両家の顔合わせが決まってお店を探し始めると、「個室じゃないといけないの?」「料亭とホテルならどちらが無難?」「予約はいつまでに入れればいい?」と、決めることが次々に出てきます。家族同士が初めて正式に向き合う席なので、場所選びでつまずきたくないと感じるのは自然なことです。
先に結論をお伝えすると、顔合わせは「両家から通いやすい場所にある、話し声が漏れない個室」を、3ヶ月前を目安に予約しておけば大きく外すことはありません。個室があったからその会場を選んだというカップルは6割以上にのぼり、周りを気にせず話せることが、親にとっても本人たちにとっても一番の安心材料になっています。
この記事では、会場タイプごとの違い、予約の時期とお店へ伝えること、当日の進め方、個室での席順、服装の揃え方、費用と支払いの考え方までを、ブライダル媒体が公開している調査や解説をもとに順番に整理しました。両家で相談するときのたたき台としてお使いください。
・顔合わせで個室が選ばれる理由と、料亭・ホテル・レストランの向き不向き
・個室を押さえる時期と、予約の電話で伝えておきたいこと
・入口から見た上座・下座と、家族の並び順
・両家で揃えたい服装の格と、1人あたりの予算・支払いの決め方
顔合わせ個室が選ばれる理由は「本音で話せる距離」にある

隣の話し声が聞こえないだけで、親の緊張はほどけやすい
顔合わせの会場は、まず個室を選んでおけば安心です。迷ったら「扉で仕切られた完全個室があるか」を最初の条件にしてください。
理由はシンプルで、周りに人がいる環境では親が話しにくくなるからです。顔合わせの場所選びの解説でも、隣のテーブルの話が聞こえるような場所では、親御さんも本音で話しにくくなると指摘されています。顔合わせでは、子どもの頃の思い出や家族のこと、これからの暮らしの話など、身内だからこそ話せる内容が中心になります。見知らぬ人に聞かれるかもしれない状況だと、つい言葉を選びすぎて、会話が表面的なまま終わってしまいがちです。
よくあるのが、「個室あり」と書かれたお店を予約したものの、実際は天井が開いたパーテーション席で、隣のグループの乾杯や笑い声が重なって話が途切れてしまうケースです。お店の「個室」の定義は幅があり、半個室やカーテンで仕切るだけの席を個室と表記している場合もあります。
予約の際は「扉のある完全個室ですか」「何名用のお部屋ですか」と具体的に確認しましょう。お店の写真だけで判断せず、言葉で確かめておくと当日の思い違いを防げます。
顔合わせと結納はどう違う?個室の食事会が主流になった背景
今の顔合わせは「両家が親睦を深めるための食事会」と考えて問題ありません。結納のような儀式の進行や品物のやり取りは、基本的に必要ありません。
両家顔合わせとは、新郎新婦それぞれの家族が初めて正式に顔を合わせ、親睦を深めるための食事会のことです。一方の結納は、形式を重んじる儀礼で、金品や結納品を取り交わすのが特徴です。近年は結納を行わず、顔合わせの食事会だけを行うケースが増えています。儀式がないぶん、「料理を囲みながら、家族同士が落ち着いて話せるかどうか」が会の満足度を左右するようになり、その条件を満たしやすい個室が選ばれやすくなりました。
顔合わせ=両家の家族が初めて正式に顔を合わせ、親睦を深める食事会。金品の取り交わしはなく、比較的カジュアル。
結納=婚約を形にする伝統的な儀礼。結納品や結納金を取り交わし、形式や進行を重んじる。
ただし、家によっては「顔合わせでも結納に近い形式を取りたい」と考える場合があります。とくに片方の親が結納を想定していると、当日になって温度差が表に出てしまいます。
会場を決める前に、「食事会の形でよいか」「品物のやり取りはするか」を両家の親にそれぞれ確認しておくと、会場の格や部屋の雰囲気も選びやすくなります。

3対3で向き合う席が組みやすいのも個室の強み
人数が決まっていれば、個室は「両家が向かい合う形」をそのまま作れます。顔合わせの参加者は、新郎の両親、新婦の両親、新郎新婦の計6名が基本です。
顔合わせは、落ち着いて話せるようにレストランや料亭の個室で行われることが多く、会場のレイアウトは3対3で対面に席が並んでいるタイプがほとんどです。両家が正面から向き合うことで、自然に相手の家族の顔を見ながら話せますし、新郎新婦がそれぞれの親の隣に座ることで「紹介役」も務めやすくなります。オープンな客席では横長のテーブルしか空いていない、ほかのお客さんと背中合わせになる、といったこともあり、この形を確実に作れるのは個室ならではの利点です。
やりがちなのが、片方の家だけ兄弟姉妹を連れてきて、4対3や5対3のように人数が偏るケースです。人数が偏ると、少ない側が話しづらさを感じることがあります。兄弟姉妹の同席は両家で認識を揃えれば問題なく、同席するなら1名ずつなど人数を合わせるのが一般的です。
参加人数を両家で確定させてから個室を予約すると、部屋の広さやテーブルの形を正しく伝えられます。
料亭・ホテル・レストラン、両家にしっくりくる会場はどれ?
| 項目 | 料亭・割烹 | ホテル | レストラン |
|---|---|---|---|
| 雰囲気 | 伝統的なおもてなしと格式感 | 安心感があり、スタッフの配慮が手厚い | 洗練された盛り付けと華やかさ |
| 料理 | 懐石料理が中心 | 館内の和食・洋食から選べることが多い | 洋食のコースが中心 |
| 向いている両家 | 親世代が和食・格式を大切にしたい | 遠方の家族がいる、アクセスを優先したい | 親が洋食に慣れている、明るい雰囲気にしたい |
| 注意点 | 混み合いやすく、3ヶ月前からの予約が必要なことが多い | 個室の有無・利用料を確認 | ナイフとフォークの食べ方を親が気にする場合がある |
格式を大切にするなら料亭・割烹が心強い
親世代が落ち着いた和の雰囲気を好むなら、料亭や割烹を選べばまず間違いありません。懐石料理は食べ慣れた味が多く、年代を問わず箸が進みやすいのも利点です。
料亭が顔合わせで選ばれる大きな理由は、段取りへの慣れにあります。料亭は顔合わせの段取りを熟知しており、料理のペースも会話が弾むタイミングに合わせて調整してくれると解説されています。話が盛り上がっているときに次の皿を急がず、会話が途切れたときにさりげなく料理を運んでもらえると、慣れない場でも間が持ちます。仲居さんが部屋の出入りに気を配ってくれるため、家族の会話を遮られにくい点も安心です。
一方で、料亭は予約が混み合いやすく、3ヶ月前からの予約が必要なことが多いとされています。日取りを決めてから探し始めると、希望の日にはすでに埋まっていた、ということも起こります。
また、座敷の場合は長時間の正座が負担になりやすいので、掘りごたつやテーブル席の個室があるかを確認しておきましょう。顔合わせは2〜3時間ほどかかるため、足が疲れにくい席かどうかは親の居心地に直結します。
遠方から来る家族がいるならホテルが安心
どちらかの家族が遠方から来る場合や、高齢の家族が同席する場合は、ホテルの個室を第一候補にすると判断しやすくなります。
ホテルは駅から近い立地が多く、アクセスのわかりやすさと安心感が強みです。スタッフの配慮が手厚いため、初めての場所でも迷いにくく、クロークや化粧室、待ち合わせ用のロビーなど、到着してから席に着くまでの動線も整っています。遠方からの家族が前日から泊まる場合や、着付けをしてから向かう場合にも、同じ建物で準備を済ませやすいのは大きな利点です。
気をつけたいのは、ホテル内の飲食店がすべて個室を持っているわけではない点です。「ホテルなら大丈夫」と思い込み、個室のない店を予約して、ロビー横の客席で顔合わせをすることになった、という行き違いも起こりがちです。また、個室利用料が料理代とは別にかかることもあります。
予約時は、個室の有無、利用料の有無、駐車場の利用条件をまとめて確認しておくと、当日の会計や送迎で慌てずに済みます。
洋食のレストランは「食べ方の不安」を先回りする
親が洋食に慣れている家なら、レストランの個室も十分に選択肢になります。迷ったら、両家の親に「和食と洋食、どちらが落ち着くか」を一度聞いてから決めましょう。
レストランのコース料理は盛り付けが洗練されていて、明るく華やかな雰囲気で会を進められます。堅苦しさを和らげたい家や、若い兄弟姉妹が同席する場合には相性のよい会場です。ただし、洋食の場合、ナイフとフォークの扱いや食べる順番を親が気にしてしまう可能性があります。緊張している席で慣れない食べ方に気を取られると、会話に集中しにくくなります。
よくあるのが、ふたりが気に入ったお店をそのまま選び、親が料理のたびに手元を気にして、ほとんど話せなかったというケースです。会場の好みは、主役のふたりより親世代の食べ慣れた料理を基準にすると外しにくくなります。
レストランを選ぶなら、予約時に「箸を用意してもらえるか」「食べやすい料理に調整できるか」を相談しておくと、親の不安を先回りして減らせます。
自宅での顔合わせは、迎える側の負担が大きくなりやすい
費用を抑えたい、落ち着いた場所で話したいという理由で自宅を考える人もいますが、一般的にはおすすめしにくい選択肢です。どうしても自宅にするなら、料理は仕出しに頼るなど負担を減らす工夫をしましょう。
自宅での顔合わせは、会場を用意する側の家族に準備が集中します。部屋の片付け、料理や飲み物の手配、食器の準備、当日の配膳や片付けまで、迎える側がゆっくり座っていられる時間はわずかです。さらに、相手の家に招かれる側も「どこまでくつろいでいいのか」と気を遣い、双方の親が緊張しやすくなります。両家が対等な立場で向き合うという意味でも、どちらの家でもない場所のほうが、話しやすい空気を作りやすいのです。
具体的には、迎える側の母親が台所と部屋を何度も往復し、肝心の会話にほとんど加われなかった、という形になりがちです。
地域や家によっては、自宅で迎えることを大切にする考え方もあります。その場合は両家で相談し、準備の分担や料理の手配方法を事前に決めておくと、迎える側だけに負担が偏らずに済みます。
予約は何ヶ月前?日程決めからお店への連絡までの段取り

顔合わせそのものは、入籍の1〜2ヶ月前が多数派
顔合わせの時期に厳密な決まりはありませんが、「親への挨拶から半年以内」「入籍の1〜2ヶ月前」「結婚式を挙げるなら式の6カ月前まで」を目安にすれば問題ありません。
マイナビウエディングの顔合わせの時期に関する解説によると、親への挨拶から1カ月~3か月以内に行った人が39.3%と最も多く、次に4カ月~6カ月以内が35.0%で、約7割の人が親への挨拶から半年以内に実施しています。また、入籍の1~2ヶ月前に顔合わせをする人が60.8%と多数派です。結婚式を行う場合は、式の6カ月前までには済ませておくのがよいとされています。
この順番に意味があるのは、顔合わせが「両家が結婚を了承し合う場」の役割を担うからです。両家が一度も会わないまま入籍や式の準備が進むと、親が置いてけぼりになったと感じやすくなります。
逆算すると、顔合わせの日取りを決めるのは、個室の予約を考えて入籍のさらに数ヶ月前になります。入籍日が決まっている場合は、そこから時期を組み立てると段取りがぶれません。

人気の個室は3ヶ月前、遅くとも2ヶ月前に押さえる
日程の候補が出たら、個室は3ヶ月前を目安に予約してください。遅くとも2ヶ月前には押さえておくと、希望の会場を選びやすくなります。
顔合わせは土日祝の昼に集中しやすく、同じ日に複数の家族が個室を探しています。とくに料亭は予約が混み合いやすく、3ヶ月前からの予約が必要なことが多いとされています。個室は1店舗に数部屋しかないことも多く、客席に空きがあっても個室だけが先に埋まるのはよくあることです。
場所選びでは、両家からアクセスしやすいことを優先します。駅から近い、駐車場があるといった条件は、高齢の家族や着物で移動する人がいる場合に効いてきます。両家の実家が離れている場合は、お互いの地元の中間地点を選ぶのがおすすめです。どちらか一方の地元にすると、もう一方の移動の負担が大きくなるためです。
最後の共有は、新郎新婦がそれぞれ自分の親に伝えると、言い回しの違いで伝わり方がずれることがあります。会場名や時間は文面で送り、両家に同じ情報が届くようにしておくと安心です。
予約の連絡では「顔合わせです」と必ず伝える
予約をするときは、顔合わせで利用することをはっきり伝えてください。これだけで、お店側の準備や当日の対応が変わります。
顔合わせの場所選びの解説でも、顔合わせであることを明記し、アレルギーやお酒の好みなど詳しい情報を伝えることが大切だとされています。お店は目的がわかれば、両家が向かい合う席の配置、会話を妨げない料理の出し方、会計のタイミングなどを配慮しやすくなります。ネット予約の場合は、備考欄に「両家顔合わせ」と書き添えておきましょう。
ネット予約で人数と時間だけを入力し、目的を書かなかったため、通常の宴会と同じテンポで料理が次々と運ばれ、挨拶や紹介のタイミングがつかめなかった、というケースがあります。原因は、お店が「親睦のための食事会」だと知らなかったことです。対策として、予約時に「両家顔合わせ」「話す時間を大切にしたい」と伝え、苦手な食材・アレルギー・お酒を飲むかどうかも一緒に知らせておきましょう。
苦手な食材やお酒の好みは、ふたりが推測で答えず、事前にそれぞれの親へ聞いておくと確実です。
実は、個室の下見にこだわらなくても大丈夫
意外と知られていないけれど、顔合わせの個室は下見をしなくても問題ありません。「下見に行けないから不安」と予約を先延ばしにするより、条件を言葉で確認して早めに押さえるほうが結果的にうまくいきます。
個室は他のお客さんの予約が入っていることが多く、見学用に公開されていないのが通常です。わざわざ足を運んでも、部屋の中までは見られないことがあります。また、両家の実家から離れた中間地点を選んだ場合、下見のために移動するのは時間も交通費もかかります。そのぶん、予約前に確認すべきことを絞っておくほうが実用的です。
確認しておきたいのは、扉のある完全個室か、座敷かテーブル席か、掘りごたつかどうか、何名用の部屋か、駐車場や最寄り駅からの道順、の5点ほどです。お店のサイトの写真と照らし合わせながら電話で聞けば、当日のイメージは十分に持てます。
ただし、足の不自由な家族がいる場合や、段差・エレベーターの有無が気になる場合は、電話で細かく確認するか、店舗の入口だけでも事前に見ておくと安心です。
個室で過ごす2〜3時間、当日はどう進める?
昼の食事会が多数派、夕食ならお酒を囲みやすい
時間帯は昼食にしておけば多くの家族にとって無理がありません。両家とも近くに住んでいて、お酒を楽しみたい家なら夕食でも問題ありません。
顔合わせは昼食の時間帯に行うのが最も多く、夕食の時間帯を選ぶ家もあります(顔合わせの時間帯に関する解説)。昼食が選ばれやすいのは、遠方から来る家族でもその日のうちに帰りやすく、宿泊が不要で予定を組みやすいからです。また、顔合わせは2〜3時間が目安なので、昼に始めれば終わったあとに移動する余裕も残ります。
一方、夕食には、お酒を一緒に楽しみながら打ち解けやすいという良さがあります。お酒が好きな親同士なら、乾杯をきっかけに場が和むこともあります。ただし、帰りの時間が遅くなるため、遠方の家族がいる場合は負担になりやすく、飲みすぎて話が脱線する心配もあります。
遠方の家族がいる場合は、なるべく早い時間に始めるのがおすすめです。どちらの時間帯にするかは、帰りの交通手段と、お酒を飲む人がいるかどうかの2点で決めると迷いません。
5分前に到着し、着席前に手土産を渡す
当日は、予約時間の5分前くらいに会場へ着くようにしましょう。両家が揃ったら一緒に個室へ入り、着席する前に手土産を渡すのが流れとしてスムーズです。
早すぎる到着は、お店の準備が整っていなかったり、相手の家族を待たせているような印象を与えたりすることがあります。反対に、遅れて到着すると、先に着いた家族が店先で所在なく待つことになります。ホテルの婚礼サイトの顔合わせ解説でも、余裕をもって予約時間の5分前くらいに着くとよいとされています。
手土産を着席前に渡すのは、食事が始まると渡すタイミングを逃しやすいからです。「あとで渡そう」と思っているうちに料理が進み、帰り際の慌ただしい中で手渡すことになった、というのはよくある流れです。
当日の流れは、両家一緒に入室、手土産の受け渡し、着席、新郎新婦による家族の紹介、食事と歓談、というのが一般的です。家族の紹介を誰がどの順で行うかは、事前にふたりで決めておくと最初の数分で慌てません。
会話に困ったときに頼れる話題、控えたい話題
会話の進行役は新郎新婦が務める、と決めておけば、沈黙が続いても慌てずに済みます。話題は「共通点」と「これから」の2方向で用意しておくと安心です。
話しやすい話題として挙げられているのは、共通の趣味、地元の話、子ども時代の思い出、家族やペット、今後の予定です。どれも相手の家族を知るきっかけになり、否定や反論が生まれにくい内容です。新郎新婦が「父は釣りが好きで」「母は昔から料理が得意で」と話を振ると、親同士の会話が自然に始まります。
親の性格によって話しやすい話題は変わるので、事前にお互いの親の趣味や最近の関心ごとを共有しておくと、話を振るときの引き出しが増えます。
スマートフォンは机に出さず、料理の値段には触れない
当日の振る舞いで気をつけたいのは、スマートフォン、親への反論、料理の値段の3つです。この3つを押さえておけば、細かな作法に自信がなくても大丈夫です。
スマートフォンは机の上に出さないようにしましょう。写真を撮りたい場合も、食事の前後など区切りのよいタイミングで「一枚撮らせてください」と声をかけるのが自然です。机に置いてあるだけで、通知が気になっている、話に集中していないと受け取られることがあります。
親の発言に、その場ですぐ反論しないことも大切です。昔の話を少し大げさに話されたり、ふたりの今後について意見を言われたりしても、顔合わせの席で言い返すと場の空気が一気に張り詰めます。気になる点は、会が終わってから親子で話せば十分です。
また、料理の値段に対して「高いね」「こんなにするの」と露骨に反応するのも控えましょう。支払う側に気を遣わせてしまいます。個室の中は声が響きやすく、小声のつもりでも相手に届くことがある点も覚えておいてください。
個室の席順は?入口から遠い奥の席が上座

上座に新郎側、下座に新婦側が一般的な理由
個室では、入口から遠い奥の席が上座、入口に近い席が下座です。顔合わせでは、上座に新郎側の家族、下座に新婦側の家族が座るのが一般的とされています。
ホテルの婚礼サイトの解説によると、入口から遠い席が上座、入口に近い席が下座であり、上座には敬意を表すべき方が、下座にはお迎えする側の方が座るとされています。これは、昔の婚礼で「新婦側が新郎側を迎える」という考え方があったことに由来する並び方です。入口に近い席は、店員とのやり取りや出入りの対応がしやすい位置でもあり、迎える側が座る理にかなった場所といえます。
ただし、今の顔合わせは両家が対等に親睦を深める場です。遠方から来てくれた家族に上座を譲る、年長の家族が同席する側を上座にする、といった判断をする家もあります。
「どちらが上座か」で迷ったら、一般的な並び方を基本にしつつ、ふたりから両家の親に「この並びでよいですか」と一言確認しておけば十分です。地域や家によって考え方が異なる場合があるので、決めつけずに相談しましょう。
並びは入口から遠い順に父・母・本人
同じ側の中では、入口から遠い奥から父親、母親、本人の順に座るのが一般的です。迷ったら、この並びを両家に共有しておけば当日戸惑いません。
| 上座(入口から遠い側) | 新郎側の家族が座るのが一般的 |
| 下座(入口に近い側) | 新婦側の家族が座るのが一般的 |
| 同じ側での並び | 奥から父親→母親→本人の順 |
| 注意点 | 結納ほど厳密ではないため、両家で話し合って決めてもよい |
ホテルの婚礼サイトでも、上座・下座とも、それぞれの父親、母親、本人の順で座ることが一般的と解説されています。3対3で向かい合うと、新郎の正面に新婦、父親同士・母親同士が向かい合う形になり、同じ立場の人同士で話しやすくなります。新郎新婦が入口側に座ることで、お店の人とのやり取りや、料理の説明を受けたときの取り次ぎも担いやすくなります。
ありがちなのが、入室した順にそのまま座ってしまい、父親同士が斜めに離れて会話がしにくくなるケースです。個室に入る前に、ふたりが「奥からお父さん、お母さん、私の順でお願いします」と一声かけると、全員が迷わず座れます。
兄弟姉妹が同席するなら、人数と外側の席を揃える
兄弟姉妹が同席する場合は、両親の外側に座ってもらうのが基本です。人数は1名ずつなど、両家で揃えておくと向かい合わせの形が崩れません。
兄弟姉妹の同席は、両家で認識を揃えれば問題ありません。顔合わせの席順の解説では、兄弟姉妹が両家それぞれ1名ずついる場合、新郎側は父親・新郎・母親・兄や姉の順で、新婦側も同様に配置される例が紹介されています。本人が両親の間に座るこの並びは、本人が両親と兄弟姉妹の両方に話を振りやすく、4対4になっても会話の中心がぶれにくい形です。
先ほどの「父・母・本人」の並びと異なるように見えますが、どちらも一般的な例のひとつです。人数が増えると、テーブルの長さや部屋の形によって座りやすい並びが変わるため、ひとつの形に決まっているわけではありません。
気をつけたいのは、兄弟姉妹の配偶者や子どもまで同席するかどうかです。片方の家族だけ人数が増えると、個室の広さが足りなくなったり、会話の比重が偏ったりします。誰まで呼ぶかを決めてから、その人数で個室を予約し直すと安心です。
結納ほど厳密ではないから、事前に決めておけば迷わない
顔合わせの席順は、結納ほど厳密に考えなくて大丈夫です。大切なのは「正解の並び」を探すことより、両家で事前に決めて当日迷わないことです。
顔合わせは親睦を深める食事会なので、一般的な席順はあくまで目安です。両家で話し合って決めても問題ありません。たとえば、足の悪い家族を出入りしやすい入口側に座ってもらう、耳が遠い祖父母を会話の中心に近い席にする、といった配慮を優先する方が、形式どおりの並びより喜ばれることもあります。
個室に入ってから「どちらが奥に座る?」と譲り合いが始まり、両家の親が立ったまま数分間やり取りが続いた、というケースがあります。原因は、ふたりが席順を決めずに当日を迎え、どちらの親も遠慮して先に座れなかったことです。対策として、予約後に席順を決め、両家の親へ事前に伝えておきましょう。当日は新郎新婦が先に部屋の中へ入り、「こちらへどうぞ」と手で示すと自然に着席できます。
家によっては席順を重んじる考え方もあるので、「一般的にはこうですが、この並びでよいですか」と確認する形で伝えると、どちらの親の意向もくみ取りやすくなります。
服装は「両家で格を揃える」だけ覚えておけば迷わない
格を揃えるのは、どちらかだけが浮かないため
顔合わせの服装で一番大切なのは、何を着るかより、両家で服装の「格」を揃えることです。これさえ守れば、細かな服選びで大きく迷うことはありません。
顔合わせの服装は「両家で格を揃える」が基本です。片方が振袖、もう片方がきれいめカジュアルといった差があると、どちらかが気まずさを感じやすくなります。会場の雰囲気と季節感にも合わせ、事前に両家で服装の目安を共有しておきましょう。
ゼクシィの顔合わせの服装解説でも、両家で服装の格を揃えること、会場の雰囲気に合わせた装いや季節感を考えた服選びが挙げられています。格を揃えるのは、一方の家族だけが正装で、もう一方がカジュアルだと、「軽く見られているのでは」「気合いを入れすぎたのでは」とお互いに気を遣ってしまうからです。
よくあるのが、新婦側は母親が着物で来たのに、新郎側の母親は普段着に近いワンピースだった、というすれ違いです。どちらも間違いではありませんが、並んだときの差が気になり、会の最初に居心地の悪さが残ります。
両家の親に「当日はスーツとワンピースくらいで」と具体的な目安を伝えておくのが確実です。料亭の個室なら落ち着いたきちんと感を、明るいレストランならやや軽やかな装いを、と会場の雰囲気も合わせて伝えましょう。
女性の洋装はフォーマルからきれいめまで3段階で考える
女性の洋装は、会の雰囲気に合わせて3段階から選べば迷いません。迷ったら中間のセミフォーマルにしておくと、どの会場でも浮きにくくなります。
最も格式が高いのは、フォーマルワンピースです。料亭やホテルの個室で、両家ともきちんとした装いで臨む場合に向いています。次がセミフォーマルで、ワンピース、セットアップ、パンツスーツなどが該当します。気軽な雰囲気にしたい場合は、きれいめカジュアルや上質な普段着でもかまいません。実際、顔合わせの女性の服装はフォーマルからきれいめカジュアルまで幅広く選ばれています。
選ぶときの判断材料は、会場の格と両家の親の装いです。父親がダークスーツで来るなら、女性もセミフォーマル以上にしておくとバランスが取れます。反対に、両家ともカジュアルな食事会にしたいと話がまとまっているなら、ワンピースにジャケットを合わせる程度でも十分です。
気をつけたいのは、座敷の個室では正座や立ち座りがある点です。丈の短いスカートやタイトすぎる服は座ったときに気になりやすいので、膝が隠れる丈で動きやすいものを選ぶと安心です。
振袖か訪問着か、和装は家のしきたりを先に確認する
和装で臨む場合、未婚の新婦が振袖を着ることも、訪問着を選ぶことも問題ありません。ただし、どちらにするかは両家の格と家のしきたりを確認してから決めましょう。
振袖は未婚女性の第一礼装で、顔合わせの装いとしては最も格式が高い部類に入ります。新婦が振袖を着ていくことはマナーとして問題ありませんが、ほかの人が略礼装など格下の服装であれば、新婦も格を揃えるように解説されています。訪問着は準礼装で、振袖より一段落ち着いた装いです。訪問着を選んでも問題はありませんが、地域や家によっては、しきたりとして振袖を選ぶよう求められる場合もあります。
よくあるのが、新婦が張り切って振袖を用意したのに、両家の親はスーツとワンピースで、新婦だけが華やかすぎる印象になるケースです。着付けやヘアセットの時間もかかるため、当日の段取りにも影響します。
和装にするかどうかは、早めに自分の親と相手の親に相談しておくと安心です。着物で移動する場合は、駅から近い会場や駐車場のある会場を選ぶと負担を減らせます。
男性はスーツ、小物やメイクは控えめに上品に
男性の服装はスーツが定番で、新郎も父親も、落ち着いた色のスーツを選べば問題ありません。女性の小物やメイクは「控えめで上品」を合言葉にすると外しません。
男性は、両家の格が揃っているかを基準に、ネクタイの有無や色を決めます。女性側がフォーマル寄りの装いなら、男性もネクタイを締めたスーツにしておくとバランスが取れます。
女性の身だしなみでは、メイクは上品で清楚に、盛りすぎず華やかに仕上げるのが好印象です。アクセサリーはパールなど小ぶりで上品なもの、バッグや靴は落ち着いた色合いでシンプルなデザインが向いています。ヘアスタイルは、すっきりまとめるか、丁寧に整えたダウンスタイルにします。ネイルはベージュやピンク系のワンカラーが好印象です。
個室は距離が近く、向かい合って2〜3時間過ごすため、細部が目に入りやすい環境です。大ぶりなアクセサリーや派手なネイルは、食事中の手元で目立ちやすくなります。また、座敷の場合は靴を脱ぐことがあるので、ストッキングの伝線や靴下の状態も事前に確かめておきましょう。
顔合わせ個室の費用はいくら?予算と支払いの決め方
1人あたりの食事代は7,000~10,000円程度が目安
個室で顔合わせをする場合、食事代は1人7,000~10,000円程度を目安に考えれば大きく外れません。会場の格や料理のコースで上下するので、幅を持たせて予算を組みましょう。
顔合わせの費用に関する解説では、レストランや料亭などで顔合わせを行う場合、1人あたり7,000円~1万円程度が相場とされています。また、1人あたり5,000~10,000円が主流で、全体の41.2%を占めるというデータもあります。料亭の懐石料理やホテルのコース料理を選ぶと上の価格帯になりやすく、個室のあるレストランのランチコースなら抑えやすい傾向があります。
| 項目 | 公開データ | 出典 |
|---|---|---|
| 親への挨拶からの時期 | 1カ月~3か月以内が39.3%、4カ月~6カ月以内が35.0% | マイナビウエディング |
| 入籍との関係 | 入籍の1~2ヶ月前が60.8% | マイナビウエディング |
| 個室を理由に会場を選んだ人 | 6割以上 | 顔合わせの場所選び解説 |
| 1人あたりの食事代 | 5,000~10,000円が主流(41.2%) | 顔合わせの場所選び解説 |
| 費用の支払い | 約半数が新郎の親が全額負担、次いで新郎新婦が全額負担(34.7%) | マイナビウエディング |
※各出典ページの公開データをもとに編集部で整理(2026年9月確認)。調査対象や時期は出典ごとに異なります。
コースを選ぶときは、価格だけで決めず、個室の利用条件と飲み物代を合わせて考えるのがコツです。料理は手頃でも、飲み物を追加するうちに予算を超えることがあります。
総額は10万~20万円程度、個室利用料も見落とさない
食事代だけでなく、手土産や交通費、衣装代まで含めると、顔合わせの総額は10万~20万円程度になることが多いとされています。食事代以外にかかる費用を先に書き出しておくと、両家での相談がしやすくなります。
マイナビウエディングの顔合わせの費用解説でも、食事代のほかに手土産・交通費・衣装代なども含めて総額10万~20万円程度になることが多いと紹介されています。総額に幅が出るのは、遠方からの移動があるか、着物のレンタルや着付けをするかによって、食事代以外の費用が大きく変わるからです。
見落としやすいのが個室利用料です。お店によっては、料理代とは別に個室の利用料が加算されることがあります。「コース料金×人数」で計算していたら、会計のときに個室料やサービス料が上乗せされていて慌てた、ということも起こりえます。
交通費は各自で負担する、新郎新婦が負担する、新郎の親が負担するなど、家によってさまざまです。衣装代は各自負担が基本です。予約時に個室料の有無とサービス料の扱いを確認し、交通費を誰が持つかも含めて両家で話しておくと、あとから費用のことで気まずくなりません。
支払いは誰が?家の考え方をふたりが橋渡しする
顔合わせの費用を誰が払うかに決まりはありません。迷ったら、ふたりが両家の考えを聞いて、事前に分担を決めておくのが一番確実です。
マイナビウエディングの費用解説では、約半数が新郎の親が全額負担し、次いで新郎新婦が全額負担(34.7%)という結果が紹介されています。ほかにも、両家で折半するパターンがあります。新郎の親が負担する形が多いのは、昔からの婚礼の慣習で新郎側がもてなす役割を担ってきた名残と考えられます。一方、ふたりが負担する形には、「親への感謝として自分たちでもてなしたい」という気持ちが込められています。
よくあるのが、分担を決めないまま当日を迎え、会計の場で両家の父親が「ここは私が」と譲り合ってしまうケースです。個室の外で支払いの押し問答が続くと、せっかくの和やかな雰囲気が崩れてしまいます。
当日の支払い窓口は、新郎が担うケースが最も多いとされています。事前に分担を決めたうえで、会計はお開きの少し前にふたりが席を外して済ませておくと、両家の親に気を遣わせずに会を締めくくれます。地域や家によって考え方が異なるので、両家の意向を先に聞いておきましょう。
手土産は3,000~5,000円を目安に、両家で有無を揃える
手土産を用意する場合は、3,000~5,000円を目安に、両家で「用意するか」「どのくらいの金額か」を揃えておけば安心です。
マイナビウエディングの費用解説では、菓子折りなどは3,000円~5,000円を目安にするとよいとされています。品物は、日持ちする個別包装の菓子折りや縁起のいい食べ物が選ばれやすく、日持ちしないもの、重いもの、かさばるものは避けられる傾向があります。持ち帰る側が遠方の場合、帰りの荷物が増えることも考えておきたいところです。
やりがちなのが、片方の家だけが手土産を用意し、もう片方は手ぶらで来てしまうケースです。受け取った側が「お返しを用意していなかった」と気まずさを感じてしまいます。金額に大きな差がある場合も、お互いに気を遣う原因になります。
渡すときは、「〇〇がお好きだと伺いました」と一言添えると丁寧です。相手の家族の好みを事前にふたりで共有しておくと、選ぶ段階から迷いが減ります。手土産の選び方やのしについては、以下の記事で詳しく整理しています。

まとめ|個室選びは早めの予約と両家のすり合わせで決まる
顔合わせの個室選びで大切なのは、立派なお店を探すことより、両家が安心して話せる条件を早めに整えることです。まずは今週中に、両家の親へ「候補日」「参加人数」「和食と洋食の希望」の3つを聞いてみてください。それが決まれば、会場探しも席順や服装の相談も、自然に順番どおり進められます。
※料金や個室の利用条件はお店によって異なるため、最新情報は各店の公式サイトでご確認ください。

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