結婚が決まって両親への挨拶を終えると、次に控えているのが両家の顔合わせです。「何を決めればいいのか分からない」「手土産はいるのか」「挨拶は誰がするのか」——初めての場だけに、段取りの全体像が見えないまま日程だけが近づいてくる、という声は少なくありません。
結論から言えば、両家で事前にそろえておくのは日程・場所・服装・当日の流れ・手土産・費用分担の6つだけです。この6つさえ両家で同じ認識になっていれば、当日の会話が多少ぎこちなくても、顔合わせは穏やかに終わります。実際、顔合わせを行った人は全国で83.5%。新郎新婦と両親の6名で集まり、2時間半~3時間の会食をして、費用は6万円前後というのが標準的な形です。
この記事では、顔合わせと結納の違いから、逆算スケジュールの作り方、会場選び、当日10ステップの進行と挨拶例文、立場別の服装、手土産の相場とのし、席順・会話・支払いで揉めないコツまで、迷ったときの判断基準つきで順に説明します。読み終えるころには、次に何を誰に連絡すればよいかが具体的に決まっているはずです。
・顔合わせと結納の違いと、両家で決めておく6項目
・親への挨拶から逆算する日程の決め方と会場選びの基準
・当日10ステップの進行と、そのまま使える挨拶例文
・服装・手土産・費用・席順・会話でつまずかないための具体策
結婚の両家の顔合わせとは?結納との違いと、8割超が選ぶ理由

顔合わせは「儀式」ではなく「親睦のための会食」
両家顔合わせは、結婚するふたりが両家の親を引き合わせ、これからの縁を確認し合うための会食です。式次第が細かく決まっている結納とは違い、形式ばらない性質の集まりと位置づけられています。決まった作法に沿って進めるというより、両家で相談しながら形を決めていくものだと考えてください。
この違いを押さえておくと、準備の力の入れどころが変わります。結納であれば結納品や結納金の準備、口上の作法といった「型」を守ることが中心になりますが、顔合わせで大切なのは型ではなく、両家の温度差をなくすことです。片方の家が略式でよいと考え、もう片方が結納に近い格式を想像していると、当日の服装も手土産も食い違います。
よくあるのが、「顔合わせでいいよね」とふたりの間だけで決めてしまい、親には「食事するだけ」としか伝えていないケースです。親世代は「けじめの席」と受け止めていることも多く、想定が合わないまま当日を迎えると空気がぎこちなくなります。ふたりで決めた方針は、必ずそれぞれの親に自分の言葉で伝えておきましょう。
迷ったときの基準はシンプルで、格式をどうするかは「格式を重んじる側の家」に合わせておくと角が立ちません。カジュアル寄りの家がフォーマルに合わせるのは簡単ですが、逆は当日に修正できないためです。
結納=両家が結納品や結納金を取り交わす婚約の儀式。式次第と品目が決まっている。
結納金=結納の際に贈られる金銭。平均は98.4万円とされ、顔合わせの会食とは費用の桁が異なる。
婚約記念品=婚約指輪や時計など、婚約のしるしとして贈り合う品。顔合わせの席でお披露目・交換することがある。
実施率83.5%、結納10.2%。顔合わせが主流になった背景
「そもそも顔合わせはやるべきなのか」と迷う人もいますが、全国の実施率は83.5%で、結婚が決まったカップルの大多数が何らかの形で両家を引き合わせています。一方、結納を行った人は10.2%にとどまります。顔合わせのほうが圧倒的に一般的、というのが今の状況です。
背景にあるのは費用と手間の差です。結納の平均費用は食事代を含めて18.4万円、これに結納金が加わることもあります。地域差も大きく、東海地域では結納にかかる費用が22.8万円と高めです。対して顔合わせの会食は6万円前後。準備期間も短く、両家の距離が離れていても調整しやすいという実務的な理由が、主流化を後押ししています。
ただし、「結納をしない=簡略で済ませる」という意味ではありません。祖父母世代が結納を前提に考えている、地域の慣習として結納が残っている、というケースもあります。顔合わせだけにするかどうかは、ふたりの希望を伝えたうえで、両家の親に一度確認してから決めるのが確実です。
逆に、「結納はしないが婚約の形は残したい」という場合は、顔合わせの席で婚約記念品をお披露目する形にすると、記念の場としての性格が出ます。写真も残しやすく、両家の親にとっても区切りになります。
婚約から入籍までの流れ全体を整理しておきたい人は、こちらも参考にしてください。

「婚約したら、法律的には何か変わるの?」「結婚と婚約は、どこからどこまでが違うの?」。プロポーズを受けた直後や、親に報告する前、友人から婚約の知らせを受けたとき…
基本は6名。兄弟姉妹や祖父母を呼びたいときの進め方
顔合わせの基本メンバーは、結婚するふたりと両家の両親を合わせた6名です。まずはこの人数を前提に会場や予算を考えれば問題ありません。人数に明確な決まりはないため、兄弟姉妹や祖父母を招くケースも増えています。
拡大するときに気をつけたいのが人数のバランスです。片方の家が5人、もう片方が2人という構成だと、少ないほうの家が気後れしやすくなります。できるだけ両家で人数をそろえるのが望ましいとされるのは、会話の主導権が一方に偏らないようにするためです。
実際にありがちなのが、「同居している祖母を置いていけないので連れて行きたい」と当日近くになって相談が出るパターンです。会場の個室は人数で押さえているため、直前の変更は席の配置にも料理の数にも影響します。参加者は日程を決める段階で確定させ、変更が出たらすぐ相手方に伝えるのが鉄則です。
迷ったときは、「両家の親睦を深める場」という目的に立ち返って判断してください。人数が増えれば会話は賑やかになりますが、初対面同士の緊張はほぐれにくくなります。両家の親が人見知りなら、まずは6名で行い、結婚式で他の親族と会う——という段取りにするのも現実的な選択です。
顔合わせで両家がそろえておく6項目
準備でつまずく人の多くは、「何を決めればいいのか」の一覧を持っていません。両家で事前に話し合うべき主なポイントは、日程・時間帯、場所、服装、当日の流れ、手土産、費用の分担や支払い方法の6つです。この6つを紙に書き出し、ふたりで埋めてから両家に共有すれば、抜けはほぼ防げます。
順番も大切です。先に日程と場所を押さえ、会場の格が決まってから服装の基準を決める——という流れにすると、話がぶれません。会場を決めないまま「ワンピースでいい?」と相談しても、答えは出ないからです。
そして、この6項目を伝える窓口はそれぞれが自分の親に対して担当するのが基本です。新郎が新婦の親に直接連絡すると、細かなニュアンスが伝わりにくく、行き違いの原因になります。ふたりの間で決めたことを、それぞれが自分の親へ伝える。この形にしておくと、意見が割れたときも調整しやすくなります。
各項目の具体的な目安は、次章以降で順に説明します。まずは「決めることは6つだけ」という全体像を持っておいてください。
いつやる?親への挨拶から逆算するスケジュールの作り方
親への挨拶から3ヶ月以内、結婚式の6ヶ月以上前が目安
顔合わせの時期は、結婚挨拶から3ヶ月以内を目安に行うのが一般的とされています。調査でも39.3%が「1~3ヶ月以内」、35.0%が「4~6ヶ月以内」に実施しており、約7割が半年以内に済ませています。挨拶から間が空きすぎると、両家とも「そろそろどうなっているのか」と気を揉むことになります。
もう一つの基準が結婚式との間隔です。式を挙げるなら挙式の6ヶ月以上前、一般的には式の5ヶ月~8ヶ月前に行うと準備がスムーズに進みます。理由は単純で、招待客の範囲や親族の席次、両家の費用分担といった話は、親同士が一度顔を合わせたあとのほうが決めやすいからです。
ありがちな失敗は、式場の仮予約を先に進めてしまい、顔合わせの前に日取りや規模が固まってしまうことです。親からすれば「相談もなく決まっていた」と感じる材料になります。大きな決定の前に顔合わせを置く——この順番を意識してください。
なお、遠方同士でどうしても日程が合わない場合は、結婚式の前日に顔合わせを行うケースもあります。段取りとしては可能ですが、両家が式の準備で気を張っている日でもあるため、可能なら独立した日に設けるほうが落ち着いて話せます。
入籍と顔合わせ、どちらが先?
順番で迷う人が多いところですが、顔合わせを先に行い、その後に入籍するのが通例です。婚姻届は両家の合意がなくても提出できてしまうため、先に出してしまうと「報告ではなく事後承諾になった」と受け取られることがあります。
とはいえ、記念日として選んだ日に入籍したい、転勤や社宅の都合で先に籍を入れたい、といった事情もあります。その場合は入籍の予定日を顔合わせの前に両家へ伝えておくことが大切です。順番そのものより、親が知らされていない状態で物事が進むことのほうが、感情のこじれにつながります。
顔合わせの席では、婚姻届の提出予定時期を共有しておくと話がまとまりやすくなります。証人欄を両家の父親に依頼するつもりなら、この場でお願いしておくと二度手間になりません。逆に、提出日を「まだ決めていない」と答えるより、「◯月ごろを考えています」と幅を持って伝えるほうが安心してもらえます。
婚姻届の準備物や記入の注意点は、こちらで詳しく整理しています。

予約と婚約記念品は早めに動く
顔合わせの会食は、土日祝のランチタイムに個室で行うのが一般的です。この時間帯の個室は人気があるため、日程が決まったら会場の予約を最優先で進めてください。お日柄を気にする家であれば、大安などの候補日はさらに埋まりやすく、早めの予約が必須になります。
見落としやすいのが婚約記念品です。婚約指輪などの記念品は、購入からお渡しまでに1ヶ月以上かかることもあるため、顔合わせでお披露目する予定なら逆算して動く必要があります。サイズ直しや刻印が入る場合はさらに日数がかかります。
実際にあるつまずきが、「顔合わせで指輪を見せよう」と決めていたのに納期が間に合わず、当日は写真だけ——という形になるケースです。それ自体は問題ありませんが、事前に両家へ伝えていないと「用意していないのか」と誤解されることがあります。間に合わないと分かった時点で共有しておきましょう。
あわせて、進行を助ける小道具としてプロフィール冊子を作る人もいます。ふたりの生い立ちや家族紹介をまとめた数ページのもので、会話が途切れたときの話題の種になります。用意するなら印刷の日数も逆算に入れてください。
| 決めること | 目安・基準 | 決める時期 |
|---|---|---|
| 日程・時間帯 | 親への挨拶から3ヶ月以内/土日祝のランチタイム | 最初に決める |
| 場所 | 両家がアクセスしやすい個室。料亭43.3%・レストラン25.7%・ホテル16.9% | 日程と同時 |
| 服装 | 両家で格をそろえる。会場の格に合わせて決める | 会場決定後すぐ |
| 当日の流れ | 進行役と挨拶の担当、席順まで決めておく | 1ヶ月前まで |
| 手土産 | 有無と金額感を両家で統一。相場3,000〜5,000円 | 2週間前まで |
| 費用分担 | ふたりで負担が62.8%。誰がどう支払うかまで決める | 前日まで |
身内に不幸があったとき、日程はどうする?
準備を進めている最中に身内に不幸があった場合は、忌中にあたる49日以内は延期するのが無難とされています。祝いの席を避ける慣習によるものですが、これも地域や家によって考え方が異なり、「本人たちの都合を優先してよい」とする家もあります。
判断に迷ったときは、当事者となる家の意向を最優先にしてください。喪に服している側が「予定どおりで構わない」と言う場合でも、相手方の親が気にすることがあります。両家に一度ずつ確認を取り、どちらかが気にするなら日を改める、という決め方が角を立てません。
延期する場合は、会場のキャンセル規定を早めに確認しておきます。人数変更やキャンセル料の締切は店によって異なるため、連絡は早いほど選択肢が残ります。
また、延期の連絡はふたりが窓口になり、それぞれの親へ理由と新しい候補日をセットで伝えてください。理由だけを伝えて次の日程が宙に浮くと、「この話は流れたのか」という不安を生みます。
場所はどう選ぶ?料亭・レストラン・ホテルの向き不向き

会場タイプ別の特徴を知っておく
顔合わせの会場で最も多いのは料亭で43.3%、次いでレストランが25.7%、ホテルが16.9%という結果が出ています(出典:ゼクシィ)。料亭が選ばれやすいのは、個室が標準的に用意されていて、親世代にとって格式の面で安心感があるためです。
レストランは、コース内容や雰囲気の選択肢が広いのが利点です。親が和食を得意としない、車椅子で入りやすい場所がよい、といった条件があるときに合わせやすくなります。ホテルは交通の便がよく、遠方の親が宿泊する場合に移動の負担が小さいのが強みです。
選ぶときの基準は「どのタイプが正しいか」ではなく、両家の親が落ち着いて話せるかの一点です。格式を重んじる家が含まれるなら料亭やホテル、堅苦しさを避けたいなら個室レストラン、という考え方で十分です。
予算感としては、コース料理で1人あたり1万~1万5千円程度を見込んでおくと、多くの会場で個室つきの内容が選べます。金額は地域や店によって幅があるため、候補を2〜3店挙げて比較するのが確実です。
| 項目 | 料亭(43.3%) | レストラン(25.7%) | ホテル(16.9%) |
|---|---|---|---|
| 向いている家 | 格式を重んじる・和装も検討している | 堅苦しさを避けたい・料理の好みが分かれる | 遠方からの参加・宿泊を伴う |
| 個室の確保 | 標準的に用意がある | 店により異なる。要確認 | 個室や宴会場を選べる |
| 注意点 | 座敷だと正座が負担になる場合がある | 周囲の席との距離を下見で確認 | 館内の移動距離と集合場所を共有 |
「個室」と「アクセス」、優先すべきはどちらか
結論から言えば、迷ったら個室を優先してください。顔合わせでは家族の話や今後の予定といった、周囲に聞かれたくない内容に触れます。オープンな席だと声の大きさを気にして会話が縮こまり、親同士の距離が縮まりません。
そのうえで、会場は両家がアクセスしやすい場所を選びます。両家の住まいが離れている場合、どちらかの地元に寄せると片方に移動の負担が集中します。中間地点、あるいは新幹線や空港からの動線がよい都市を選ぶと公平になります。
やりがちなのが、ふたりが住んでいる街の「行きつけ」を基準に決めてしまうことです。ふたりには通いやすくても、初めて来る親にとっては駅から分かりにくい立地ということがあります。集合場所が分かりにくい会場なら、当日は駅の改札など手前の場所で待ち合わせ、そろって入室する段取りにしておくと安心です。
座敷か椅子席かも確認ポイントです。膝や腰に不安のある親がいる場合、座敷での長時間は負担になります。掘りごたつ式か椅子席を選べるか、予約時に確認しておきましょう。
予約のときに店へ伝えておく5つのこと
予約時に「顔合わせの食事会で利用します」と伝えておくと、会場側の対応が変わります。進行に配慮した料理の出し方をしてくれたり、記念撮影のタイミングを見計らってくれたりと、当日の負担が軽くなります。
あわせて伝えたいのが次の5点です。①顔合わせでの利用であること、②人数と席順の希望、③両親の苦手な食材やアレルギー、④記念撮影や記念品のお披露目を行うか、⑤支払い方法。特に③は、事前に両親へ確認したうえでコース内容を相談しておくと、当日「食べられない一皿」が出る事態を避けられます。
支払い方法を事前に伝えておくのも実務的なコツです。席を立たずに会計を済ませたい、カードで支払いたい、後日請求にしたいといった希望は、予約時なら調整できることが多くあります。当日に慌てて相談すると、両家の前でお金の話をすることになります。
可能であれば下見をしておくと確実です。個室の広さ、席から入口までの距離、トイレの位置まで把握しておけば、当日の案内がスムーズになります。難しい場合でも、電話で個室の広さと席の形(円卓か長テーブルか)だけは聞いておきましょう。席順を決めるのに必要な情報です。
当日の流れは10のステップ。挨拶の例文とタイミング
集合から解散までの全体像をつかむ
顔合わせは、2時間半~3時間ほどの会食を通して両家の親睦を深めるのが基本の形です(参考:花嫁のミカタ)。長く感じるかもしれませんが、挨拶と紹介、記念撮影を挟むと、歓談に使える時間は意外と限られます。
一般的な進行は次の10ステップです。①両家集合と簡単な挨拶、②入場・着席、③はじまりの挨拶、④両家家族の紹介、⑤婚約記念品のお披露目・交換、⑥記念撮影、⑦乾杯の挨拶と食事・歓談、⑧会計、⑨結びの挨拶、⑩解散・お見送り。
この流れをふたりで共有しておけば、当日「次は何をするのか」で止まることがありません。進行役はふたりのどちらか、あるいは新郎が担うのが一般的です。誰が進行し、誰が挨拶するのかを前日までに決めておくことが、当日の落ち着きにつながります。
集合は余裕を持ち、両家とも会場前に早めに着くようにします。親が先に着いて所在なく待つ状況は避けたいため、ふたりは親より先に到着しておくのが理想です。
はじまりの挨拶はこの一言でいい
最初の挨拶は、進行役となる新郎(またはふたり)が担当します。難しく考える必要はなく、感謝の言葉から始めて、場の雰囲気を和らげる一言で締めるだけで十分です。
そのまま使える例文はこちらです。
「本日は、私たち二人のためにお集まりいただき、誠にありがとうございます。ぜひリラックスしながら、食事や会話を楽しんでください」
遠方から来てもらった場合は、冒頭を「本日は遠方からお集まりいただき、誠にありがとうございます」に差し替えます。少し緊張を和らげたいときは、「本日は堅苦しくならないよう、両家でゆっくり食事を楽しむ会にできればと思っています」と続けると、親世代も肩の力を抜きやすくなります。
長さの目安は、立ったまま話しても負担にならない範囲で、30秒程度に収めるくらいがちょうどよい長さです。原稿を手に持っていても問題はありません。むしろ、覚えようとして言葉に詰まるより、手元のメモを見ながら落ち着いて話すほうが好印象です。
家族紹介は新郎側から。人となりが伝わる一言を添える
挨拶のあとは家族紹介に移ります。順序は新郎側 → 新婦側が一般的です。ふたりがそれぞれ自分の家族を紹介する形にすると、話しやすく、親も待つだけで済みます。
紹介では続柄と名前だけでなく、仕事や趣味など人となりが分かる内容を一言添えるのがコツです。「父の◯◯です。休日は近所の川で釣りをしています」のように具体的な一言があると、そこから会話が広がります。逆に続柄と名前だけだと、紹介が終わった瞬間に沈黙が生まれます。
気をつけたいのは、健康状態や職歴の詳細など、親本人が触れられたくない内容に踏み込まないことです。何を話してよいかは、事前に親へ確認しておくのが確実です。「趣味の話をしてもいい?」と一言聞くだけで、当日の紹介が安心して進みます。
紹介のあとに婚約記念品のお披露目を入れると、自然に場が和みます。指輪を見せる、時計を披露するといった具体物があると、視線の置き場所ができて会話も生まれやすくなります。記念撮影もこのタイミングで済ませると、料理が出る前で服装も乱れていません。
乾杯・結びの挨拶と、支払いのタイミング
乾杯の音頭は、新郎または新郎の父が取るのが一般的です。ここも簡潔さが優先で、30秒程度にまとめます。例文は「二人の幸せと、両家の今後の末永いお付き合いを願いまして、乾杯!」で十分です。
乾杯のあとは食事と歓談が中心になります。この時間帯は、ふたりが積極的に話題を提供して場を回すことが肝心です。親同士は初対面で、共通の話題を自力で見つけるのは簡単ではありません。「母は最近◯◯を始めたんです」と橋渡しをするのがふたりの役割になります。
会の終わりには結びの挨拶を入れます。親から一言もらったあと、ふたりから感謝を伝える流れが自然です。例文は「本日は皆様のおかげで滞りなく顔合わせができました。今後ともよろしくお願いいたします」。今後の予定(結婚式の時期など)に軽く触れておくと、次につながります。
支払いは、結びの挨拶の後にタイミングを見計らって済ませるのがスマートです。歓談中に席を立って会計に行くと、残された側が気を遣います。あらかじめ会場に支払い方法を伝えておけば、席を立つ時間そのものを短くできます。
服装は「両家で格をそろえる」がすべての出発点
会場の格 → ふたりの服装 → 親へ共有、の順で決める
服装で最も大切なのは、個々のアイテム選びではなく両家で格をそろえることです。片方がフォーマル、片方が普段着寄りという状態は、ちぐはぐな雰囲気になり、当日その場で直すことができません。
決め方の順序は決まっています。まず会場の格を確認し、次にふたりの服装を決め、最後にその基準を両親に共有する——この流れです。会場に合わせて「男性はダークスーツ、女性は膝下丈のワンピース」のように具体的な言葉で伝えると、両家の認識がずれません。
「おしゃれしてきてね」「普段着でいいよ」といったあいまいな伝え方は避けてください。普段着の基準は世代や家庭によって幅があり、ジャケット着用を指す人もいれば、カジュアルなシャツを指す人もいます。曖昧な言葉ほど、当日の格差を生みます。
ふたりの間で決めた基準は、それぞれが自分の親に伝えます。相手の親に直接指定すると、指示しているような印象になりかねません。窓口を分けるのは、服装においても有効です。
| 項目 | 新婦・新郎 | 母親 | 父親 |
|---|---|---|---|
| 定番の装い | 女性はワンピース(80.4%)/男性はフォーマルなスーツ | 洋装が86.0%。訪問着などの和装も選択肢 | スーツが一般的 |
| 色の目安 | 落ち着いた色。男性はネイビー・ブラック・チャコールグレー | 落ち着いた色合いでまとめる | ネクタイは白・グレー・シルバーが選ばれやすい |
| 注意点 | スカートはひざ下丈、素足を避けストッキングを着用 | 相手方の母親と格をそろえる(和装なら事前共有) | しわ・においを前日に確認 |
女性の服装はワンピースが定番。膝下丈とストッキングを押さえる
新婦の服装はワンピースが定番で、選択率は80.4%です。膝丈程度の上品な装いで、落ち着いた色合いを選べば会場を問わず収まります。セットアップやジャケット+スカートでも問題はなく、清潔感があるかどうかが判断基準になります。
押さえておきたいのは丈と足元です。スカートであれば丈はひざ下、素足ではなくストッキングを着用するのが基本とされています。座敷の会場では座ったときに丈が上がるため、立ったときちょうどよく見える丈だと短く感じられることがあります。座った状態で鏡を見て確認しておきましょう。
母親の服装は洋装が86.0%と多数派ですが、訪問着などの和装を選ぶ人もいます。和装を選ぶ場合は必ず相手方に伝えてください。片方の母親だけが和装だと、洋装側が「格が足りなかった」と感じてしまいます。和装で合わせるのか、両家とも洋装にするのかを、あらかじめそろえておくのが確実です。
アクセサリーは控えめに。香水も、食事の場であることを考えると控えたほうが無難です。当日の身だしなみは、服そのものよりも「しわ・においがないか」で印象が決まります。
男性はダークスーツ。ネクタイの色で迷ったら
新郎はネイビー、ブラック、チャコールグレーといった落ち着いた色合いのフォーマルなスーツが基本です。ビジネス用のスーツでも、シャツとネクタイを整えれば十分に通用します。父親もスーツが一般的で、新郎と極端に格が離れないようにすれば問題ありません。
ネクタイは、慶事にふさわしい白やグレー、シルバーが選ばれやすい色です。黒無地のネクタイは弔事を連想させるため、顔合わせのような祝いの席では避けられる傾向があります。柄物を選ぶなら、遠目に無地に見える程度の控えめなものが安全です。
足元も忘れずに。革靴の汚れやかかとのすり減りは、意外と目に入ります。座敷の会場では靴を脱ぐことになるため、靴下の色と状態まで確認しておいてください。くるぶし丈の靴下は、正座したときに素肌が見えます。
結婚式でのネクタイの色選びについては、こちらでさらに詳しく整理しています。

【失敗パターン①】両家で服装の格がそろわず、空気が固まる
顔合わせで起きやすい失敗の代表が、服装の格のずれです。新郎側は正装で現れ、新婦側は軽装——という状況になると、どちらの家にも気まずさが残ります。原因のほとんどは、ふたりが「会場の格」を言葉にして共有しなかったことにあります。
対策は明確で、ふたりが基準を決め、写真や具体名で両家に伝えることです。「レストランの個室なので、男性はダークスーツ、女性はワンピースかセットアップで」と書いて送る。これだけで、ほぼ防げます。
原因:「きれいめで」という曖昧な共有だけで、会場の格を伝えていなかった。
結果:片方はフォーマル、片方はカジュアル寄りになり、写真にも差が残った。
対策:会場名と雰囲気を伝えたうえで、アイテム名(ダークスーツ/ワンピース)と色の方向まで指定して共有する。母親が和装を検討している場合は、必ず相手方にも事前に伝える。
あわせて避けたいのが、全身が真っ黒な服装と派手な柄物です。前者は弔事を、後者は主役不在の華やかさを連想させるため、祝いの席では避けられる傾向があります。迷ったら、明るさを一段だけ足した落ち着いた色でまとめると失敗しません。
手土産はいる?相場3,000〜5,000円とのしの書き方
そもそも必要か。まず「有無」を両家でそろえる
手土産は必須ではありません。ただし、親睦を深める目的で用意する家庭は多く、新郎側のみが持参したケースが43.2%、両家が持参したケースが38.1%という結果が出ています。合わせると8割前後が何らかの形で手土産を用意している計算になります。
大切なのは、持つか持たないかそのものより、両家で認識をそろえることです。片方だけが手土産を用意していると、持っていない側がその場で気まずい思いをします。ふたりが間に入り、「手土産はどうしますか」と両家に確認して統一しておきましょう。
確認すべきは2点です。①手土産を用意するかどうか、②用意するならおおよその費用感。この2つを事前にそろえておけば、当日の気まずさはほぼ避けられます。
「手土産なし」と決めた場合も、その結論を両家に確実に伝える必要があります。伝え漏れで片方だけが持参してしまった場合は、後日なんらかのお返しをすると収まりがつきます。
| 必要性 | 必須ではない。新郎側のみ43.2%/両家38.1% |
| 相場・目安 | 3,000〜5,000円が目安。2,000〜3,000円未満という回答も多い |
| 選び方 | 個包装・日持ちする・万人受けする味・持ち運びやすい・家族構成に合う量 |
| のし・渡し方 | 紅白の結び切り/表書きは「御挨拶」または「寿」/外のし/着席前に両手で |
相場は3,000〜5,000円。高すぎても安すぎても気を遣わせる
手土産の予算は3,000〜5,000円程度が目安とされています(出典:ゼクシィ)。実際には2,000〜3,000円未満で用意したという声も多く、この帯なら相手に負担を感じさせません。
金額は高すぎても低すぎても問題になります。高すぎると相手に気を遣わせ、同等のお返しを考えさせてしまいます。低すぎると、両家の金額に差があった場合に一方が恥をかく形になりかねません。両家で「◯千円くらいで」と先に決めておくのが、いちばん確実な解決策です。
選ぶ品は、個包装で日持ちがして、万人受けする味のものが基本です。和菓子なら最中やどら焼き、洋菓子ならクッキーなどの焼き菓子。地元の銘菓や名産品を選ぶと、出身地の話題にもつながります。お茶やお酒、フルーツ、調味料も選ばれています。
避けたいのは、かさばる・重いもの、冷蔵や冷凍が必要で日持ちしないもの、高額すぎる商品、そして「切り分ける」「割れる」イメージのある品です。特に持ち帰りの負担は見落としがちで、遠方から電車で来る親に大きな箱を渡すと、帰路の荷物になります。
手土産の品選びをもう少し具体的に検討したい場合は、こちらでまとめています。

顔合わせの日取りが決まって、会場も押さえて、あとは当日を待つだけ——のはずが、ふと「手土産って持っていくものなんだろうか」と手が止まる。これは、結婚が決まったふ…
のしは「結び切り」。表書きは御挨拶か寿
のしをかける場合は、紅白の「結び切り」の水引を選びます。結び切りは一度結ぶとほどけない結び方で、「一度きりであってほしい」祝い事に使われるためです。何度あってもよい祝いに使う蝶結びとは意味が逆になるので、ここは間違えないようにしてください。
表書きは「御挨拶」または「寿」、水引の下には贈る側の苗字を書きます。まだ婚姻前ですから、それぞれの家の苗字で問題ありません。字に自信がなければ、購入した店で書いてもらえることも多いので相談してみてください。
のしの掛け方は、手渡しなら包装紙の上からかける「外のし」が基本です。渡した瞬間に表書きが見えるため、何のための品かが伝わります。配送する場合は包装紙の下にかける内のしを使いますが、顔合わせは手渡しが前提なので外のしと覚えておけば十分です。
なお、のしを付けるかどうかも両家でそろえておきたい要素です。片方が丁寧にのしをかけ、もう片方が紙袋のまま——という差が出ると、格の違いが目に見えてしまいます。(参考:マイナビウエディング)
渡すのは「席に着く前」。父母が代表して両手で
手土産を渡すタイミングは、会場の部屋に通されて両家の最初の挨拶が済んだあと、着席する前が理想とされています。着席してからだと、テーブル越しに手渡すことになり、置き場所にも困ります。
渡す人は、一般的に父親または母親が代表して渡します。ふたりが渡すのではなく、家と家のやり取りとして親が担うのが自然です。誰が渡すかは、これも前日までに決めておきましょう。
渡し方にも作法があります。品物を紙袋から出し、正面を相手に向けて両手で差し出すのが基本です。紙袋のまま渡すのは略式とされるため、袋は畳んで自分で持ち帰ります。雨の日など袋ごと渡したい場合は、「袋のままで失礼します」と一言添えれば問題ありません。
そのまま使える言葉はこちらです。
「本日はお時間をいただき、ありがとうございます。心ばかりの品ですが、どうぞお納めください」
地元の品を選んだなら、「◯◯の銘菓です」と一言添えると、そこから会話が始まります。
結婚の両家の顔合わせで揉めやすいのは費用・席順・会話の3つ
費用は全国平均66,000円。62.8%はふたりが負担している
顔合わせにかかるお金の全国平均額は66,000円(2022年調査)で、首都圏の平均額は72,000円、関西圏は76,000円という結果が出ています(出典:Oggi)。新郎新婦とふたりの両親が参加する場合には、6万円前後の費用がかかると考えておけば大きく外れません。1人あたりでは1万円前後が一つの目安です。
支払いについては、ふたりで負担するパターンが62.8%と最も多くなっています。「両家を招く主催者はふたり」という考え方が広がっているためです。両家で折半する、招いた側が持つといった形もあり、どれが正解と決まっているわけではありません。
問題になるのは、金額そのものより決めていないことです。事前に打ち合わせをしていないと、当日になって「こちらが出す」「いや、うちが」というやり取りが始まり、両家の前で押し問答になります。ふたりが負担すると決めたなら、その旨を事前に両家へ伝えておきましょう。
【失敗パターン②】原因:支払いを「その場の流れで」と曖昧にしたまま当日を迎えた。
結果:会計の場で両家の親が譲り合い、店先で長いやり取りになった。後日「出させてしまって申し訳ない」という気遣いも残った。
対策:誰が支払うかを前日までに確定し、両家へ伝える。予約時に会場へ支払い方法を伝えておき、結びの挨拶後に短時間で済ませる。親が「出したい」と申し出た場合は、後日改めてお礼を伝える形にすると角が立たない。
実は、席順に厳密な決まりはない
意外と知られていませんが、顔合わせの席順は結納と異なり明確な決まりがなく、ある程度自由に決めて構いません。「間違えたら大変」と身構える必要はないのです。
とはいえ目安はあります。床の間や入口から最も遠い席が上座で、上座から新郎側の父・母・本人、続いて新婦側の父・母・本人という並びが基本形です。新郎新婦が両家の中央に並び、両親がその隣、兄弟姉妹は両親の外側に座る形も一般的です。
ここで役立つのが「自由に決めてよい」という前提です。初対面の両親が和やかに会話できるよう、両親の間にそれぞれ新郎新婦が座る配置にしても問題ありません。親同士を隣り合わせにすると沈黙が生まれやすいと感じるなら、ふたりが橋渡し役として間に入るほうが会話は回ります。
どの形にするにせよ、席順は当日より前に決めておくのが正解です。入室した瞬間に「どこに座りましょうか」と迷うと、そこから空気が固くなります。会場に伝えて席札を用意してもらう、あるいはふたりが入口で案内する、どちらでも構いません。(参考:結婚スタイルマガジン)
会話は「なれそめ・地元・子ども時代」。避けたい話題は7つ
歓談で盛り上がりやすいのは、子ども時代のエピソード、趣味、地元の話、ふたりのなれそめです。どれも全員が入りやすく、相手の人となりが伝わります。ふたりのなれそめは、どちらの親も聞きたがっている定番の話題なので、聞かれる前に用意しておくと間が持ちます。
一方、避けたほうがよい話題は主に次の7つです。①病気や健康状態、②学歴や家族の経歴・収入に関わる自慢、③政治や宗教、④親族の訃報など不幸なニュース、⑤応援するチームが分かれるスポーツの話、⑥その場にいない人の愚痴や悪口、⑦専門的すぎる趣味や仕事の話。どれも、悪気なく口にしてしまいやすいものばかりです。
実務的な対策は2つ。事前に両家の家族プロフィールを共有しておくことと、親が触れられたくない話題を事前に相手に伝えておくことです。プロフィール冊子を作っておくと、共有と話題提供を同時にこなせます。
会話が途切れて空気が重くなったら、ふたりが話題を切り替えてください。「そういえば、母が最近◯◯を始めたんです」と身内の話を振るのが最も安全です。結婚や同居の話を初対面でぐいぐい進めるのは避け、条件の詰めは後日に回しましょう。(参考:マイナビウエディング)
よくある疑問に答えます
ほかにも、結納をするかどうか、婚姻届の提出時期をいつにするかといった認識のずれは、その場の空気を固くします。デリケートな確認事項ほど、ふたりが事前にすり合わせて当日は「報告」の形にしておくのが、穏やかに終えるコツです。(参考:結婚スタイルマガジン)
まとめ|結婚の両家の顔合わせは「そろえる」だけでうまくいく
顔合わせで気まずくなる原因は、作法を知らないことではなく、両家の認識がそろっていないことです。服装の格、手土産の有無、支払いの担当、席順——このどれかが決まっていないまま当日を迎えると、些細なズレが空気に出ます。逆に言えば、6項目を事前にそろえておけば、会話が少々ぎこちなくても場は和やかに進みます。
最初の一歩は、この記事のチェック表を見ながらふたりで6項目の下書きを埋めることです。埋まらない欄が、これから親に聞くべきことになります。そのうえで、それぞれが自分の親へ電話を一本。それだけで準備の8割は動き出します。
※本記事で紹介した統計値は各調査の発表時点のものです。顔合わせの慣習は地域や家によって異なるため、判断に迷う点は両家で確認しながら決めてください。

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