「結婚式を挙げたい気持ちはあるけれど、300万円近い金額を見て手が止まってしまった」。式場のパンフレットやプラン表を眺めながら、そう感じている方は少なくありません。安く抑える方法を調べても、出てくるのは「オフシーズンにする」「持ち込みをする」といった断片的なテクニックばかりで、結局どこから手をつければいいのか分からなくなります。
先に結論をお伝えします。安い結婚式を目指すときに見るべき数字は、パンフレットに載っている総額ではなく「自分たちの財布から最終的に出る金額」=自己負担額です。総額が同じでも、招待するゲストの人数構成によって自己負担は大きく変わります。逆に、総額を削ることばかり考えて人数を絞りすぎると、いただくご祝儀も減るため、思ったほど負担が軽くならないこともあります。
この記事では、公開されている費用データをもとに「総額と自己負担の関係」を整理したうえで、費用の内訳を「人数で動く費用」と「固定でかかる費用」に分解します。そのうえで日取り・挙式スタイル・会費制といった選択肢を比べ、削ってよい費用と削らないほうがよい費用の線引きまで順番に説明します。読み終わったときには、見積書のどの行から手をつけるかが決まっているはずです。
- 総額の平均298.6万円と、自己負担の平均158.9万円という2つの数字の関係
- 費用の内訳のうち「人数で動く費用」と「動かない費用」の見分け方
- 日取り・挙式スタイル・会費制で下がる金額の目安
- 削っても伝わりにくい費用と、削るとゲストに伝わる費用の線引き
安い結婚式で最初に見る数字は「総額」ではなく「自己負担」

費用の話は、最初に見る数字を間違えると判断がぶれます。ここでは公開データを使って、総額・ご祝儀・援助・自己負担という4つの数字の関係を整理します。
平均298.6万円は「招待客57.2人」の数字だと知る
まず押さえたいのは、よく目にする平均額には前提の人数がついているという点です。みんなのウェディングが公開している結婚式費用のデータでは、総費用の平均は298.6万円で、そのときの招待客は平均57.2人とされています。つまりこの金額は「同僚や友人も呼んだ、標準的な規模の披露宴」の数字です。
この前提を知らないまま平均額だけを見ると、「結婚式は300万円近くかかるもの」という思い込みが生まれます。実際には招待する人数を変えれば総額の水準そのものが動くため、平均額は自分たちの上限でも目標でもありません。式場のプラン表に載っている「○名様の場合」という但し書きも同じ性質のもので、人数が増えれば料理とギフトの分だけ確実に上がります。
見積もりを比べるときは、総額の数字だけを横並びにせず「何人前提の総額か」を必ずそろえてください。A会場は60人前提、B会場は40人前提のまま比較して「A会場は高い」と判断してしまうのは、費用検討の初期に起きやすいすれ違いです。人数をそろえるだけで、比較の精度は大きく上がります。
自己負担の平均は158.9万円|総額との差を埋める2つのお金
実際に貯金から出ていく金額は、総額よりも小さくなります。同じ調査では、新郎新婦の自己負担額の平均は158.9万円と示されており、その計算式は「結婚式の総費用からご祝儀と親族援助を差し引いた金額」と説明されています。
差を埋めている1つ目のお金がご祝儀です。招待客57人規模でご祝儀は約187.1万円という目安が示されています。2つ目が親からの援助で、援助があったケースの平均は168.6万円とされています。援助は家庭の事情で有無が分かれるため、あてにして計画を立てる性質のものではありませんが、「総額=自己負担ではない」という構造は理解しておく価値があります。
ここで注意したいのは、これらの数字が別々の平均値だという点です。総額から2つを単純に引き算して自分たちの負担を予測することはできません。使い方としては「総額の見積もりが出たら、想定ご祝儀と援助の有無を並べて、残りがいくらになるかを自分たちの数字で計算する」が正解です。式場に出す予算も、総額ではなく自己負担の上限から逆算して伝えると話が早く進みます。
ゲストの人数で総額の中央値はここまで動く
人数と総額の関係は、平均より中央値で見ると実感しやすくなります。同じデータでは規模別の総費用が示されており、20~30人規模は約110~320万円(中央値230万円)、50~60人規模は約225~510万円(中央値295万円)、80人以上は約290~570万円(中央値390万円)となっています。
注目したいのは、どの規模にも200万円前後の幅があることです。20~30人でも320万円になるケースがあり、80人以上でも290万円で収まるケースがあります。つまり人数は総額を決める最大の要素ではあっても、唯一の要素ではありません。同じ人数でも、会場のグレード・衣装の点数・演出の数で結果は入れ替わります。
| 項目 | 20~30人 | 50~60人 | 80人以上 |
|---|---|---|---|
| 総費用の幅 | 約110~320万円 | 約225~510万円 | 約290~570万円 |
| 中央値 | 230万円 | 295万円 | 390万円 |
| 向いているケース | 親族中心で一人ずつ挨拶したい | 親族と友人をバランスよく呼びたい | 職場や恩師まで広く招きたい |
出典:みんなのウェディング公開データ(2026年9月時点)をもとに結婚式の教科書が再構成
よくある失敗①「総額の安さで決めて、見積もりが膨らんだ」
費用検討で最も多い失敗は、初回見積もりの安さで会場を決め、最終見積もりで数十万円上がるパターンです。原因はシンプルで、初回見積もりには「最低ランクの料理」「衣装1点」「装花は最小構成」といった控えめな前提が入っていることが多いからです。打ち合わせが進むにつれて、料理のランクを上げ、カラードレスを追加し、装花を増やすと、金額は自然に上がっていきます。
避け方は3つあります。1つ目は、初回見積もりを受け取ったその場で「料理をひとつ上のランクにしたら」「衣装を2点にしたら」と条件を追加した見積もりも出してもらうこと。2つ目は、見積書の行数を数えて、後から足す前提の項目(ペーパーアイテム、音響、演出、介添え、サービス料)が入っているかを確認すること。3つ目は、自己負担の上限を先に決め、その金額を超えた時点で何を削るかを2人で決めておくことです。
比べるのは「総額」ではなく「同じ人数・同じ条件にそろえた最終見積もり」。そして目標値は総額ではなく自己負担額で持つ。この2つを守るだけで、安く見える会場に振り回されなくなります。
費用の内訳を分けると、削れる項目と削れない項目が見えてくる
「節約する」と決めても、どこを削るかを決めないと打ち合わせのたびに迷います。費用は性質で2つに分けると整理しやすくなります。
1人増えるたびに動く費用は料理とギフト
人数に連動して動くのは、主に料理・飲み物とギフトです。公開データでは料理・飲み物は1人あたり約2.1万円、ギフトは1人あたり約6,000円という平均が示されています。この2つは招待人数がそのまま金額に反映されるため、人数を1人減らすとその分だけ確実に下がります。
逆に言えば、人数を増やす判断は「1人分の料理とギフトを追加で払う判断」と同じです。「迷ったら呼んでおこう」を繰り返すと、見積もりは静かに膨らみます。一方で、招待したゲストからはご祝儀をいただくため、人数の増減は支出と収入の両方を動かします。ここが人数調整の難しさです。
実務的なコツは、招待リストを「必ず呼ぶ人」「呼びたい人」「迷っている人」の3層に分け、迷っている人の枠を最初から人数で上限管理することです。式場との打ち合わせでも、「最少人数」と「最大人数」を両方伝えておくと、席次やテーブル数の変更に柔軟に対応してもらいやすくなります。
人数が変わっても動かない費用がある
もう一方は、人数にほぼ関係なく発生する固定的な費用です。公開データでは挙式料が約40万円、会場装花が約19.1万円、新婦衣装が約50.9万円、スナップ撮影が約21.1万円、ブライダルエステが約9.9万円という平均が示されています。これらは10人で挙げても60人で挙げても、大きくは変わりません。
ここが少人数婚で「思ったほど安くならない」と感じる理由です。人数を半分にしても、挙式料と衣装と撮影はほぼそのまま残ります。逆に言えば、固定費側は自分たちの意思だけで調整できる項目でもあります。衣装を1点に絞る、装花はグリーンを多めにしてボリュームを保つ、エステの回数を減らす——いずれもゲストの体験を大きく損なわずに下げられます。
| 費用項目 | 平均額の目安 | 人数で動くか | 削減の向き・不向き |
|---|---|---|---|
| 料理・飲み物 | 約2.1万円/人 | 動く | 不向き(満足度に直結) |
| ギフト | 約6,000円/人 | 動く | 不向き(地域相場を優先) |
| 挙式料 | 約40万円 | ほぼ固定 | スタイル変更で差が出る |
| 会場装花 | 約19.1万円 | ほぼ固定 | 向く(グリーン活用で調整) |
| 新婦衣装 | 約50.9万円 | 固定 | 向く(点数を絞ると効果大) |
| スナップ撮影 | 約21.1万円 | 固定 | 慎重に(後から取り返せない) |
| ブライダルエステ | 約9.9万円 | 固定 | 向く(回数で調整しやすい) |
出典:みんなのウェディング公開データ(2026年9月時点)の平均額をもとに結婚式の教科書が再構成
削ると伝わる費用、削っても伝わらない費用
節約に優先順位をつけるなら、基準は「ゲストが当日直接受け取るものかどうか」です。マイナビウエディングの費用解説でも、料理や飲み物、引き出物での過度な節約はおもてなしに影響し、メリハリのある節約がゲスト満足度の維持につながると説明されています。
この考え方に沿うと、削る順番は自然に決まります。先に手をつけるのは、ペーパーアイテムやムービーのように自分たちの手間で代替できるもの、装花のように構成の工夫で見た目を保てるもの、エステや小物のように当日の体験に直結しないもの。最後まで守るのは、料理・飲み物・ギフトの3つです。
実際、料理のランクを1つ下げて浮く金額と、装花や衣装を見直して浮く金額は同程度になることも珍しくありません。同じ金額を浮かせるなら、ゲストの記憶に残りにくい側から削るのが合理的です。なお、DIYは費用が下がる一方で準備時間を消費します。仕事が忙しい時期に重なるなら、「時間で払うか、お金で払うか」を先に2人で決めておくと後戻りが減ります。
「全体を少しずつ削る」は満足度だけが下がりやすい方法です。料理と飲み物は据え置き、削るのは装花・衣装点数・ペーパーアイテムから——と削る順番を先に決めてから打ち合わせに入りましょう。
忘れやすい「自分たち以外」の費用
見積書に載らないのに実際には必要になる費用もあります。代表例が、両家のご両親の衣装です。レンタルの場合、和装はおよそ3万円~10万円程度、洋装はおよそ2万円~5万円程度が目安とされています。着付けやヘアメイクが別料金になることもあり、式の費用をご両親が一部負担してくれる場合は、着付け代を新郎新婦が持つケースが多いとされています。
ここで大切なのは、両親の装いは新郎新婦の衣装と「格」をそろえる必要があるという点です。新郎新婦が正礼装を選ぶなら、ご両親も正礼装で臨む形が基本になります。費用を抑えるために新郎新婦の衣装だけを簡素にすると、両家の装いの釣り合いが崩れることがあるため、衣装の話は両家に伝えたうえで決めるのが安心です。
そのほか、遠方ゲストの交通費や宿泊費の一部負担、前日の移動費、当日のヘアメイク以外の細かな出費も積み上がります。予算表を作るときは、式場に払う金額とは別に「式場以外に払う金額」の欄を1つ設けてください。この欄があるかないかで、最終的な自己負担の見通しの精度が変わります。
日取りを1つ動かすだけで見積もりは変わる

費用を下げる方法のなかで、内容を削らずに効くのが日取りの調整です。式場側の需要が低い日程を選ぶだけで、同じ内容がより低い価格で提示されることがあります。
1月・2月が最も安く、秋が最も高い
季節による価格差は、会場側の需要の山と谷で生まれます。マイナビウエディングの解説では、オフシーズンの選択として1月・2月が最も安く、夏や冬も割安で、秋が最も高いと整理されています。気候のよい時期に希望が集中するため、その裏側の時期に割引プランが用意されるという構図です。
ここで比較すべきは「安さ」と「ゲストの快適さ」です。真夏はフォーマルな装いのゲストに負担がかかりやすく、真冬は雪や交通の乱れが読みにくい地域もあります。ゲストの多くが遠方なら、移動しやすい時期を優先したほうが結果的に満足度は高くなります。
おすすめの進め方は、第1希望の月と、その前後にあるオフシーズンの月を並べて見積もりを取ることです。「同じ会場・同じ内容で、月だけ変えた見積もり」を2枚並べると、日取りにいくら払っているのかが数字で見えます。金額差が小さければ希望の季節を選べばよく、大きければ検討する価値があります。
平日・ナイトウエディングは「ゲストの都合」とセットで考える
曜日と時間帯も価格に影響します。平日や夜間のナイトウエディングでは割引プランが利用できるケースがあると説明されています。土曜の昼という最も人気の枠を外すことで、会場側の稼働を埋める分の値引きが期待できるという仕組みです。
ただし、平日開催は出席率に直結します。職場の同僚を多く招く場合は有給取得の負担が発生し、遠方の親族には前後泊が必要になることもあります。逆に、ゲストが少人数で親族中心、しかも近隣に住んでいるなら、平日のデメリットはほとんど出ません。
夜の時間帯を選ぶ場合は、終了時刻とゲストの帰りの交通を必ず確認してください。最終の公共交通に間に合わないと、タクシー代や宿泊費の負担が新郎新婦側に戻ってきます。割引で下がった金額が、交通費の補助で消えることもあるため、「割引額」と「追加で発生する配慮のコスト」を並べて判断しましょう。
六曜を気にしないなら、仏滅は選択肢になる
日取りのもうひとつの変数が六曜です。六曜は大安・友引・先勝・先負・赤口・仏滅の6つから成り、中国発祥の時刻占いが鎌倉末期から室町時代に日本へ伝わったものとされています。大安は「大いに安し」で何をするにも吉とされ、友引は慶事では「幸せのおすそ分け」として吉と解釈されるため、結婚式の日取りに選ばれやすい日です。
一方、古くから「結婚式は大安がよく、仏滅は避けるべき」と考えられてきましたが、近年は仏滅に挙げるカップルも見られるようになり、仏滅には限定割引が設定されることが多いとされています。六曜は暦の解釈のひとつであり、吉凶が決まっているものではありません。ただし、ご両親や祖父母の世代が日取りを気にする場合もあるため、両家に一度確認してから決めるのが確実です。
六曜(六輝)=暦に記される吉凶の目安。先勝は「先んずるに勝つ」で午前が吉、先負は「先んずるに負く」で午後が吉、赤口は午前11時から午後1時だけが吉とされます。いずれも解釈であり、地域や家によって重視の度合いが異なります。
よくある失敗②「安い日を選んだら出席率が下がった」
日取りの節約でつまずくのは、金額だけで日を決めてしまったケースです。たとえば「1月の平日・仏滅」は割引が重なりやすい日程ですが、年始の繁忙期に有給を取りづらい職場のゲストが多いと、欠席の連絡が続きます。欠席が増えると当然ご祝儀の総額も減るため、割引で下げた分が相殺されることがあります。
原因は、費用の削減効果を「支出」だけで計算していることです。日取りは出席率、つまり収入側にも影響します。避けるには、招待予定者のうち「平日は出席が難しい人」がどれくらいいるかを、式場を決める前にざっくり数えてください。職場関係が多いなら土日、親族中心なら平日でも問題が出にくい、という判断ができます。
日取りの割引は「支出が減る」効果と「出席率が落ちる」リスクが同時に動きます。主要なゲスト数名には、正式な招待の前に日程の候補だけ相談しておくと、当日の空席を防げます。
人数を絞る3つのルート|少人数・会費制・フォト
日取りと内訳を調整しても届かない場合は、結婚式の「形」そのものを変える選択があります。代表的な3つのルートを、金額と向き不向きで比べます。
少人数ウェディングは42万円~257万円の幅
ゲストを10~40人程度に絞る形が少人数ウェディングです。みんなのウェディングの少人数婚データでは、費用相場は人数によって平均42万円~257万円と幅があり、50人を超える中~大規模の結婚式より平均費用は低くなるとされています。10人規模でも総額は100万円を超えるのが一般的とされる点は、先に触れた固定費の存在で説明できます。
具体例として、親族15名+友人5名の場合は総額131万円、ご祝儀が約80~110万円で、自己負担額は21~51万円というモデルが示されています。この規模なら、ゲスト一人ずつと会話する時間が取れ、料理のランクを落とさずに全員をもてなせます。
注意点は、人数が少ないほどゲスト1人あたりの印象が濃くなることです。料理や引き出物を削ると気づかれやすく、逆に演出を足さなくても間延びしにくい規模でもあります。少人数を選ぶなら、演出や装花を絞り、料理に予算を残す配分が相性がよいと言えます。
会費制の1.5次会は1人21,000円・総額568,000円という実像
ご祝儀ではなく会費で集める形にするのが1.5次会です。みんなのウェディングの調査では、1.5次会の会費制の平均は1人あたり21,000円、総額は568,000円と示されています。参考として、同じ調査のご祝儀制では親族が平均48,000円、友人が平均29,000円、総額1,801,000円とされており、集める金額の性質がまったく違うことが分かります。
ゼクシィの会費制ガイドでは、1.5次会の総費用は100万円未満が最多で、100~300万円未満を選ぶカップルもおり、披露宴に近いフォーマルなスタイルを希望する層が約3割存在するとされています。会費制は「ご祝儀を受け取らない代わりに、招待する側が内容を軽くできる」仕組みであり、費用が必ず安くなる形式ではありません。
同ガイドでは、会費制で自己負担をなくそうとすると内容の質が下がるため、衣裳やヘアメイク費用を含めた工夫が必要とも説明されています。会費制を選ぶ場合は、会費に含める費用を「ゲストが当日直接受け取るもの」——飲食代・会場費・プチギフトなど——に限り、新郎新婦の衣装代やヘアメイク代は含めないのが一般的な整理です。
フォトウェディングは平均26万円|「式をしない」以外の使い方
挙式や披露宴を行わず、写真だけを残す形がフォトウェディングです。マイナビウエディングの費用解説では、全国平均は約26万円で、撮影スタイルやオプションによって5万円から50万円以上まで大きく変わるとされています。
見積もりで気をつけたいのは、基本料金にオプションを積み上げていく料金体系のスタジオが少なくない点です。同解説でも、費用を検討する際は最終的な見積もりを必ず確認することが重要だと指摘されています。データ納品の枚数、アルバムの有無、ヘアメイクや小物の追加料金まで含めた総額で比べてください。
フォトウェディングは「式をやめる代わり」だけでなく、少人数の食事会と組み合わせる使い方もあります。写真で記録を残し、当日は親族との食事に集中する形にすると、装花や演出の固定費を抱えずに家族との時間を作れます。

3ルートの選び分けと、意外と知られていない落とし穴
実は、人数を減らしても自己負担は人数ほど比例して下がりません。挙式料・衣装・撮影といった固定費は残る一方、いただくご祝儀は人数に応じて減るためです。「安くしたいから最小人数にする」と決める前に、減る支出と減る収入を両方並べてみると、最適な人数は思ったより少なくないことがあります。
| 項目 | 少人数ウェディング | 会費制1.5次会 | フォトウェディング |
|---|---|---|---|
| 費用の目安 | 平均42万円~257万円 | 総費用は100万円未満が最多 | 全国平均約26万円 |
| ゲストの負担 | ご祝儀(親族5~10万円など) | 会費(1人平均21,000円) | 招待しない形も選べる |
| 向いている人 | 親族への挨拶を大切にしたい | 友人を多く呼び負担を抑えたい | 記録を残しつつ短期で進めたい |
| 注意点 | 固定費は人数ほど下がらない | 会費に自分の衣装代は含めない | オプション込みの総額で比較 |
挙式スタイルの差は10万円台から40万円台まで

披露宴の内容を変えずに差が出るのが挙式スタイルです。はな婚の挙式スタイル解説の金額を軸に、それぞれの性格を整理します。
教会式40~45万円を6割が選んでいる
教会式の費用目安は40~45万円で、59.7%と6割近くのカップルが選ぶ最も人気のスタイルです。キリスト教の教えにもとづき、神様の前で永遠の愛を誓う形式で、バージンロードやベールダウンといった見慣れた演出が含まれます。
人気があるのは、写真や映像のイメージが共有しやすく、ゲストも進行を理解しやすいからです。同じデータでは、56.2%のカップルがスタイル選択の決め手を「挙式スタイルの雰囲気」と答えており、金額よりも雰囲気で選ばれていることが分かります。
費用面で見ると、教会式は4つのスタイルのなかで高い側に位置します。憧れがはっきりある場合は迷わず選んでよい項目ですが、「なんとなく教会式」で決めているなら、他のスタイルと見積もりを比べる価値があります。
人前式25~30万円は自由度で選ばれている
人前式の目安は25~30万円です。宗教や形式にとらわれず、列席ゲストに結婚の証人となってもらう形式で、場所やプログラムの自由度が高いためカップルによって金額が変わります。
費用を抑えたいときに検討しやすいのは、宗教施設の利用料や専門のスタッフが不要になるケースがあるためです。誓いの言葉を自分たちで作る、ゲスト全員で承認の合図をするといった進行にすれば、演出費を足さずにオリジナリティが出ます。
注意点は、自由度が高いぶん「何をするか」を自分たちで決めなければならないことです。進行案が固まらないまま当日を迎えると、式が短すぎたり間延びしたりします。テンプレートのある教会式・神前式に比べて準備の手間はかかるため、準備時間が取りづらい人は既成の進行に乗るほうが負担が軽くなります。
和の挙式は神前式30~35万円、仏前式10~25万円
日本の伝統的なスタイルである神前式は30~35万円が目安で、親族同士が結び付くという考え方のもとで行われます。内訳としては挙式代30~35万円、衣装代5~25万円、初穂料5~10万円と示されており、衣装の選び方で総額が動くタイプです。仏前式は10~25万円が目安で、仏様とご先祖様へ結婚を報告し、来世までの結びつきを誓う形式です。
和装の挙式は「費用が高い」というイメージを持たれがちですが、挙式料そのものは教会式より低い水準です。総額が上がりやすいのは、白無垢と色打掛を両方着るなど衣装点数が増えるケースです。1点に絞れば、和装でも費用を抑えられます。
宗派や神社・寺院ごとに作法や条件が異なるため、両家の考え方を確認してから進めるのが確実です。家に信仰上の慣習がある場合は、式場に相談する前にご両親と話しておくと、日程や進行の調整がスムーズになります。
挙式スタイルは、費用だけでなく「準備の手間」と「両家の納得」の3点で比べます。費用を優先するなら人前式や仏前式、進行の型を借りたいなら教会式や神前式が向いています。
見積もりは「3組に1組」が下がる|交渉と持ち込みの手順
費用は提示された金額で確定するものだと思われがちですが、条件の調整で下がる余地があります。ここは手順で押さえておきましょう。
3組に1組が値下げに成功、56%が10万円以上の減額
マイナビウエディングの費用解説では、料金交渉について「3組に1組が成功」し、成功した人の56%が10万円以上の値下げを得たと示されています。値引きが成立する背景は、式場側にも埋めたい日程や達成したい受注の区切りがあるためです。
効果的な伝え方は、値引きそのものを求めるのではなく、条件を示すことです。「この日程なら決められます」「自己負担の上限がここなので、この範囲に収まれば契約します」というように、式場側が判断できる材料を出すと話が進みます。逆に「もっと安くなりませんか」だけでは、担当者も動く根拠を持てません。
タイミングは契約前が中心です。契約後の打ち合わせ段階では、値引きではなく「項目の入れ替え」で調整するのが現実的になります。また、無理な減額を通すと料理や装花の内容に跳ね返ることがあるため、下げる対象を自分から指定するほうが納得できる結果になりやすいです。
持ち込みは「持ち込み料」を先に確認する
ペーパーアイテムやムービーのDIY、外部手配は費用削減に効果的な手段として挙げられています。招待状や席次表を自分で作る、プロフィールムービーを外部の制作サービスに頼む、といった方法です。
ただし、式場によっては持ち込み料が設定されており、外部で安く手配しても手数料で差が縮まることがあります。契約前に「何を持ち込めるか」「1点あたりいくらか」を一覧で確認してください。持ち込み可否は会場ごとに異なるため、一般論ではなく自分の会場の規定で判断する必要があります。
装花については、グリーンを多用してボリューム感を保ちながら費用を下げる方法が紹介されています。花の種類を絞る、高さのある装飾を1卓だけにするなど、見た目の印象を落とさない調整はプランナーが引き出しを持っています。「全体でいくら下げたい」と伝えて提案を求めるのが早い方法です。
引き出物は地域で相場が違う
ギフト費用は、全国一律の基準では判断できません。引き出物の全国平均相場はメイン・引菓子・縁起物の合計で約6,000~7,000円で、ボリュームゾーンは約5,000円とされています。一方で地域差のデータでは、相場が低い北海道は平均額1,700円程度、品数が多い新潟県はおよそ10,000円程度と示されています。
この差は「品数の慣習」から生まれています。縁起物を外すと500~1,200円のコストダウンが可能とされていますが、品数を重視する地域で品目を減らすと、その土地の慣習から外れて見えることがあります。節約の可否は、両家の出身地とゲストの構成で判断するのが確実です。
式場での注文は割高になることが多く、外部ショップからの持ち込みは増加傾向にあるとされています。ここでも持ち込み料の確認が前提になります。迷ったら、両家の親に「この地域ではどれくらいが一般的か」を聞くのが最も確実な情報源です。
交渉が効くのは、準備スケジュールの最初だけ
費用を動かせる期間は意外と短いです。BRASSの準備解説では、挙式や披露宴の検討開始時期は全国平均で9.9ヶ月前、決定時期は平均8.3ヶ月前とされ、多くの人が1年前から動き始めています。ゆとりを持つなら1年~1年半前、標準的には10ヶ月~1年前、短期集中なら6ヶ月前、お急ぎの場合は3ヶ月前からの準備が目安です。
式場の予約が全ての起点になり、人気シーズンである3~5月・10~11月の大安・友引の日程は1年以上前から埋まることも珍しくないと説明されています。つまり、割引が効くオフシーズンや平日を選べるかどうかは、動き出しの早さで決まります。
準備が3ヶ月前からのスタートになると、選べる日程が限られ、価格交渉の材料である「日程の柔軟性」を失います。費用を抑えたいなら、会場探しだけは早めに始めて、日程の選択肢を手元に残しておくのが有効です。

「結婚が決まったけれど、何から手をつければいいのかわからない」。プロポーズの余韻が落ち着いたころ、多くのカップルがここで立ち止まります。両親への報告、指輪、顔合…
ゲストから見た安い結婚式|ご祝儀と会費の考え方
ここからは招かれた側の視点です。会費制やカジュアルな式に呼ばれたとき、いくら用意すればよいのか迷う場面は増えています。
ご祝儀は関係性で決まる|友人3万円が基準
ご祝儀相場のデータでは、友人・同僚は3万円、上司・先輩は3~5万円、兄弟・姉妹は3~10万円、いとこは3~5万円、おじ・おばは5~10万円、親から子へは10万円前後が目安とされています。基準になるのは金額の大小ではなく、関係の近さです。
避けられる傾向があるのは偶数と、4・9を含む金額です。偶数は「割り切れる」ことから縁が切れると解釈されるため、4万円・9万円は「死」「苦」を連想させるためとされています。ただし2万円については、ペアを連想させるとして近年は容認されつつあるという見方もあります。地域や家によって考え方が異なるため、心配なときは同じ立場で出席する人に合わせるのが安全です。
新札を用意するのは、前もって準備していた気持ちを表すためです。ご祝儀袋は裸で持ち運ばず、慶事用の袱紗に包んで持参し、渡すときも袱紗を使って差し出します。バッグは小さめのパーティーバッグが基本で、荷物があるときはサブバッグにまとめ、できるだけクロークに預けます。

友人や同僚から招待状が届くと、うれしい気持ちと一緒に疑問が次々に浮かびます。「ご祝儀はいくら包めばいい?」「この服で大丈夫?」「受付では何と言えばいい?」。お呼…
会費制に招かれたときの考え方
会費制の場合は、案内された会費を用意するのが基本です。参考として二次会の会費は、全国平均で5,000~8,000円が一般的とされ、男性平均5,900円・女性平均5,400円という調査結果もあります。男女差をつけないケースが7割超で、差をつける場合は男性が1,000~1,500円高く設定されることが多いとされています。
興味深いのは、ゲスト側の感覚との差です。同じ調査では65.4%が「4,000~5,000円が妥当」と回答しており、ゲストは世間相場より控えめな金額を望む傾向があります。主催する側はこのギャップを知っておくと、会費の設定で迷いにくくなります。
会費制では、会費のみで別途ご祝儀を用意しない形が一般的とされています。ただし案内状に記載がある場合はその指示に従い、親しい間柄で気持ちを伝えたいときは、後日改めてお祝いを渡す方法もあります。迷ったら幹事や新郎新婦に確認するのが確実です。
欠席するときのご祝儀と返信の作法
欠席の場合も、ご祝儀を贈るのが基本とされています。招待状の返信段階で欠席を伝えるなら5千~1万円程度、あるいはお祝いの品という選択もあります。一方で、「出席」と返信した後に欠席することになった場合は、当日の料理や引き出物がすでに手配されているため、ご祝儀は出席時と同額(友人3万円、親族5万円前後)を渡すのがマナーとされています。
送るタイミングは、欠席が判明した時点からなるべく早く、遅くとも式の1週間前までに届くよう手配します。送付方法は郵便局の現金書留です。返信はがき自体は、招待状が届いてから2~3日以内、遅くとも1週間以内に出すのが基本で、黒のボールペン・万年筆・筆ペンを使い、宛名の「行」は「様」に書き換えます。
まとめ|費用を下げる順番と、最初にやる1つのこと
安い結婚式を考えるとき、削減テクニックを集めるより先にやることが1つあります。それは「自己負担の上限額」と「招待したい人の最少・最大人数」を2人で紙に書くことです。この2つが決まれば、会場探しでは同じ条件の見積もりを並べられ、割引の判断も「上限に収まるか」で即決できます。まずは今日、候補の人数を数えるところから始めてみてください。
※記事内の金額・割合は各調査や公開データの公表値をもとにしています。プラン内容や割引条件は会場ごとに異なるため、最新情報は各会場の公式サイトでご確認ください。

コメント