新婦とトーンを合わせる | 主役を引き立てる控えめな色味 |
| 注意点 | 新婦は膝が隠れる丈に。和装なら振袖・訪問着・色無地 | 両家で格をそろえることが最も重要 | 同席の有無自体を事前に両家で確認 |
新郎新婦の服装|スーツとワンピース、和装なら振袖も
新郎はスーツが標準です。ネイビーやグレーなど落ち着いた色を選び、白シャツに明るめのネクタイを合わせると顔色が良く見えます。暗い色一色でまとめるより、ネクタイで少し明るさを足すのが要領です。
新婦はワンピースが定番で、ネイビーやベージュが人気です。和装を選ぶ場合、振袖が第一礼装にあたりますが、訪問着や色無地でも問題ありません。丈は膝が隠れる長さにし、座ったときにひざが丸見えにならないかを確認しておきましょう。
色選びで意識したいのは、おめでたい場面だということです。暗すぎる色でまとめず、ネクタイやアクセサリーで華やかさを加えると、写真にも明るさが残ります。服装マナーの解説でも、清潔感とおめでたい雰囲気にふさわしい装いが求められると説明されています。
試着の段階で、椅子に座った状態を鏡で確認しておくと安心です。立ち姿では問題がなくても、座ると丈が上がる、襟元が開くといった変化が起こります。顔合わせは着席している時間が長いので、座ったときの見え方が実質的な判断材料になります。
父母・兄弟姉妹の装い|そろえる相手は「相手の家」
父親はブラックスーツ、または新郎と同じラインで落ち着いた色のスーツが一般的です。母親は上品なワンピースやセットアップで、新婦と同じ雰囲気になるよう色のトーンを合わせます。兄弟姉妹が同席する場合は、主役を引き立てる立場として派手すぎない上品な装いを心がけます。
ここで合わせる相手は、自分の家族ではなく相手の家です。父親同士、母親同士の格がそろっていれば、会全体のバランスは整います。自分の家の中だけで相談していると、相手の家と段差が生まれます。
具体的な伝え方としては、「そちらのお父さまはブラックスーツとのことでした」と事実ベースで共有するのが摩擦の少ない方法です。「フォーマルでお願いします」と指示する形にすると、指図されたように受け取られることがあります。
兄弟姉妹については、そもそも同席してもらうかどうかを両家で確認するのが先です。片方だけ兄弟が参加していると、人数のバランスが偏ります。学生の兄弟が参加する場合は制服でも差し支えありません。
よくある失敗②|服装の不統一と、避けたい装い
先輩カップルの失敗として挙げられるのが、親族間で装いの格に差が出てしまうケースです。片方の家はフォーマル、もう片方はカジュアルという状態は、相手方に失礼な印象を与えることがあると指摘されています。原因はほぼ例外なく、事前のすり合わせ不足です。
対策は、当日の朝ではなく1週間前までに写真で確認し合うことです。ふたりの間で親の服装を写真で共有しておけば、段差があっても直前に調整できます。
・オールブラック:全身黒はお葬式を連想させるため避けられる傾向があります
・過度な露出:タンクトップやミニスカートなど、肌の露出が多いもの
・カジュアルすぎる服装:Tシャツ、ジーンズなど
・しわや汚れが目立つ衣類:TPOに合わない派手な色合いも同様に避けたい
・季節対策:春夏は通気性の良い素材と冷房対策の羽織を、秋冬はコートを入口で脱げる形にし、シックな色を選ぶ
結婚式まわりの服装ルール全般を整理しておきたい方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。

結婚式の招待状が届くと、うれしい気持ちと一緒に「返信はいつまでに出せばいい?」「何を着ていけば浮かない?」「ご祝儀はいくら包むもの?」と、確認したいことが次々に…
席順は上座・下座だけ覚えれば解ける
席順は多くの人がつまずくポイントですが、覚えることは実質ひとつだけです。上座と下座の定義さえ押さえれば、あとは参加者の顔ぶれに当てはめるだけで決まります。
上座は「出入り口から遠い席」|和室は床の間が基準
上座は出入り口から遠い席で、目上の人やゲストが座ります。下座は出入り口に近い席で、おもてなしする側が座ります。和室に床の間がある場合は、床の間に最も近く、出入り口から遠い席が上座です。ゼクシィの結納・顔合わせの基礎知識でもこの考え方が示されています。
出入り口から遠い席が上位とされるのは、人の出入りや配膳で落ち着かない場所を、もてなす側が引き受けるという発想からです。理由がわかっていれば、初めて入る部屋でも上座の位置を自分で判断できます。
上座=出入り口から遠い席、下座=出入り口に近い席。基本は上座から父親・母親の順に座り、ふたりは下座側へ。結納と違って特別なしきたりはないため、親の意見を聞きつつ会話が弾む配置を優先して構いません。
6名の基本形|ふたりが親の間に入ると会話が動く
両親そろっての6名なら、新郎新婦を中心に両家の親同士が並ぶ形が一般的です。初対面の場合は、ふたりが間に入ると会話が弾みやすくなります。
この配置が機能するのは、初対面の親同士が直接向き合うと、話題の糸口を探す負担がどちらにもかかるからです。間にふたりが入れば、「そういえば母は」と話を振る役ができ、会話が自然に回り始めます。
一方で、両家の親が隣同士になる配置も推奨されています。すでに面識がある、あるいは話し好きな親同士なら、こちらのほうが打ち解けやすいこともあります。どちらが正解ということはなく、両家の関係性で選べば構いません。
迷ったら、親の意見を聞いてから決めるのが安全です。上座に座ることを負担に感じる親もいます。席順は形式より、その場が和むかどうかで判断してよい部分です。
兄弟姉妹・祖父母が加わるときの並べ方
兄弟姉妹が同席する場合は、結婚する本人より下座に座り、複数いるときは年上から順に配置します。祖父母が参加する場合は基本的に下座ですが、移動が難しいときは入口に近い席にするなど、柔軟に対応して構いません。
形式より優先されるのが、本人の負担です。足が悪い祖父母を奥の上座に通すと、席を立つたびに全員が動くことになります。身体的に楽な席を選ぶことは、席次の考え方に反するものではありません。
具体的な進め方としては、参加者が決まった時点で席次の案を紙に書き、両家に見せて確認するのが確実です。当日その場で並び順を考えると、入口で全員が立ち止まる時間が生まれます。
注意したいのは、祖父母や兄弟姉妹の参加を片方の家だけが決めてしまうことです。人数が偏ると、少ない側の家が居心地の悪さを感じます。参加者の範囲は、事前に両家で会の方向性とあわせて確認しておきましょう。
円卓や和室の個室で迷ったときの判断基準
円卓の場合も考え方は同じで、出入口から最も遠い座席が上座、最も近い座席が下座です。円卓は席が連続しているため上下の境目が曖昧に見えますが、入口からの距離を基準にすれば迷いません。
円卓には、全員の顔が見えるという利点があります。長テーブルだと端と端の人は会話に入りにくくなりますが、円卓ならその問題が起きにくくなります。6名程度の顔合わせでは、円卓を指定できる店が向いています。
和室の個室では、床の間の位置を先に確認します。入店時に仲居さんが席を案内してくれることも多いので、その案内に従えば大きく外れることはありません。判断に迷ったら、会場スタッフに聞いてしまうのがいちばん早い方法です。
事前に両家で会の方向性や参加者を確認し、マナーを理解したうえで席順を決めることが大切だとされています。部屋の形は予約時に確認できるので、席次の案もその段階で作っておきましょう。
手土産は3,000円~5,000円が目安|選び方・のし・渡し方
手土産は義務ではありませんが、用意するのが一般的です。相手の家への感謝と、これからの両家の付き合いを示す心遣いとして持参します。会話のきっかけになり、「地元の菓子なんです」と自然に話を始められる利点もあります。
用意するかどうかを、まず両家でそろえる
最初に決めるのは、品物ではなく「両家とも用意するかどうか」です。手土産を準備するか、誰が準備するか、金額はいくらにするかを事前に両家で調整しておきます。片方だけが持参すると、受け取った側が気まずくなります。
予算は3,000円~5,000円程度が目安です。より改まった印象にしたい場合は5,000円~10,000円程度を選ぶこともありますが、金額を上げるかどうかも含めて両家で合わせるのが筋です。
伝え方のコツは、ふたりが「両家とも3,000円~5,000円くらいで用意する方向で」と具体的な数字で共有することです。「手土産はどうしますか」とだけ聞くと、遠慮の応酬になり結論が出ません。
なお、手土産を渡さない選択をする家もあります。その場合も両家でそろっていれば問題にはなりません。大切なのは有無をそろえることであって、必ず持参することではありません。
選び方5つのポイントと、避けたい品物
品物選びは、相手の家族構成と好みをリサーチすることから始めます。家族全員に行き渡る個数か、アレルギーや健康上の制限がないかを事前に把握し、日持ちして個包装になっているものを選びます。地元の銘菓なら話題にもなります。
個包装と日持ちが重視されるのは、受け取った側がすぐに食べ切れるとは限らないからです。顔合わせの後、親は移動して帰宅します。その日のうちに食べなければならない生菓子は、受け取る側の負担になります。
具体的には、フィナンシェやクッキーなどの焼き菓子が無難で、バームクーヘン、どら焼き、最中、カステラ、お茶、パウンドケーキも定番です。
・刃物など「切る・分ける」を連想させる品
・賞味期限が極端に短い生菓子や、足が早いもの
・割れる・切れるを連想させるもの
・弔事を連想させるもの
・香りが強い食品や、好みが分かれる品
・持ち運びが大変なもの(帰りの移動を考えて選ぶ)
のしは「外のし・結び切り・苗字のみ」で整う
のしは必須ではありませんが、つけると改まった印象になります。掛ける場合は、包装の上からのしを掛ける「外のし」にし、表書きは「御挨拶」または「寿」、水引は紅白の結び切り、名前は苗字のみを書きます。
結び切りを選ぶのは、一度結ぶとほどけない結び方だからです。繰り返さないほうがよい祝い事である結婚に用いられます。外のしにするのは、渡した瞬間に表書きが見え、何のための品かが伝わるためです。
洋菓子でリボン包装が主流の店では、のしなしでも問題ありません。その場合は紙袋のまま渡すより、手提げから出して両手で差し出すと丁寧に見えます。
渡すのは「挨拶が終わって着席する前」
渡すタイミングは、会場に着いて両家の挨拶が終わり、着席する前がおすすめです。席に着く直前か着席直後が目安で、会の終盤まで持ち越さないほうが自然に渡せます。
このタイミングが選ばれるのは、立った状態のほうが渡しやすいからです。着席してしまうと、テーブル越しに差し出すことになり、動作が窮屈になります。
渡し方は、紙袋から出し、正面を自分に向けた状態から相手に向け直して、目を見て両手で手渡します。「心ばかりですが」とひと言添えると収まりがよくなります。相手が受け取ったら、持ち帰り用に新しい紙袋を渡すのが親切です。
注意したいのは、渡す順番を決めていないことです。両家が同時に差し出すと手がふさがります。新郎側から先に渡す、と決めておけば動作が整います。手土産選びをさらに掘り下げたい方は、こちらの記事が参考になります。

顔合わせの日取りが決まって、会場も押さえて、あとは当日を待つだけ——のはずが、ふと「手土産って持っていくものなんだろうか」と手が止まる。これは、結婚が決まったふ…
会話と挨拶で詰まらないための準備
「何を話せばいいのか」という不安は、挨拶の型と話題の引き出しを用意しておけば小さくなります。ここでは例文と、盛り上がる話題・避けたい話題を整理します。
はじまりの挨拶|そのまま使える例文と言い換え
はじまりの挨拶は、新郎または新郎の父親が担当します。長さは20秒ほどで十分です。以下をそのまま使えます。
「本日はお忙しいなかお集まりいただき、誠にありがとうございます。このたび私たちは結婚することになりました。両家の親睦を深める機会として、このような場を設けさせていただきました。短い時間ではございますが、どうぞよろしくお願いいたします。」
父親が担当する場合は、「本日はお集まりいただきありがとうございます。ふたりの門出にあたり、両家で顔を合わせる機会をいただきました」といった言い回しに置き換えられます。趣旨は、感謝と「親睦を深める会である」という説明の2点です。
ポイントは、姿勢を正して一礼してから話し始めること、内容を簡潔にして暗記しておくことです。紙を読み上げても問題はありませんが、短い内容なら覚えてしまったほうが自然に伝わります。緊張しているときほど早口になりやすいので、ひと呼吸おいてから始めましょう。
乾杯と結びの挨拶|長さの目安は10秒と30秒
乾杯の音頭は新郎が取り、手短にまとめます。「それでは、おいしい料理をゆっくり味わいながら、両家で交流できればと思います。乾杯」——これで10秒ほどです。乾杯の挨拶で長く語る必要はありません。
短くする理由は、料理が運ばれてきた直後であること、そして参加者がまだ緊張していることにあります。長い挨拶は聞く側にも負担になります。
結びの挨拶は、開始から2時間半ほど経った頃合いで行います。両親が挨拶をした後、ふたりが感謝と今後への抱負を伝える流れです。「本日はありがとうございました。おかげさまで和やかな時間を過ごすことができました。ふたりで力を合わせてまいりますので、これからもよろしくお願いいたします」と、30秒ほどにまとめます。
注意点は、締めの言葉で新しい相談ごとを持ち出さないことです。日取りや費用の話は後日に回し、この場は感謝で終えたほうが余韻が残ります。
話題は「聞く姿勢」が9割|定番と避けたいテーマ
意外と知られていないのですが、顔合わせで好印象につながるのは、面白い話をすることではなく、相手の話をしっかり聞く姿勢です。話題を用意することより、相手の親が話し始めたときに体を向けて聞くほうが、場の空気を穏やかにします。
推奨される話題は、地元の話、家族のエピソード、趣味や興味、子どもの頃の思い出、天気、両家に共通する趣味、新郎新婦の幼少期のエピソード、結婚後の生活設計などです。どれも相手が答えやすく、話が広がる方向に開いています。
一方、政治・宗教・愚痴・健康問題・内輪ネタ・スポーツや芸能人のひいき・学歴・年収・過去の恋愛話・自慢話・病気の話は控えるのが無難とされています。価値観の差が表に出やすく、初対面の場では回収しにくいためです。
話題選びをもっと具体的に準備しておきたい方は、こちらの記事も役立ちます。

よくある失敗③|緊張からの飲みすぎと、手土産の選定ミス
先輩カップルの失敗として挙がるのが、飲酒による失態です。緊張からお酒を飲みすぎ、相手の家族に対して不用意な言動をしてしまったという事例が紹介されています。判断力が落ちて失言につながるリスクがあるため、飲酒は控えめにするのが安全です。
原因は「緊張をほぐそうとして飲む」という動機にあります。ところが顔合わせは2時間半~3時間と長く、序盤のペースで飲み続けると後半に響きます。対策は、乾杯の1杯の後は同じペースに戻さず、水やお茶を並行して頼むことです。昼の開催を選べば、飲む量は自然に抑えられます。
もう一つの失敗が、相手の好みを確認せずに手土産を選び、喜ばれなかったケースです。甘いものが苦手、アレルギーがある、同じ銘菓が近所で買える——いずれも事前のひと言で防げます。避けたい行動をまとめた解説でも、遅刻・服装・場所選び・言葉遣い・飲酒・手土産・支払いが要注意点として挙げられています。
どの失敗も、当日の心構えではなく事前の確認で防げるものです。ふたりが両家に同じ情報を届けることが、そのまま最大の対策になります。
まとめ|顔合わせは「9ステップ」と「6つの決めごと」で迷わない
顔合わせで何をするのかがわからないのは、型を知らないからであって、特別な能力が要る場面だからではありません。当日は挨拶と家族紹介、記念品のお披露目と撮影を済ませれば、あとは食事と会話の時間です。改まった場面は合計しても30分ほどで、残りは家族で食卓を囲む時間だと考えれば、身構えすぎる必要はないはずです。費用は全国平均8.3万円、折半が約62.8%という目安も、事前に共有しておけば当日の会計で慌てることはありません。
最初の一歩としておすすめしたいのは、今日のうちに「日程・場所・服装・費用・手土産・進行」の6項目を1枚のメモに書き出し、同じ文面を両家へ送ることです。両家に情報の差がない状態をつくることが、当日いちばん効きます。書き出してみると、まだ決まっていない項目がはっきり見えてくるはずです。
※慣習には地域差や家ごとの違いがあり、会場のルールも異なります。最新の情報や不明点は、会場や両家にご確認ください。

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