結婚式の招待状が届いて当日の段取りを考え始めると、「受付では何と言えばいいの?」「ご祝儀はどのタイミングで出すの?」と、細かいところで手が止まることがあります。受付係を頼まれた方なら、「大切なお金を預かるのに、段取りを間違えたらどうしよう」と気になっているかもしれません。
先に結論をお伝えします。ゲストとして受付を通るなら、「式の30分前に着く」「袱紗(ふくさ)からご祝儀を出す」「お祝いの一言を添える」の3つを押さえておけば大丈夫です。受付係の場合は、ほかのゲストより1時間ほど前に会場入りし、預かったご祝儀を誰に渡すのかを事前に確認しておくことが、当日の安心に直結します。
この記事では、ゲスト側と受付係側の両方について、挨拶の言葉、ご祝儀の渡し方、袱紗の色と向き、当日の流れ、服装までを「なぜそうするのか」という理由と一緒に整理しました。地域や家によって考え方が異なる部分は、誰に何を確認すればよいかもあわせてお伝えします。
・ゲストが受付に着く時間の目安と、並んでいる間にしておくこと
・「本日はおめでとうございます」から始まるご祝儀の渡し方と、袱紗の色・右開きの理由
・受付係が前日までに確認したい7項目と、当日の7ステップ・声かけの例
・受付係がやりがちな失敗の避け方と、ゲストより一段格を上げる服装の選び方
結婚式のマナーで受付が大切にされる理由
受付は「新郎新婦の代わりにゲストを迎える場所」
受付は、会場に着いたゲストが最初に言葉を交わす場所であり、新郎新婦に代わってゲストを出迎える役割を持っています。ここでのやりとりが整っていれば、ゲストも受付係も落ち着いた気持ちで式に向かえます。
なぜ受付がこれほど大切にされるのかというと、新郎新婦は挙式の準備で、ゲスト一人ひとりを入口で迎えることができないからです。マイナビウエディングの解説でも、受付係は「新郎新婦やご両家に代わってゲストを最初にお迎えする大切な役割」と説明されています。つまり受付での一言や所作は、ゲストにとって「新郎新婦からの最初のおもてなし」として受け取られます。
よくあるのが、ゲスト側が「受付はご祝儀を出すだけの窓口」と考えて、無言でご祝儀袋を差し出してしまうケースです。受付係は新郎新婦の代理ですから、ゲストとしても新郎新婦本人に向けるつもりで挨拶をすると、やりとりが自然になります。
受付の設け方は会場や両家の方針で違い、新郎側・新婦側で分かれている場合も、ひとつにまとまっている場合もあります。案内表示や受付係の声かけに合わせて動けば問題ありません。
受付で交わすのは「挨拶・ご祝儀・記帳」の3つだけ
受付でのやりとりは、大きく分けると「挨拶」「ご祝儀の受け渡し」「芳名帳への記帳」の3つです。この順番を覚えておくだけで、当日に迷う場面はほとんどなくなります。
マイナビウエディングの解説では、受付は「挨拶」「ご祝儀の受け渡し」「芳名帳への記帳」の順に進むと説明されています。先にお祝いの気持ちを言葉で伝え、次にその気持ちを形にしたご祝儀を渡し、最後に出席の記録を残す、という流れです。順番に意味があるので、慣れていなくても理由から思い出せます。
受付係の側から見ると、任務はもう少し広がります。結婚式場を運営する会社のコラムでは、主な任務として「ゲストへの挨拶、ご祝儀の受け取り、芳名帳への記入案内、配布物の配付、会場案内」が挙げられています。ゲストは3つの動作、受付係は5つの任務と覚えておくと整理しやすいでしょう。
最近は芳名帳の代わりにゲストカードを使う会場もあり、事前に記入して持参する形式もあります。招待状に同封されていた場合は、前日までに書いてバッグに入れておくと受付がスムーズです。
芳名帳(ほうめいちょう)=ゲストが名前と住所を記入する帳面。新郎新婦が出席者を把握し、後日のお礼に役立てる
袱紗(ふくさ)=金品を包むための小さな風呂敷。ご祝儀袋の折れや汚れを防ぎ、お祝いの気持ちを大切に扱う意味を持つ
お車代=遠方から来るゲストや主賓などに、新郎新婦が交通費の気持ちとして用意するもの。受付で手渡すことがある
席次表=披露宴のテーブル配置と出席者名を記した案内。受付で配付されることが多い
ゲスト・親族・受付係で、気をつけるポイントはこう違う
同じ「受付のマナー」でも、立場によって意識するポイントが変わります。自分がどの立場で出席するのかを先に確認しておくと、準備の優先順位がはっきりします。
友人や同僚として出席するゲストは、受付を通る時間、挨拶の一言、袱紗からご祝儀を出す所作の3点を押さえておけば十分です。受付に長く留まる立場ではないので、後ろに並ぶ人を意識して、手際よく済ませることを心がけましょう。
親族として出席する場合は、ご祝儀を当日の受付ではなく、事前に本人や親に直接手渡すのが一般的とされています。そのため受付では記帳だけ、というケースもあります。遠方に住んでいて事前に会えない場合は、当日持参しても問題ありません。
受付係を頼まれた場合は、ゲストとしてのマナーに加えて「大切なお金を預かる」「新郎新婦の代理でゲストを迎える」という責任が加わります。集合時間やご祝儀の受け渡し相手など、事前に確認する項目が増えるため、この記事の後半で詳しく整理しました。
親族の渡し方や受付の分け方は、家ごと・地域ごとに慣習が違う場合があります。迷ったときは親や新郎新婦に「受付ではどうすればいい?」と一言聞いておくのが確実です。

何分前に着けば安心?ゲストが受付の前に済ませておくこと
受付を通るのは式の30分前が目安
ゲストとして出席するなら、式の30分前に受付を通れるように会場へ向かいましょう。迷ったら「30分前に受付を済ませる」を基準にして、そこから移動時間を逆算すれば間違いがありません。
ゼクシィの受付マナー解説でも、式の30分前に受付を通るのがベストなタイミングとされています。受付を済ませたあとには、クロークに荷物を預けたり、化粧室で身だしなみを整えたり、控室で他のゲストと挨拶を交わしたりする時間が必要です。30分あれば、こうした準備を慌てずに終えられます。
やりがちなのが、「式の開始時間に着けばいい」と考えてしまうケースです。開始直前は受付が混み合いやすく、受付係もご祝儀の取りまとめや引き渡しの準備に入るタイミングです。ぎりぎりに到着すると、自分だけでなく受付係やスタッフにも余計な負担をかけてしまいます。
一方で、早く着きすぎると受付の準備がまだ整っていないこともあります。会場に早めに着いた場合は、ロビーや待合スペースで少し待ち、受付が始まってから並ぶと落ち着いて対応してもらえます。招待状に受付時間が書かれている場合は、そちらの案内を優先してください。
列に並んでいる間に袱紗をバッグから出しておく
受付の列に並んだら、自分の番が来る前に袱紗をバッグから取り出しておきましょう。これだけで、受付での動作が驚くほど滑らかになります。
マイナビウエディングの解説では、受け渡しの流れの最初に「並びながら袱紗をバッグから取り出す」ことが挙げられています。受付の前に立ってからバッグの中を探し始めると、後ろに並ぶゲストを待たせてしまいますし、慌てるとご祝儀袋を落としたり、折り目をつけてしまったりすることもあります。先に準備しておくのは、周りへの気配りでもあります。
よくある失敗は、小さなパーティーバッグに袱紗・スマートフォン・化粧直しの道具を詰め込みすぎて、取り出すのに時間がかかることです。袱紗はバッグの一番上か、すぐ手が届く位置に入れておきましょう。荷物が多い場合は、サブバッグと使い分けるのもひとつの方法です。
男性の場合は、袱紗をスーツの内ポケットに入れて持参することもありますが、受付で渡すときは必ず袱紗から取り出すようにします。ご祝儀袋を直接ポケットから出すのは避けたほうがよいとされています。

「新郎の友人の〇〇です」と名乗る準備をしておく
受付では、新郎側と新婦側のどちらのゲストなのかを伝えると親切です。「新郎の大学の友人の〇〇です」のように、関係と名前をセットで名乗る言葉を事前に決めておくと、当日口ごもらずに済みます。
名乗ることが喜ばれるのは、受付係が名簿と照らし合わせて、お車代の対象者や特別な対応が必要なゲストを確認しているからです。受付係は新郎新婦の友人や親族であることが多く、すべてのゲストの顔と名前を知っているわけではありません。関係を添えて名乗ると、受付係は名簿のどのあたりを見ればよいかがすぐにわかります。
やりがちなのが、新郎側・新婦側で受付が分かれているのに気づかず、反対側の列に並んでしまうケースです。会場に着いたら、まず受付の案内表示を確認しましょう。両方と面識がある場合は、招待状の差出人や、招待してくれた側の受付に並ぶのが一般的です。
名乗り方の例としては、「新婦の会社の同僚の〇〇です」「新郎の従兄弟の〇〇です」などがあります。肩書きを長く説明する必要はなく、関係がひと言で伝われば十分です。受付が一か所にまとまっている会場では、名前だけ伝えても問題ありません。
遅れそうなときは慌てず会場スタッフの案内に従う
交通機関の乱れなどで受付の時間に間に合わなかった場合も、慌てる必要はありません。会場に着いたら、まず受付か会場スタッフに声をかけ、その案内に従って動くのが一番確実です。
遅れて到着したゲストへの対応は、受付係の側でも想定されています。式場運営会社のコラムでは、ゲストが遅刻した場合、受付係はさりげなく声をかけてスタッフへ引き継ぐことが注意点として挙げられています。つまり、遅れたゲストは受付係と会場スタッフに任せてよい、ということです。自分で判断して会場の扉を開けてしまうより、スタッフの誘導を待つほうが、式の進行を妨げずに済みます。
よくある失敗は、挙式が始まっていると気づいて、ご祝儀も記帳も後回しにして急いで席に向かおうとすることです。結果として受付係がご祝儀の取りまとめを終えられず、困らせてしまうことがあります。遅れたときこそ、受付に一声かけてから動きましょう。
挙式中の入場ができるかどうか、どのタイミングで席に案内されるかは会場によって異なります。遅れが見込まれる段階で、会場への連絡方法を招待状や案内状で確認しておくと落ち着いて対応できます。
受付での挨拶とご祝儀の渡し方、迷わない5つの動作
「本日はおめでとうございます」と一礼してから始める
受付の前に立ったら、まず一礼して「本日はおめでとうございます」と挨拶します。どんな立場のゲストでも、この一言から始めれば問題ありません。
ゼクシィのご祝儀マナー解説でも、受付で一礼し「本日はおめでとうございます」と挨拶してから渡す、と説明されています。先にお祝いの言葉を伝えるのは、ご祝儀が「お金のやりとり」ではなく、お祝いの気持ちを形にしたものだからです。気持ちを言葉で伝えてから形を渡す、という順番に意味があります。
受付係は新郎新婦の代理なので、受付係が顔見知りの友人であっても、ここでは改まった言葉で挨拶するのが一般的です。友人同士だと「久しぶり!」と話し込みたくなりますが、後ろに並ぶゲストがいることを考えると、近況報告は受付を離れてからにしましょう。
受付係から先に「本日はお越しいただきまして、ありがとうございます」と声をかけられることもあります。その場合も、軽く一礼してから「本日はおめでとうございます」と返せば自然なやりとりになります。声の大きさは、受付係に届く程度の落ち着いたトーンで十分です。
名乗ったあと「心ばかりのお祝いです」と両手で差し出す
挨拶と名乗りを済ませたら、袱紗からご祝儀袋を取り出し、「心ばかりのお祝いです。どうぞお納めください」と一言添えて両手で渡します。この一言があるだけで、受け渡しがぐっと丁寧な印象になります。
「心ばかり」という言葉は、「わずかではありますが、気持ちを込めました」という謙遜の表現です。ゼクシィの解説でも、渡す際には「心ばかりのお祝いです。どうぞお納めください」といった言葉を添えるとされています。金額の大小にかかわらず使える言葉なので、覚えておくと重宝します。
ご祝儀袋は、受付係から見て表書きが正面に読める向きにして差し出します。袱紗の種類によって、袱紗ごと向きを変えるか、ご祝儀袋だけ向きを変えるかが異なるため、次の章で詳しく説明します。ご祝儀袋の表書きや中袋の書き方に不安がある場合は、前日までに確認しておきましょう。

言い換えとしては、「ささやかですが、お祝いの気持ちです」「どうぞお納めください」だけでも問題ありません。緊張して言葉が出てこないときは、両手で丁寧に差し出して一礼するだけでも、気持ちは十分に伝わります。
よくある状況:当日の朝に慌てて支度をし、袱紗を入れ忘れて、スーツの内ポケットやバッグからご祝儀袋を直接取り出してしまう。移動中に袋の角が折れたり、水引がつぶれたりしていることもある。
原因:ご祝儀袋の準備と袱紗の準備を別々のタイミングで行い、袱紗を「あれば良いもの」と考えていたこと。
対策:ご祝儀袋にお金を入れたら、その場で袱紗に包んでバッグに入れる。ゼクシィの解説でも、ご祝儀袋をむき出しの状態で取り出して手渡すのは、大人としてスマートではないとされています。忘れた場合は、会場に向かう途中のコンビニで購入するか、ハンカチで包むと整います。
記帳を済ませたら袱紗をしまって会場へ
ご祝儀を渡したら、芳名帳に名前と住所を記入し、使い終わった袱紗をバッグにしまってから受付を離れます。記帳は丁寧に書くことを優先し、急がなくて大丈夫です。
芳名帳は、新郎新婦が誰に出席してもらったかを確認し、後日のお礼や年賀状のやりとりに使う大切な記録です。住所や名前が読みにくいと、新郎新婦が困ってしまうことがあります。受付係から「恐れ入りますが、こちらにお名前とご住所をお願いいたします」と案内されたら、楷書で読みやすく書きましょう。
やりがちなのが、袱紗をたたまずに受付台の上に置いたまま記帳を始め、そのまま置き忘れてしまうケースです。袱紗は渡し終えたらすぐにたたんで手元に持つか、バッグにしまってから記帳すると忘れにくくなります。
記帳が終わると、席次表やプログラムを渡されることがあります。お車代を用意されているゲストは、このタイミングで受付係から「新郎新婦からお預かりしています」と手渡されることもあります。受け取ったら「ありがとうございます」とお礼を伝え、控室や会場へ向かいましょう。
記帳とご祝儀、どちらを先にすればいいですか?
一般的には「挨拶→ご祝儀→記帳」の順です。ただし会場によっては先に記帳を案内されることもあるので、受付係の声かけに合わせれば問題ありません。
親族ですでにご祝儀を渡しています。受付では何をすればいいですか?
お祝いの挨拶と記帳だけで大丈夫です。受付係が戸惑わないよう「ご祝儀は事前にお渡ししています」と一言添えると、やりとりがスムーズになります。
親族はご祝儀を事前に手渡すことも多い
親族として出席する場合、ご祝儀は結婚式当日の受付ではなく、事前に本人や親に直接会って手渡すのが一般的とされています。ただし遠方に住んでいて事前に会えない場合は、当日持参しても問題ありません。
親族が事前に渡すことが多いのは、ご祝儀を「お祝いの挨拶と一緒に直接届けるもの」と考える家が多いためです。受付を通すと、受付係である新郎新婦の友人が親族の大切なお祝いを預かることになります。身内同士であれば、顔を合わせて「おめでとう」と伝えながら渡すほうが、気持ちも伝わりやすいという考え方です。
よくある迷いは、「親族も受付を通るべきか」という点です。親族であっても、記帳は受付で行うのが一般的です。事前にご祝儀を渡していれば、受付では挨拶と記帳だけで済みます。当日持参する場合は、ゲストと同じように袱紗から出して受付で渡します。
親族のご祝儀の渡し方は、家ごと・地域ごとに慣習が違う場合があります。「受付で渡すのが当家の流れ」という家もあるので、迷ったときは親や新郎新婦に確認しておくと安心です。兄弟姉妹や親の場合は、ご祝儀の代わりに準備費用を援助するなど、別の形でお祝いすることもあります。
袱紗の色と向きで迷ったら「暖色・右開き」
袱紗はご祝儀袋を守り、気持ちを大切に扱う道具
袱紗は「持っていくと丁寧」な小物ではなく、ご祝儀を持参するときの基本と考えておくと安心です。一枚持っておけば、結婚式のたびに使えます。
ウェディング情報サイトの袱紗マナー解説では、袱紗は「金品を包むための小さな風呂敷」で、ご祝儀袋の折れや汚れを防ぎ、お祝いの気持ちを大切に扱うという敬意を表すものと説明されています。ご祝儀袋は水引や紙の質感が繊細で、バッグの中でほかの持ち物とこすれると形が崩れやすいもの。袱紗で包むことは、「あなたのお祝いを大切に運んできました」という姿勢を示すことにもつながります。
やりがちなのは、ご祝儀袋を購入したときのビニール袋や、クリアファイルに入れたまま持参してしまうケースです。汚れは防げても、受付でビニール袋から取り出す所作は改まった場にそぐわない印象を与えがちです。持ち運びの間はビニール袋で保護しても構いませんが、家を出る前に袱紗に包み直しておきましょう。
袱紗にはいくつかの種類があり、形によって包み方や受付での渡し方が変わります。自分が持っている袱紗がどのタイプかを確認し、使い方を一度練習しておくと、当日慌てずに済みます。
色は赤・朱色・ピンク、迷ったら慶弔両用の紫
結婚式で使う袱紗は、赤・朱色・ピンクなどの暖色系を選ぶのが一般的です。これから一枚用意するなら、慶事にも弔事にも使える紫を選んでおくと、場面を問わず使えます。
色に決まりがあるのは、袱紗の色でお祝いの場か弔いの場かを表す慣習があるためです。暖色系は明るく華やかな印象から慶事用、紺・グレー・黒などの寒色系は落ち着いた印象から弔事用とされています。紫は慶弔両用とされ、なかでも濃紫が格式の高い色と考えられています。
よくある失敗は、手元にある紺やグレーの袱紗を「落ち着いた色だから大丈夫だろう」と結婚式に持っていってしまうことです。寒色系は弔事用とされているため、結婚式では避けるのが無難です。家族共用で弔事用の袱紗しかない場合は、紫の袱紗を一枚用意しておくと、どちらの場面にも対応できます。
柄については、無地が最も無難です。柄入りを選ぶなら、松竹梅や鶴・亀などの吉祥文様が上品にまとまります。キャラクターものやカジュアルな素材の袱紗は、改まった場では避けたほうが安心です。色や柄の考え方は地域や家によって異なる場合もあるので、親族から譲り受けた袱紗を使う場合は、その家の慣習に合わせるのもひとつの判断です。
金封タイプと風呂敷タイプで包み方・渡し方が変わる
袱紗には、ポケットに挟むだけの「金封タイプ」と、布で包む「風呂敷タイプ」があります。初めて使うなら金封タイプ、格式を重んじたいなら風呂敷タイプと考えると選びやすくなります。どちらの場合も、開く向きは「右開き」になるように包むのが基本です。
右開きにするのは、「右=おめでたい方向」とされているためで、左開きは弔事用とされています。袱紗マナーの解説でも、右開きが基本で左開きは弔事用、と明確に説明されています。包み終えたら、袱紗を開くときに右側から開く向きになっているかを確認しておきましょう。
金封タイプは、開いたときに右開きになるようにセットし、ご祝儀袋を表向きでポケットに挟むだけです。受付では、袱紗ごと180度回転させて、ご祝儀袋が相手に見えるように両手で差し出します。
風呂敷タイプは、爪付き・台付きなどのバリエーションがあり、格が高いとされています。袱紗をひし形に置いてご祝儀袋を中央よりやや左に置き、左→上→下→右の順に折りたたみ、最後に右を裏に包み込みます。受付では、袱紗からご祝儀袋だけを取り出して180度回転させ、たたんだ袱紗の上にのせて渡します。袱紗を「お盆」に見立てた敬意の表し方です。
| 項目 | 金封タイプ | 風呂敷タイプ | ハンカチで代用 |
|---|---|---|---|
| 包み方 | 右開きになるようにセットし、ご祝儀袋を表向きでポケットに挟む | ひし形に置き、左→上→下→右の順に折り、最後に右を裏に包み込む | 風呂敷タイプの包み方を参考に、右開きになるよう包む |
| 受付での渡し方 | 袱紗ごと180度回転させ、両手で差し出す | ご祝儀袋だけを180度回転させ、袱紗の上にのせて渡す | ハンカチから取り出し、相手に表書きが読める向きで渡す |
| 向いている人・注意点 | 初めて袱紗を使う人。扱いが簡単で当日も慌てにくい | 格式を重んじたい人。包み方を事前に練習しておくと安心 | 袱紗を忘れたときの代わり。白か淡い暖色、35~45cm角程度が目安 |
袱紗を忘れたらコンビニかハンカチで代わりを用意する
当日になって袱紗がないことに気づいても、心配はいりません。会場へ向かう途中のコンビニや生活雑貨店で購入できることが多く、手持ちのハンカチで代用することもできます。
代用が認められているのは、袱紗の本来の役割が「ご祝儀袋を汚れや折れから守り、大切に扱う気持ちを表すこと」だからです。むき出しで持ち運ぶより、清潔な布で包んでいるほうが、その気持ちはきちんと伝わります。形式にこだわりすぎず、代わりのもので丁寧に包むことを優先しましょう。
ハンカチで代用する場合は、白または淡い暖色の、清潔感のあるシルクや綿素材を選びます。大きさは35~45cm角程度が目安です。よくある失敗は、手元にあったタオル地のハンカチや柄の大きなハンカチを使ってしまうことです。カジュアルな印象になりやすいので、無地で薄手のものを選ぶと整って見えます。
ハンカチでも、包むときは右開きになるように意識しましょう。暖色や白のハンカチが手元にない場合は、会場近くで袱紗を購入するほうが安心です。結婚式に出席する機会が続きそうなら、紫の袱紗を一枚持っておくと、次からは迷わずに済みます。
受付係を頼まれたら?前日までに確認したい7つのこと
受付係は「新郎新婦とご両家の代理」
受付係を頼まれたら、まず「自分はゲストでもあるけれど、受付に立つ間はホスト側の立場」と意識を切り替えましょう。この意識があれば、言葉遣いや振る舞いで迷う場面はぐっと減ります。
ゼクシィの受付マナー解説では、受付係の心構えとして「ホスト側の立場」を常に意識し、笑顔を忘れず、一人ひとりに丁寧に対応すること、私語は控えることが挙げられています。受付に立つ人は、ゲストにとって「新郎新婦がこの人に任せた」という存在です。受付係の対応が丁寧であれば、ゲストは新郎新婦にも同じ丁寧さを感じます。
受付係は、新郎新婦にとって信頼できる友人や、年の近い親族に依頼されることが多い役割です。頼まれたということは、大切なお金と、ゲストを最初に迎える役目を任せたいと思われている証です。緊張しすぎる必要はありませんが、責任のある役割として準備しておくと、当日の自信につながります。
一方で、受付係もゲストの一人です。受付の時間以外は、他のゲストと同じように式を楽しんで問題ありません。受付の担当時間と、そのあとの動き方を事前に確認しておくと、気持ちの切り替えがしやすくなります。
| 立場・関係 | 新郎新婦やご両家に代わって、ゲストを最初にお迎えする役割 |
| 集合の目安 | ほかのゲストより1時間ほど前に会場入りするのが一般的 |
| 主な任務 | ゲストへの挨拶、ご祝儀の受け取り、芳名帳への記入案内、配布物の配付、会場案内 |
| 持ち物・注意点 | 自分のご祝儀と袱紗、筆記用具。ご祝儀は事前確認した人にだけ手渡す。持ち場を離れない |
前日までに新郎新婦と確認したい7項目
受付係を引き受けたら、前日までに新郎新婦と次の7項目を確認しておきましょう。当日に聞こうとしても、新郎新婦は支度で連絡がつきにくいため、事前確認が安心の鍵になります。
マイナビウエディングの解説で事前に確認しておきたいとされているのは、「集合時間と式の開始時間」「会場へのアクセス方法」「当日の天気や気温」「一緒に受付する人の名前」「ご祝儀の保管・受け渡し方法」「お車代配布の対象者とリスト」「特別対応が必要なゲスト」の7つです。どれも当日その場で判断しようとすると迷いやすい項目で、事前に決まっていれば落ち着いて動けます。
なかでも優先度が高いのは、ご祝儀の受け渡し方法とお車代の対象者です。預かったご祝儀を「誰に」「いつ」渡すのか、お車代を「誰に」渡すのかが曖昧なままだと、受付中に手が止まってしまいます。お車代の対象者は、名簿に印をつけたリストをもらっておくと確実です。
一緒に受付をする人の名前を聞いておくのも大切です。初対面の相手と組むこともあるので、事前に連絡先を交換して集合場所を決めておくと、当日すぐに役割分担の相談ができます。天気や気温は、屋外を移動する会場や、服装・羽織りものを選ぶ参考にしましょう。
当日はほかのゲストより1時間ほど前に会場入りする
受付係は、ほかのゲストより1時間ほど前に会場入りするのが一般的です。「受付が始まる時間に着けばいい」ではなく、準備の時間を含めて逆算しておきましょう。
早めに会場入りするのは、式場スタッフから受付の流れや、お願い事項、注意事項のレクチャーを受けるためです。会場によって、ご祝儀を入れる箱の場所、芳名帳やゲストカードの扱い、クロークや控室への案内の仕方が違います。こうした会場ごとのルールを把握してから受付に立つと、ゲストからの質問にも落ち着いて答えられます。
よくある失敗は、支度に時間がかかって集合時間に遅れ、レクチャーを聞き逃したまま受付を始めてしまうケースです。受付係の遅刻は、新郎新婦や一緒に受付をする人に大きな負担をかけてしまうため、できるだけ避けたいところです。ヘアセットを美容室に頼む場合は、予約時間にも余裕を持たせておきましょう。
集合時間は会場や式の規模によって異なるため、新郎新婦から伝えられた時間を最優先にしてください。どうしても遅れそうな場合は、一緒に受付をする人と会場の両方に早めに連絡を入れておくと、その間の対応を相談できます。
受付を始める前に役割分担と備品をそろえる
会場に着いてレクチャーを受けたら、受付が始まる前に、一緒に受付をする人と役割分担を決め、受付テーブルの備品を確認しておきましょう。この準備が済んでいれば、ゲストが一度に到着しても慌てずに対応できます。
式場運営会社のコラムでは、受付開始前にしておくこととして「担当者の役割分担を決定」「テーブルの備品確認」「ゲスト名簿でお車代対象者を把握」「トイレ・控室などの設備場所を確認」が挙げられています。受付中はゲストから「お手洗いはどこですか」「控室はどちらですか」と聞かれることが多いため、設備の場所を知っておくだけで対応がスムーズになります。
役割分担の例としては、「挨拶とご祝儀の受け取り担当」「記帳の案内と配布物担当」のように、流れの前半と後半で分ける方法があります。一人がすべてを抱えると、受付に列ができやすくなります。お車代を渡す担当も決めておくと、名簿の確認漏れを防げます。
備品は、芳名帳やゲストカード、筆記用具、席次表やプログラム、ご祝儀を入れる箱などが揃っているかを確認します。何を用意するかは会場や新郎新婦の準備によって異なるので、足りないものがあれば、その場で会場スタッフに相談しましょう。
受付係でも、自分のご祝儀は用意するのですか?
受付係もゲストの一人なので、ご祝儀は用意するのが一般的です。受付を始める前に自分の記帳を済ませ、ご祝儀も出しておくという案内があります。一方で、全ゲストの受付後に自分の情報を記入する流れを紹介する解説もあるため、会場スタッフのレクチャーに合わせましょう。
一緒に受付をする人が初対面で不安です。
前日までに新郎新婦から名前を聞き、可能なら連絡先を交換して集合場所を決めておきましょう。当日は会場入りしてすぐに役割分担を話し合えば、受付開始までに息を合わせられます。
受付係の当日の流れ7ステップと、そのまま使える声かけ
受付係の当日の動きは、7つのステップに分けると整理しやすくなります。下の表は、ウェディング媒体や式場運営会社が公開している受付係の解説をもとに、各ステップの動作と声かけの例、気をつけたい点をまとめたものです。
| 手順 | 受付係の動作 | 声かけの例 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|---|
| Step1 出迎え | 笑顔でゲストをお迎えする | 「本日はお越しいただきありがとうございます」 | 一人ひとりに丁寧に。私語は控える |
| Step2 ご祝儀 | ご祝儀を両手で受け取り、表書きを上にして箱へ | 「お預かりいたします」 | 金額の確認や中身を見ることはしない |
| Step3 記帳 | 芳名帳またはゲストカードへの記入をお願いする | 「恐れ入りますが、こちらにお名前とご住所をお願いいたします」 | 記入中は急かさず、次のゲストに目配りする |
| Step4 お車代 | 対象のゲストにお車代や謝礼を渡す | 「新郎新婦からお預かりしています」 | 名簿で対象者を確認してから手渡す |
| Step5 案内 | 席次表やプログラムを渡し、会場へ誘導する | 「控室はあちらでございます」 | トイレ・控室の場所を事前に把握しておく |
| Step6 自分の記帳 | 全ゲストの受付後に自身の情報を記入する | ― | 受付開始前に済ませる案内もあるため会場に確認 |
| Step7 引き渡し | ご祝儀と芳名帳を指定者へ渡す | 「お預かりしたご祝儀と芳名帳です」 | 事前に確認した人に直接手渡す |
出典:結婚式場運営会社の受付係コラム、マイナビウエディング、ゼクシィの公開解説をもとに2026年9月時点で整理
出迎えとご祝儀の受け取りは「両手・表書きを上」
ゲストが受付に来たら、笑顔で「本日はお越しいただきありがとうございます」とお迎えし、ご祝儀は両手で受け取って、表書きを上にして箱に収めます。この2つの動作を丁寧に行うだけで、受付の印象は大きく変わります。
受付係が「ありがとうございます」と感謝を伝えるのは、ホスト側の立場だからです。ゲストは「おめでとうございます」、受付係は「ありがとうございます」と、言葉が対になっていると覚えておくと混乱しません。ゼクシィの解説でも、受付係は「本日はお越しいただきまして、ありがとうございます」と感謝を伝えるとされています。
ご祝儀を両手で受け取るのは、ゲストのお祝いの気持ちを大切に預かるという姿勢を示すためです。片手で受け取ったり、受け取ったご祝儀を無造作に箱へ入れたりすると、ゲストに雑な印象を与えかねません。表書きを上にして収めておくと、あとで新郎新婦が確認するときにも整理しやすくなります。
ゲストから「心ばかりのお祝いです」と言われたら、「お預かりいたします」「ありがとうございます」と一礼して受け取れば十分です。受付が混み合っていても、ご祝儀の受け取りだけは一つずつ確実に行いましょう。
記帳のお願いは「恐れ入りますが」から
ご祝儀を受け取ったら、「恐れ入りますが、こちらにお名前とご住所をお願いいたします」と芳名帳への記入をお願いします。お願いの言葉に「恐れ入りますが」を添えると、ゲストに手間をかけることへの気遣いが伝わります。
芳名帳は、新郎新婦が出席者を把握し、あとでお礼の連絡をするための大切な記録です。ゲストにとっては書く手間がかかるものなので、受付係が一言添えてお願いすることで、気持ちよく記入してもらえます。
よくある失敗は、記入中のゲストに次の案内を急いで話しかけてしまうことです。ゲストは書くことに集中しているため、話しかけられると書き間違いの原因になります。記入が終わるのを待ってから、席次表を渡したり、お車代を手渡したりしましょう。その間は、列に並ぶ次のゲストに「少々お待ちください」と目配りをしておくと、受付全体の流れが滞りません。
ゲストカード形式で、すでに記入済みのカードを持参するゲストもいます。その場合は「お預かりいたします」と受け取ればよく、記帳のお願いは不要です。未記入のゲストには、記入台の場所を案内しましょう。
お車代は「新郎新婦からお預かりしています」と添える
お車代の対象となっているゲストには、記帳が終わったタイミングで「新郎新婦からお預かりしています」と一言添えて手渡します。受付係からの贈り物ではなく、新郎新婦の気持ちを代わりに届けていることが伝わる言葉です。
この一言が大切なのは、お車代が新郎新婦からゲストへのお礼の気持ちだからです。無言で封筒を渡すと、ゲストは何のお金なのか戸惑ってしまうことがあります。「新郎新婦から」と添えることで、ゲストは新郎新婦の心遣いとして受け取れます。
やりがちなのが、対象者の確認が曖昧なまま、似た名前のゲストに誤ってお車代を渡してしまうケースです。お車代は、事前にもらったリストと名簿を照らし合わせ、名前を確認してから渡しましょう。受付を始める前に、対象者の名前に印をつけておくと、確認の手間が減ります。
お車代を受付で渡すか、親族や新郎新婦の親から直接渡すかは、両家の方針によって異なります。受付係が担当するかどうか、どのタイミングで渡すかは、前日までに新郎新婦に確認しておくと、当日迷わずに済みます。
全員の受付が終わったら、自分の記帳と引き渡しを済ませる
ゲスト全員の受付が終わったら、自分の記帳を済ませ、「お預かりしたご祝儀と芳名帳です」と、事前に確認した指定者へ直接手渡します。この引き渡しまでが、受付係の仕事です。
引き渡しを最後にきちんと行うのは、受付で預かったご祝儀と芳名帳が、新郎新婦にとって大切な財産であり記録だからです。受付を終えた安心感から、ご祝儀の箱を受付台に置いたまま控室へ行ってしまうと、紛失の心配が出てきます。受付の終わりは「ゲストの対応が終わったとき」ではなく、「指定者に手渡したとき」と考えましょう。
自分の記帳のタイミングについては、解説によって案内が分かれています。全ゲストの受付後に自分の情報を記入する流れを紹介するものもあれば、受付を始める前に自分の記帳を済ませ、ご祝儀も出しておくとするものもあります。どちらが正しいというより、会場や当日の段取りによって変わる部分なので、会場スタッフのレクチャーに合わせるのが確実です。
指定者は、新郎新婦の親や親族、会場スタッフなど、両家によって異なります。当日になって「誰に渡すんだっけ」とならないよう、名前と顔を事前に確認しておきましょう。
ご祝儀を預かる受付係が避けたい失敗と、服装の選び方
ご祝儀の中身や金額は見ない
受付係は、預かったご祝儀の中身を開けたり、金額を確認したりしないようにしましょう。受付でゲストの前でご祝儀袋を開けることは、ゲストにも新郎新婦にも気まずい思いをさせてしまいます。
中身を見ないのが基本とされているのは、ご祝儀がゲストから新郎新婦へ贈られるお祝いであり、受付係はそれを預かって届ける立場にすぎないからです。金額はゲストと新郎新婦の間のことで、受付係が知る必要はありません。式場運営会社のコラムでも、受付係の注意点として「ご祝儀の金額確認や中身を見ない」ことが挙げられています。
よくあるのが、「中袋に名前が書かれているか確認しておいたほうが親切かもしれない」と考えて、袋を開けてしまうケースです。気遣いのつもりでも、ゲストからは中身を確かめているように見えてしまいます。名前の記入漏れなどは、新郎新婦があとで芳名帳と照らし合わせて確認できるので、受付では袋を開けずにそのまま預かりましょう。
ゲストから「金額はこれで大丈夫かな」と話しかけられることもあるかもしれません。その場合も、中身には触れず「お気持ちありがとうございます」と受け取れば、角が立ちません。
渡す相手は事前に決めた人だけ、持ち場も離れない
預かったご祝儀は、事前に確認した指定者以外には渡さないこと。そして受付中は、持ち場を離れないこと。この2つが、受付係として一番大切な約束です。
受付係は大金を預かる立場です。ゼクシィの受付マナー解説でも、受付係は大金を預かる自覚を持つこと、指定者以外にはご祝儀を渡さないことが注意点として挙げられています。善意で「預かっておきますよ」と声をかけてくる人がいても、新郎新婦から指定されていない相手には渡さないようにしましょう。
よくある状況:受付が一段落したタイミングで、ゲストにお手洗いの場所を聞かれ、案内のために受付台を離れる。一緒に受付をする人も別のゲストの対応で席を外しており、ご祝儀の箱が誰の目も届かない状態になる。
原因:役割分担で「必ず一人は受付に残る」というルールを決めていなかったこと。
対策:受付開始前に「どちらか一人は必ずご祝儀のそばに残る」と決めておく。道案内は指さしと言葉で伝え、会場の奥までの誘導は会場スタッフにお願いする。受付を離れる必要があるときは、ご祝儀をもう一人に預けてから動きましょう。
持ち場を離れないことは、ご祝儀を守るだけでなく、遅れて到着するゲストへの対応のためにも大切です。受付に誰もいないと、遅れたゲストがどこに行けばよいか迷ってしまいます。受付が終わる時間までは、なるべく受付台のそばにいるようにしましょう。
遅刻ゲストや想定外のことは会場スタッフに任せる
受付中に想定外のことが起きたら、受付係だけで解決しようとせず、会場スタッフに相談しましょう。遅れて到着したゲストには、さりげなく声をかけてスタッフへ引き継げば十分です。
実は、受付係にとって意外と知られていない大切なマナーが、「自分で抱え込まないこと」です。受付係は丁寧に対応しようとするあまり、名簿にないゲストが来た、ご祝儀袋を落としてしまった、ゲストが体調の変化を訴えている、といった場面を自分でなんとかしようとしがちです。けれども会場スタッフは、こうした場面に慣れていて、会場の設備や進行の状況も把握しています。スタッフに任せたほうが、ゲストにとっても新郎新婦にとっても安心できる結果になりやすいのです。
遅れて到着したゲストに対しては、受付係が慌てた様子を見せず、「こちらでお受付をお願いいたします」とさりげなく声をかけ、そのあとの誘導はスタッフに引き継ぎます。挙式中に入場できるかどうかは会場の判断によるため、受付係が扉を開けて案内するのは控えましょう。
長話を避けることも、想定外のトラブルを防ぐポイントです。知り合いのゲストと話し込むと、列が滞ったり、受付の注意がそれたりします。積もる話は、披露宴や歓談の時間に改めて楽しみましょう。
受付係の服装はゲストより一段格を上げる
受付係の服装は、ほかのゲストより格式の高い装いを意識するのが一般的です。迷ったら、男性はブラックスーツ、女性は膝丈のワンピースやドレスに、肩が出る場合はボレロを羽織る組み合わせを選べば、落ち着いた印象にまとまります。
受付係がゲストより格を上げるのは、新郎新婦に代わってゲストをお迎えする立場だからです。受付はゲストが最初に目にする場所なので、受付係の装いが整っていると、式全体に改まった雰囲気が生まれます。
| 項目 | 男性 | 女性(洋装) | 女性(和装) |
|---|---|---|---|
| 昼の装い | ディレクタースーツかブラックスーツ。白シャツ、光沢のある白かシルバーのネクタイ、黒の革靴 | アフタヌーンドレス、またはパステルカラー・ベージュのワンピース。膝丈スカート、ベージュのストッキング、ヒールのあるパンプス | 未婚は中振り袖、既婚は色留袖(大振り袖は新婦と重なる可能性があるため避ける) |
| 夜の装い | タキシードかブラックスーツ | ディナードレス | 未婚・既婚で選び分ける考え方が基本 |
| 身だしなみ・注意点 | 清潔感を重視。髪、ひげ、靴も整える | シニヨン・編み下ろし・ハーフアップなどのまとめ髪。肩の露出はボレロで。ネイルは上品に | 白(新婦の色)や黒一色は避けるのが一般的。ドレスコードがあればそちらに従う |
色については、白は花嫁の色とされ、黒一色は重たい印象になりやすいため、どちらも避けるのが一般的です。受付では前かがみになって記帳を案内したり、ご祝儀を箱に収めたりする動作が多いので、女性は胸元や丈が気にならないデザインを選ぶと動きやすくなります。招待状にドレスコードの指定がある場合は、そちらを優先してください。服装の考え方は地域や世代によって違う場合もあるので、迷ったら新郎新婦に一言確認しておくと安心です。
まとめ
受付のマナーは、細かな決まりを暗記するより、「新郎新婦のお祝いの気持ちを大切に扱う」という一点から考えると迷わなくなります。ゲストとして出席する方は、まず今夜のうちにご祝儀袋を袱紗に包み、バッグのすぐ取り出せる位置に入れておきましょう。受付係を頼まれた方は、新郎新婦に「ご祝儀は誰に渡せばいい?」と一通メッセージを送るところから始めてみてください。
※受付の段取りや親族のご祝儀の渡し方は、会場や地域・家によって異なる場合があります。最新の案内は会場や新郎新婦にご確認ください。
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